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lirukの超短編小説群

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#超短編小説

liruk石版-4

liruk石版-4

【名を捨てし砂漠】
 黒い太陽の下、ソウルレスの男が一人歩く。携えた《大鎌》を杖代わりに、死すらも生温い行軍を続ける。
 昨日の昼食は赤蠍二匹。水分を最後に摂ったのはいつだっただろうか。記憶も意識も混濁している。だが、それらを失うことは《大鎌》が許さない。
 「三日前の晩だったか」思考が口をついて出る。奴隷隊商から逃げてきた男の心臓を、慈悲なく《大鎌》で刺し貫き……その血を啜ったのだ。
 しかし、

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liruk石版-3

【芽生えし双葉のシリコン街――手記】

 ――心臓が、ささやかに反抗している――などと考えていた気がする。
 あの日は薄曇りだったか、黒雲だったか。私の記憶ではそんな感じの天気であった。事実はともかく、そう思えるくらいには絶不調だった。
 とにかく、私は仕事を終えて帰宅しようとしていた。仕事と言っても、脳がストライキを起こし、目は敵前逃亡。全身の筋肉はメドゥーサに睨まれたカエルめいて軋んでしまい、

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liruk石版-2

コープスシティ、022ストリート裏路地

 白いポロシャツの男が失禁しながら後ずさる。そのまま石畳に踵を引っ掛けてしまい、尻餅をついた。
「お、俺が何をしたってんだ! この通り公共料金も、税金も払ってる! 優良な市民だぞ! 俺を殺せばポリスが来る! 君は拷問を受けケツからケバブにされオゴーッ!」
 男の口に万力のような強制力で銃口をねじ込んだガンナーは、ペストマスクを付けていた。
「いやはや。まさ

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