見出し画像

都会を離れて働く&暮らす?”well-beingの探究”ケース1-真鶴

移住ってどうなの?踏み切るその前に・・・

前々回の投稿「郊外・地方への分散。働き方×暮らし方は十人十色に!」で紹介しました。移住、職住近接...etc
実際に踏み切るかどうかはともかく。ひとつ紹介したい「新しい職住のスタイル」があります。「海を感じて二拠点居住」あるいは「海の街の職住近接」って勝手にネーミングしちゃいますが、オープンしたばかりの神奈川「真鶴」にあるコワーキングスペースの事例をご紹介します。

おススメ1:身近な人に聴こう!職住近接→準・二拠点居住の例

身近な人にいますよ、結構。いろいろなスタイル。ねほりはほり、リアルな実体験、踏み切る前のポイントも聴きましょう。
まず、私の場合。東京都23区内の山手線沿線の駅近に住み、徒歩圏内にコワーキングスペースを契約しています。自宅テレワークの日もあれば、コワーキングスペースで仕事して駅近スーパーに寄って帰宅したりの"職住近接型"でした。コロナ前は、利便性第一主義で暮らしていました。
第1波の前に東京を脱出。実家のある関西をサブ拠点に東京の自宅との"準・二拠点居住"の生活は4か月目に入りました。精神面では安定していて、ウェルビーイング(well-being)。生まれ育った近畿の時事・文化・郷土の食べ物に触れるのも懐かしく、豊かな心持を取り戻している自分がいます。東京都心に暮らす&働くことの必然性がどんどん薄れています。

もう一人NGOに勤める知人は、コロナになってから都内の自宅から、軽井沢の親戚宅に拠点を置き、毎日近くのコワーキングスペース通い。職場と自宅のある都内には月に数回の頻度で戻る程度とか。軽井沢と東京間の二拠点居住ガールもいます。

私も知人も共通して、前よりwell-beingを実感。当面は社会の変化を見ながらモラトリアムな職×住スタイルを続けていきそうだ…。

上をいく達人?は尊敬するESG等の投資顧問会社の女性社長。コロナ前に郷里の鹿児島出水市に登記変更し”日本最大級の薩摩の武家屋敷群”の一角にサテライトオフィスも構え、時に軽井沢と、東京と鹿児島と軽井沢の三拠点居住をされています。

おススメ2:真鶴コワーキングスペースは、〇〇におススメです!

通勤のわずらわしさから解放され、テレワークで仕事がはかどる、オン/オフの切替えが出来る、街ごといい雰囲気、素敵な景観や街並み、人との交流ができる、おいしい食事ができる店もある...etc。自分にあった街選びがしたい。

真鶴は、神奈川県の熱海と小田原のそれぞれ風光明媚な観光都市の間に位置し、JR東海道線のアクセスもよく、それほど人口が多くない中小都市という点が魅力ポイントです。Well-beingを志向するなら、おススメの街の一つです。写真で上手く伝えられないですが、パノラマに広がる海、緑の丘と坂と家並みの佇まい、景観に抱かれる街です。今の季節には、ウクレレ、ボサノバ、ピアノジャズのBGMがあいそうです♬

Rustic Wedding Photo Collageのコピー

真鶴の「岩海岸」に、Local&Community Lab(LOCOLAB,一般社団法人地域間交流支援機構)の山下拓未(代表理事)さんがアパートをDIY改修した、"コワーキングスペース×研修所の併設型事務所"があります。

画像2

オープンしようと思った背景、こだわりとは?

7月初旬に見学させていただき、お話を伺いました。

コロナの前からこの場所を選んでオープンしようと思った背景とは?

山下さん:理由は3点。1点目は親族が真鶴の岩地区で商売をしていたので幼少の頃週末になると父と釣りをしに来ていました。高校も小田原だったので夏休みに友人と遊びに来たりして、岩海岸は楽しい思い出が詰まった場所なんです。今でも岩海岸を歩くと当時の思い出が蘇ってきます。

2点目は徳島県美波町の会社で働いていた時、サテライトオフィス誘致事業(サテライトオフィスを過疎地へ誘致し地域活性化に繋げる事業)を作ったのですが、その記念すべき第一号のお客様が真鶴町だったことです。20年ほど全国の過疎地で活性化のお手伝いをさせていただいて来ましたが神奈川県の中で、しかも自身のよく知る町が過疎化に苦しんでいるとは驚きで、自分も何かのお役に立てたらと思いました。

3点目は真鶴町に残る地域コミュニティに魅力を感じたからです。2019年に今の会社(一般社団法人地域間交流支援機構:ロコラボ)を立ち上げたのですが、その主事業となる「首都圏から地方を目指す人へのサポート」を行うため、都心から1時間半程度の距離にあり「地域コミュニティを体感しながら滞在できる」地域にコワーキングスペースと研修所が併設した事務所を構えようと考えていたので、迷わず思い入れのある真鶴を最初の候補地にしました!

真鶴眺望jpg

ロコラボの第1号クラブハウス"Rockin' Village"は、何人くらいが、どんな利用ができますか?

山下さん:利用者の方は全てロコラボへ入会していただくことになっています。研修ルームは平屋の建物を改装した作りで最大6名が使用できます。隣にあるアパートを改装したシェアオフィスでは、1Fと2F合わせて6名まで利用できます。3時間、8時間、貸切など利用でき、使用方法は特に定めていません。岩海岸から歩いて30秒の場所なので息抜きもしやすいですし、研修やリゾート利用・コワーキング利用など好きに使っていただければと思います。予約や詳細はホームページをご覧ください!!

都会の駅チカの(コ)ワーキングスペースは人気の的でした。コロナ下では、わざわざ高い利用料を払って、感染リスクを冒してまで都心部まで通いたくないと解約する動きもありますね。地方で立ち上げる意義、こだわりはなんでしょうか?

山下さん:前段でお話しした事と重なるのですが、20年ほど過疎地を中心に地域の方や自治体と一緒になって過疎化対策のお仕事をしてきました。理由は単純で僕自身都会より田舎の方が好きだと言うこと、僕のスキルが活かせるチャンスが過疎化が進む地域の中にあったと言うことに尽きるかと思います。お金を稼ぐ方法なら都会にも沢山あるのですが、田舎の自然環境や人付き合いの中で、大好きなアウトドアスポーツを楽しみながら、町の方との交流を重ねて人としても成長できる地方の環境が僕には合っているんです。あと実は20〜24歳までは東京でグラフィックとWebのデザイン、企業ブランディング等の仕事をしていたのですが、「良いものを更に良く見せる仕事」「お金を稼ぐために作る仕事」「ブームだから乗っかる仕事」がとても多い気がして少し疲れていました。そんな時、地方の仕事に触れる機会があったのですが「悪くなってしまったものを元に戻す仕事」「良いものを正しく伝える仕事」が多くてとても新鮮で楽しかったのもこの仕事を続ける大きな切掛けになっていると思います。

Rustic Wedding Photo Collageのコピー

街のコンテクストと魅力を知るーわたしは4度街歩きした

私は、都市計画・まちづくりを学んでいたころに、衝撃うけた、「真鶴の美の基準」、学芸出版からも本が出て、建築・都市計画分野ではちょっとした話題のまちでした。
その町のコンテクスト(文脈)があるというのも、街を選ぶポイントにしてもよいのでは、と思います。

コロナ下で、都会を脱出するなら、鎌倉、葉山、伊豆、小田原、熱海は、ちょっと街(都市規模)が大きすぎる。
中核都市から少し離れるだけで、海が近く、少し歩けば役所近くに素敵な珈琲店があり、駅近くの地魚が食べられる寿司屋がほどよくある。部屋を一歩出ればオンとオフができる素敵な「空間環境」が広がっている!

真鶴町で住まう・働くという他に、山下さんのお気に入り、おススメとかありますか?
山下さん:「観光スポット」はネットで調べた方が便利なのでGoogleなどにお任せした方がいいかなと思いますw(確かにー!)。 観光スポット以外で僕がお勧めする真鶴やそれ以外の地方の楽しみ方としては、先ず「地域の方とお友達になる」ことにチャレンジしてもらいたいですね!地域の方と親しくなるには少し時間がかかっても、地域の方と一緒に過ごす事で観光や移住とは違った地域の楽しみ方がきっと見つかると思います。宣伝になりますが、ロコラボで開催しているワークショップやイベントには地元の方も遊びに来るのでそういった機会を活用ください!

移住、二拠点居住。地域に馴染むこと難しさとサポートも必要

内覧や契約の相談があるとか。どんなタイプの方々が関心ありますか?
山下さん:当初予定していたオープンが今年の3月中旬だったのですが、新型コロナウィルスの影響で6月中旬まで遅れてしまいました。コロナ渦の影響もあってか4月からコワーキング利用の問い合わせが多くなり、合わせて移住や2拠点居住の相談も来ています。

限られたキャパですが、どんな方に試してもらいたい、どんなスタイルで住まう・仕事を提案されたいですか?
山下さん:真鶴の施設「Rockin’Village」は研修やリゾート利用・コワーキング利用など思い思いのスタイルで利用してもらえたらと思います。オプションやイベントで田舎暮らしの相談会やDIYやアウトドアアクティビティのプチワークショップ、全国の地方メンバーとのオンライン交流などもできるので、もし興味があれば利用してみてください。

なるほど!利用者にはどんなサポートを考えてらっしゃいますか?

山下さん:ロコラボのメンバーにはオブザーバーとして高知県四万十町の職員も在籍していますし、四国、九州、北陸の自治体の方とも今後クラブハウスを開設していく話を進めています。これから地方との関わりを持ちたい方をサポートしていく事がロコラボの主業務なのでもし興味があればご相談いただければと思います。

移住を考えられてる方が、まず数か月使ってみるって”お試し”はあり?
山下さん:ありです。移住や多拠点居住の入り口として使っていただけたらロコラボとしても理想的です。前段でも少しお話ししましたが、「地方で暮らす」と言うことは「地域コミュニティに入る」事でもあるので、時間をかけ地元の方と面識を交わし少しづつお互いを知り合う期間と機会を作れるようにロコラボも頑張ります。

都内・神奈川にはIT関連などテレワーク型の在住外国人います。受け入れ可能ですか?eTOIROで宣伝してもOKですか?
山下さん:大丈夫です。

最後に、真鶴の後、他の地域へのヨコ展開など今後のプランは?
山下さん:ロコラボのメンバーにはオブザーバーとして高知県四万十町の職員も在籍していますし、四国、九州、北陸の自治体の方とも今後クラブハウスを開設していく話を進めていますので楽しみにしていてください。会員限定の情報になってしまうのですが全国のメンバーとのオンライン交流会やイベントは随時開催しているのでホームページから入会後に会員サイトやフェイスブックから確認してください。
https://www.locolab.org/

まとめ:百聞は一見にしかず。街歩きの探査を楽しんでは。

「場」の創り手の想い。時間かけて、その地域を尊重しながらとけ込んでいく間合いや時間をひっくるめて楽しむことを、山下さんが語ってくれました。地方へ移住、住む、住み手・借り手は山下さんのようなサポーター、場の作り手を見つけて、新しい環境で「丁寧な時間」「信頼」を育んでいくのが良いのでは、と思います。

街歩きして、土地を風、人、街を自ら感じて、見て回ることが大切。パノラマの景観を仰ぎ深呼吸。人の生活感・におい、行きつけ候補となる店やカフェや公園や路地、土地の食べ物を食し、街の街並みや歴史文化の奥深さ、新しいクリエイティブな息吹など、歩いて五感で感じること。リアルな暮らしとして、何が自分のこだわりなのか。リアルなふれあい、コミュニティの一員となって、どんな交流を楽しみたいのか。

つきつめれば、新しい拠点でどんな仕事・生活の「暮らし」にしたいのか、どんなふうに人生を豊かにしたいのか、です。これからは効率性、利便性、well-beingが実現できる街を選ぶ、暮らしの創造ができること、が重要視されていくのではないかと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?