笑って、笑って
『ネイチャー人間行動』誌に掲載された新研究によれば、幸せそうな顔をすると気分が少し明るくなるようだ。スタンフォード大学が主導し、フロリダ州立大学と南オーストラリア大学と共同で実施した本研究において、顔の筋肉を笑顔にすることで、より幸せを感じることができることが明らかになった。
研究チームは、人々の主観的な感情体験が顔の表情に影響されるかどうかを評価した。19 か国の 3,878 人の参加者からデータを収集して解析した結果、笑顔の写真をまねたり、口を耳に近づけたりすると、幸福度が著しく増加することがわたったという。
世界がCOVID-19 パンデミックの 4 年目に向かう中、これはタイムリーな発見である、と共同研究者のフェルナンド・マルモジェロ=ラモス博士は述べている。「現在のパンデミックの中で世界が苦しんでいることは間違いありません。不利な状況に対する反応は人によって異なりますが、幸せそうな顔をするだけで感情を揺さぶることができると考えると勇気づけられます。」
「顔の筋肉を動かすだけで感情に影響を与えることができるという概念は、研究者によって長い間議論されてきましたが、これまで世界的に合意されたテストや理論はありませんでした。」
本研究では、次の 3 つのよく知られた手法を検証した。1) 写真に写っている俳優の表情をまねる。2) 顔の筋肉だけを使って口角を頬に移動する。3) シミュレートされた笑顔の形に顔の筋肉を動かす「ペン イン マウス」テクニック。
「これら3つの方法のうち 2 つが、幸福度の顕著な増加をもたらしました。これは、人間の感情が筋肉の動きに関連しているという説得力のある根拠を提供しています」とマルモジェロ=ラモス博士は言う。
「しかし、ペン・イン・マウス法では(おそらく、シミュレートされた口の形が私たちが考えていたほど笑顔を代表していなかったために)同じような気分の変化が得られなかったので 、人が常に笑顔を引き起こしていると絶対的な確信を持って言うことはできません。」
「それでも、証拠は強力であり、‘fake it ‘til we make it’(ふりをしていれば本当にそうなる)こともあると知ることは、間違いなく心強い提案でしょう。」
出典は『ネイチャー人間行動』