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握力は生物学的年齢に関係

筋力の低下と生物学的年齢の加速には関連がみられるようだ、という米国ミシガン大学からの研究報告。

加齢の速度はヒトによって異なる。暦年齢が同じでも、生物学的年齢は異なる可能性がある。そのため、病気や早死のリスクのレベルもヒトによって異なる。

食事や喫煙など生活習慣の選択、および病気はすべて、暦年齢を超えて生物学的年齢を加速させる原因となる。今回、研究者らは初めて、筋力の指標である握力の低下が、生物学的年齢の加速と関連していることを発見したという。握力が弱いほど生物学的年齢が高くなる。

研究者らは、DNA メチル化に基づく 3 つの「年齢加速時計」を使用して、1,274 人の中高年者の生物学的年齢と握力との関係をモデル化した。この時計はもともと、糖尿病、心血管疾患、がん、身体障害、アルツハイマー病、炎症、早死を調査したさまざまな研究によってもモデル化されている。

解析の結果、年配の男性と女性の両方で、握力の低下とDNAメチル化時計全体の生物学的年齢加速との間に関連がみられることが明らかになった。

「私たちは、筋力が長寿の予測因子であり、筋力の低下が病気や死亡率の強力な指標であることを知っていましたが、筋力の低下と実際の生物学的加速との間に生物学的関連があることを示す強力な証拠を初めて発見しました」と研究者はコメントしている。

「握力をスクリーニングすることで、これらの有害な『加齢に伴う』健康事象の発症または進行を遅らせたり予防したりするための介入を設計する機会が得られるでしょう。」

出典は『悪液質サルコペニアと筋肉雑誌

http://dx.doi.org/10.1002/jcsm.13110


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