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介護保険制度からみる課題part3

前回の記事で介護保険制度において初期は普及させることが優先された制度運営であったと書きましたが、ここ数年の制度改正で特に大きな影響を受けた1つのサービスとして老人保健施設(老健)があります。

以前の記事で老健とは、病院と在宅との中間施設であると書きましたが、この施設の大きな役割の1つとして在院日数の短縮があります。
介護保険制度は、病院などの在院日数の短縮や医療におけるリハビリや看護介護を医療保険から介護保険制度へ移行するものでもあります。
老健は、病院での在院日数の短縮に伴い十分なリハビリが受けられない患者さんに在宅復帰に向けたリハビリや看護介護を期間限定で提供する施設です。
初期では、介護報酬も高く施設に入所する利用者を確保し、ベッドを満床にすることで十分な利益を確保できました。
結果として、入所の長期化が進み本来の役割である在宅復帰ではなく、入所が長期化するケースも多く見受けられました。

しかしここ数年前からの介護報酬改定により、基本報酬の低下と退所率により報酬加算が始まりました。簡単に言うと、入所期間が長くなれば事業としては利益が出なくなります。利益を出すには、リハビリ等に積極的に取り組み、早期に退所させかつ新たな入所も進めていくことになります。
このような対応が出来ないところは、収益が減ってしまいます。

この仕組みの課題のひとつに、しっかりと在宅復帰をするための、リハビリ等の対応が出来るかということにあります。
この仕組みに大きく変わったときに、説明や十分な対応が出来ていないのに、無理やり退所させられたや、退所させて系列の老人ホームに一旦入所、その後再度老健に入所することで、入所日数をリセットする方法などが見受けられました。
このやり方が良いか悪いかは置いといて、在宅復帰をさせることは、リハビリ専門職やその他の医療介護の専門職が集まっている施設でも難しいということです。

また、在宅での生活を支える介護保険制度等を整えても、それだけでは障害を持ったり介護が必要になった人は生活に難しさを感じたり、不便なことも多いはずです。
そこには、民間の力も地域の力も必要になるはずです。
私も今でこそ、民間や地域の重要性を訴えて取り組みなどもしていますが、10年前に老健に勤めていた時は、そのようなことは考えていませんでした。恐らく、現在老健に勤めているリハビリ専門職やその他の専門職でもこのような考え方を持っている方は少ないのではないでしょうか。
民間だけでなく、医療介護に携わる者もまちづくりに興味を持っていただきたいと思っています。

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