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世界で1番綺麗な花嫁さまを1日3回見たバイト

高校生はじめてのバイトといえばコンビニ。

ではなく、私は高校時代ちょっと変わったバイトをしていた。それは結婚式場の配膳係だった。
結婚式場といえば、スタッフの方はテキパキしていて、笑顔でサービスをするイメージではないだろうか。

もう数十年も前なので、今現在の募集がどうなのかはわからないが、自分が働いていたところは、高校生も多くいた。
このバイトのメリットといえば、融通が聞く上にお給料も結構もらえるのである。
なおかつ式場は来客の名簿も事前にみれるので、
自分の高校の先生や知人を回避できるというこの上なく都合のいいバイトだった。

大安ともなれば式場の中で1番綺麗な花嫁様!を同施設内で、1日最低3組繰り返す。終わればすぐに次の新しい会場のセッティングと慌しく準備からのお式は続く。

基本的に1テーブルにつき1人付き、お酒や料理を順番に運んでいき、それと同時にオーダーの取次など常におこなう。
慣れている人は手に何枚も料理を重ねて運べる為、
2テーブル担当していたりした。


そんな何度か入って割と覚えてきた時期に
担当した披露宴で、みんなで折り鶴を作って最後に木にまとめたいという参加型のものだった。
当然、みんないい大人だから折り鶴を折ってくれただろうと自分の担当のテーブルに回収しにいくと、1羽もいない。
それどころか1人も座っておらず、お料理もテーブルに手つかずのままだった。

結婚式にそれなりに出席したことある年齢になったことがある今なら、あるあるだなと思うが、
まだ中身は女子高校生。
イレギュラーのことには慣れておらず、ベテランの人に相談し、料理をテトリスのようにパンパンに配膳したあと、裏で鶴を必死に折り続けた。

そんな木につけた鶴が今どうなっているのかはわからないが、結婚式のバイトがきっかけで人と関わる仕事をずっとしていくとは、今思えば人生なんとなく繋がってたり繋がってなかったりなくなくなくない。

もとは初対面の人と話すことが苦手なタイプで、
人に臆することなく話せるようと続けていくうちにいつの間にかできるようになった。

そんな自分はできる事が
たくさん集まったかと思えば
自分は本当は何したいのかいまだにテーブルに溢れた料理のように手つかずのままだ。

とりあえずは、今はできることを続けてみようか。

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