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実践してみよう!アンケート作成・データ分析(ブランド浸透度・使用実態把握編)

アンケートは消費者の行動やニーズを把握するための強力なツールです。
しかしながら…
 ・自社の課題につながるデータ分析がイメージできない
 ・実際にアンケートを作ると質問文/選択肢の作成が思った以上に大変
といった、『アンケート調査は難しい』という声をよく聞きます。

この記事では課題に対する分析方法や質問文/選択肢のサンプルをご紹介します。ご自身でよりスムーズにアンケート調査ができるようにプレゼント資料も用意していますので是非ご一読ください。


アンケートの「役割」は大きく2つ

アンケートの役割は大きく「実態把握」と「仮説検証」に分けられます。今回は「実態把握」の中でも実施頻度の高い「ブランド浸透度・使用実態把握」を解説します。

アンケートの役割

アンケートを企画するプロセス

いきなり質問文や選択肢を考え始めることはNGです。『なにがわかれば課題解決のためのアクションをとれるのか』をゴールに、逆算思考で調査内容を企画します。

ビジネス課題と調査目的の例

まず、ビジネス課題と調査目的を明確にします。
例えば、以下のような状況で「ブランド浸透度・使用実態把握」アンケートが有用です。

ビジネス課題(例)
担当ブランドの売上は前年比95%と低下している。
シェア低下の主要因がどこにあるのか特定したい
・要因の分析から、シェアの回復に向けて今後どのような施策を打つべきか判断したい
・特にメインターゲットとしている20~30代への販促施策の再検討を行いたい。

調査目的(例)
A)カテゴリー全体の概況把握
B)主要ブランドの購買ファネルを把握
C)主要ブランドのリピート力・スイッチ先を把握
D)商品選択における重視点と自社ブランド/競合ブランドのGAPを理解

ブランド浸透度・使用実態把握アンケートの分析例

4つの目的に対し、アンケートデータでどのような分析ができるか例示します。

A)カテゴリー全体の概況把握

アンケートモニターにカテゴリーの利用頻度や利用金額を聞くことで、ブランドが属するカテゴリー自体のユーザー規模・市場規模がどの程度あるのか概算できます。

ユーザー規模の把握

B)主要ブランドの購買ファネル(ブランド浸透度)を把握

認知>過去利用経験>最近利用経験といった質問から購買ファネルの図を作成できます。自社ブランドと競合ブランドの購買ファネルを比較し、ボトルネックや成長余地の理解、施策効果が高いポイントを発見します。下図はLINEリサーチ自主調査での乳酸菌飲料ブランド浸透度データです。

ブランド浸透度・購買ファネルの比較

また購買ファネルを集計軸ごとに作成すると多様な観点から分析できます。例えば、年代別に分析すると若年層をメインターゲットにしている商品がシニアにも支持されているなど、拡販のヒントが得られることがあります。


C)主要ブランドのリピート力・スイッチ先を把握

現在利用ブランドと次回検討ブランドの2問をアンケートで聴取することで、リピートの強さやスイッチ先を読み取れるクロス集計表を作成できます。自社ブランドからの流出・競合ブランドからの流入を確認します。

下図の自動車のLINEリサーチ自主調査データでは、トヨタユーザーの78%が次回もトヨタ車を検討すること。レクサスユーザーの次回検討ブランドはレクサス(68%)、メルセデス・ベンツ(15%)、BMW(11%)、アウディ(10%)と続くことからレクサスは輸入車カテゴリーに近いポジションを確立していることがわかります。

リピート・スイッチ分析

D)商品選択における重視点と自社ブランド/競合ブランドのGAPを理解

生活者の重視項目を数値で可視化。自社ブランド/競合ブランドはそれらを満たせているかを確認します。

下図はLINEリサーチ自主調査での化粧水の選定重視点×年代のクロス集計表です。上位項目は「使い心地がよいこと」「自分の悩みにあっていること」。また、特に若年層が口コミ・レビューを重視することが読み取れます。自社ブランドは、それらの重視項目を満たせているか、伝えられているかを確認します。

カテゴリー選定重視点

年代の他にも、カテゴリーへのこだわりの強弱など様々な観点で集計することで、ニーズをより深く理解できます。


ここまで分析方法の例をご紹介しました。

ここからは、これらの分析をするためにはどのようなアンケートを作成したら良いのかをご案内します。

目的・アンケート項目を整理 → 調査票を作成する

まず、目的に対応するアンケート項目を整理します。今回は上述の4つを含んだ分析を行えるように12問を企画しました。

目的・調査項目の整理

なお、アンケート項目を組み立てるには、目的・アンケート項目・質問文などを一覧にした表が便利です。(30質問をまとめた資料の無料ダウンロードはこちら

目的・アンケート項目・質問文・選択肢の一覧表(抜粋)

整理した調査項目を、アンケート(調査票)にします。質問文・選択肢は調査カテゴリーにあわせて回答しやすいように調整します。ロジックなども漏れなく記載できるよう、下記のようなExcelフォーマットを使うことを推奨します。

調査票サンプル

このように課題・目的・アンケート項目・調査票を整理できていると、調査会社に依頼する場合も、セルフ型アンケートで実施する場合も良い調査ができます。(本noteをExcelにまとめた資料の無料ダウンロードはこちら。ぜひご活用ください)

LINEリサーチについて

LINEリサーチはLINEヤフー株式会社が提供するマーケティングリサーチサービスです。

アンケートモニターについて

みんなが使うLINEだから『若年からシニアまで、一般的な人にアンケートができる』ことが特長です。アンケートを実施したクライアントからは「以前実施した調査ではアンケートモニターの歪みを感じることがあったが、LINEリサーチでは肌感覚に近い結果が得られる」とコメントをいただいており、本記事のようなブランド浸透度・使用実態把握アンケートに最適だと考えています。

選べる2つのアンケート実施コース

1)LINEリサーチ ライトコース
オンライン上で、ご自身で質問や選択肢などアンケートが作成できるセルフ型コースです。9,800円からLINEでアンケートができ、スピードとコストが特長です。

2)LINEリサーチ サポートコース
LINEリサーチが認定したパートナー調査会社に調査実施を依頼するコースです。調査の専門スタッフが課題の整理、調査の設計、調査画面の作成、実査、集計、分析、報告までをトータルにサポートします。


本記事では、「ブランド浸透度・実態把握アンケート」を例に、どんな分析で何がわかるか、どのような質問項目が必要かを解説しました。みなさまがより良いアンケートを実施するための参考になれば幸いです。(本記事が好評なら「仮説検証」も記事化しますのでぜひ”スキ”してください!)

資料プレゼント

この記事の内容を1つのExcelにまとめた資料を用意しました。
是非ダウンロードしてご活用ください。

【LINEリサーチについて】
『リサーチノート』はLINEリサーチが運営する調査メディアです。LINEリサーチでは600万人を超える豊富なモニターによりテーマごとに様々な調査が可能です。スマートフォン調査をお考えの場合は、お気軽にご相談・お問合せください。

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