曽野綾子「少し嫌われるくらいがちょうどいい」を読んで
「物事を変革するには、おもしろいことにある程度の時間がかかる」
この一文に深く納得した。次の店長候補を育てる仕事を背負う私にとって、一番伝えたいことはこれかもしれないとさえ思えた。
私は今10人ほどのスタッフを抱える店の店長をしている。10人もいると考え方もそれぞれ。10人を同じ方向に向かせ、まとめて動かしていくというのは本当に大変なことだ。
店の方針も刻々と変わる、本社から降りてくる方針転換を店に落とし込むことも容易ではない。
本社が求めるスピードと店のメンバーの飲み込むスピードに差があることは往々にある。それを調整していくのも店長の仕事なのだろう。
一度で状況を飲み込める察しのいいスタッフ、色々な言葉を確認して納得しないと動けないスタッフ、それぞれの性格がある。
早く動き出せるスタッフを上手く活躍させ、ゆっくり納得するスタッフはひたすら声をかけ続けながら待つ、それを調整していると皆が目的地に辿り着くにはある程度時間が掛かる。
先手先手で動きたい私にとっては、状況が動かずイライラする事もあるが、これが今の店の実力だと言い聞かせグッと待つ。そして行きたい目的地をねばり強くみんなと共有する。
そのコツコツとした努力が、チームを動かしていくのだと思う。
若い年齢の店長候補にはそのコツコツした努力を理解してもらうには時間が掛かるかもしれない。それもまたねばり強く伝えて飲み込めるまで待つことが必要なのだろう。
そして私自身もあまり飲み込みは早い方ではない。日々イライラしたりハラハラしたりしながら、チームをまとめるという技術を少しずつ飲み込んでいければと思う。