住宅ローンは怖くない!ローンの仕組みを理解し自分にあった返済プランを選ぼう!

多くの人にとって、家を購入するときに避けて通れないのが住宅ローンです。
現金で一括購入できればそれに越したことはありませんが、数千万円もする住宅購入費を手持ちのキャッシュで一括で支払える人はそう多くはいないでしょう。
そこで、金融機関から利子付きでお金を借り、毎月返済していく住宅ローンを組むことによって希望の住宅を購入します。
住宅ローンを組んだら、毎月まとまった額を長期間返済し続けます。途中で返済がままならなくなってしまうといった事態を防ぐためにも、ローンを組む前にできる限り将来の出費を予測しながら入念に返済計画を立てるのがおすすめです。
今回は、住宅ローンの仕組みと選び方をご紹介したいと思います。

1.住宅購入までの流れ


まずは住宅購入までの流れをおさらいしたいと思います。

購入したい物件が決まったら、不動産会社に購入申し込みを行うと同時に、金融機関へ事前審査の申し込みをします。売買契約を締結する前に事前審査を行うことにより、契約後に希望のローン(借入額)を借りることができないといった事態を防ぐことができます。
事前審査を待っている間に物件の重要事項等の説明等を受け、結果を待ちます。無事に事前審査に通過できたら、売買契約を締結し本申し込みに進みます。本申し込みで融資の承認が下りたら、金銭消費貸借契約を締結し融資が実行されます。手数料や登記などの最終手続きにかかる残金決済を済ませた後、晴れて物件の引き渡しです。

2.住宅購入にかかる3つの金利タイプ


購入までの流れを整理できたら、つぎは住宅ローンの基礎です。
住宅ローンには「全期間固定金利型」 「固定金利型」 「変動金利型」の3タイプの金利に分かれます。

- 全期間固定金利型
ローンを完済するまでずっと同じ金利が続きます。政府の金融政策や経済状況に左右されることなく、完済するまで毎月決まった返済額なので将来の支出の見通しを立てやすいというメリットがあります。一方で、一度固定したら金利を変えることはできませんのでタイミングを見極める必要があります。年収負担率が25%に近い人は金利を固定していたほうが急に家計を圧迫されることがなく安心です。

- 固定金利選択型
3年、5年、10年など選択した一定期間の金利が固定され、その期間を過ぎるとまた固定にするか変動にするかを選ぶことができます。「全期間固定金利型」と「変動金利型」の良い所を取り入れた金利タイプといえます。

- 変動金利型
経済の動向によって金利が返済途中で変動します。金利は4月と10月の年2回見直され、返済額は5年に1回見直しされます。金利上昇に伴い返済額が増えてしまう場合、新返済額の上限は金利変更前の1.25倍までと決められています。ある程度まとまった資金がすでに手元にあり、短期間での完済を予定している人には変動金利型がおすすめです。
住宅金融支援機構の「令和2年度 民間住宅ローン貸出動向調査」によると、低金利が長期間続いている影響もあり、住宅ローン利用者の75.2%が「変動金利型」、21%が「固定金利選択型」、3.9%が「全期間固定型」を選択しているということです。

3.返済計画を考える際に重要な年収負担率

 
次に、住宅ローンについて学ぶ際に必ず抑えておきたいキーワードが、年収負担率(返済比率)です。
年収負担率とは、「年収に占める年間返済額の割合」のこと。年間のローン返済額に継続発生する費用を追加し、その額を自分の年収で割り100を掛けることで年収負担率が分かります。
例)(年間返済額+継続的費用)÷ 年収 × 100
年収負担率が高い人ほど月々の返済による負担が重く、年収負担率が低い人ほど月々の返済による負担が軽くなります。年収負担率は住宅ローンの種類によってその比率の上限が異なりますが、一般的に30%前後が基準とされているようです。
住宅ローンの審査基準のハードルは、上記で説明した年収負担率に加えて属性、他のローンの状況、物件の担保価値によって総合的に判断されます。
一概に、この年収負担率の人はこの金利タイプがおすすめという考え方にはならないため、専門知識を持ったプロに、今後予定しているライフプランを相談しながら、最適な住宅ローンを選びましょう。
LIMONYに在籍するアドバイザーは、特定の金融商品に偏った説明やアドバイスは行いません。中立的な立場から住宅ローン利用者の皆さまにとって最適なアドバイスを行っています。ローンに関するちょっとした疑問点がありましたら、こちらからお気軽にご相談ください。

※LIMONYでは会員登録が必要なサービスがございます。 

4.住宅ローンの種類について

 金利と年収負担率について理解できたら次は住宅ローンの種類です。
住宅ローンは金融機関が提供しているサービスで、主に「公的融資」 「民間融資」 「フラット35」の3つに分けることができます。

- 公的融資

国や自治体が提供しており、「財形住宅融資」や「自治体融資」があります。
・「財形住宅融資」は、勤務先が財形貯蓄制度を導入している場合、一定条件を満たせば低金利でローンを組むことができます。しかし、最近では民間金融機関も低金利でローン提供しているため、特別に金利が低いというわけでもない状態です。勤務先を通しての利用のため、簡単に転職しづらいというデメリットがあります。
・「自治体融資」は、各地方自治体が特定の金融機関と連携し独自に提供しているローンです。利用条件等は各自治体により異なるため、個別に問い合わせて確認しましょう。

- 民間融資

メガバンク、地方銀行、ネット銀行が提供するローンです。不動産会社やハウスメーカーと提携しているローンを「提携ローン」、それ以外を「非提携ローン」と言います
・「提携ローン」は、金融機関の窓口や公式ホームページでは紹介されておらず、不動産会社が利用者と金融機関との間にはいって手続きを行ってくれます
・「非提携ローン」は、一般販売されており利用者が直接金融機関に相談することができます。金融機関によって様々な選択肢がありますので、担当者に言われるがままにローンを選ぶのではなく、できるだけ多くのプランを探して吟味しましょう

- フラット35

民間金融機関と住宅金融支援機構が提携した官民ハイブリッド型の住宅ローンです。最長35年の長期・全期間固定・低金利の住宅ローンで、自営業、非正規雇用で生計を立てている人なども借り入れが可能です。また、保証人、保証料、繰り上げ返済の手数料も無料。また、フラット35の融資物件は安全性・耐久性に優れ、質の高い住宅であることが多いのも利用者にとっては利点です。

- ひとりでは希望の借入が難しい人のための選択肢も

購入者ひとりだけの収入ではどうしても希望の借入金額を借りることができないという場合は、「収入合算」または「ペアローン」という方法があります
・「収入合算」とは、本人の収入に配偶者または親族などもう一人の収入を合算した年収で1本のローンを借り入れること。一気に借入額を引き上げることができますが、もう一人が病気や失業で収入が途絶えてしまった場合、とたんに返済負担が重くなってしまうというリスクがあります
・「ペアローン」とは、夫婦がそれぞれ1本ずつ、合計で2本の住宅ローンを借り入れることです。住宅ローン控除や団体信用生命保険が夫婦それぞれに適用されるというメリットがありますが、契約の際に諸経費と手続きの手間が2倍かかってしまいます

5.住宅ローンはどこで借りるの?

 先述した住宅ローンは申し込みルートが幾つかあります。


-不動産会社を通して申し込む

不動産会社と提携する金融機関が提供している住宅ローンに申し込む場合、不動産会社が仲介者として手続きを行ってくれるため、最も手間がかかりません。自分で調べなくとも、最適な住宅ローンを選び取って融資手続きを進めてくれるのはメリットですが、その分、選択肢が狭まってしまうともいえます

- 直接自分で銀行の窓口に行って申し込む

自分で金融機関に出向きどんな住宅ローンがあるのかを相談し情報収集すると安心感を得られ、自分で最適なローンを選び取ることができます。複数の銀行を回る必要があり手間がかかりますが、自分で対面相談したいというひとにはおすすめです

- ネットバンク経由で申し込む

ネットから住宅ローンを申し込むことができます。事前審査〜本申し込みまで、すべてネットで完結できるため、どこでも手軽にローンの申し込みができるのがメリット。また金利が他の窓口よりも低い傾向があります。しかし、すべて書面のみでの審査となるため対面で相談ができず、審査ハードルは高くなります

6.公的サポートを有効活用しよう

 住宅を購入する際は、ローンの支払い負担を減らしてくれる公的サポートの活用も忘れてはいけません。

- 住宅ローン減税
住宅ローン減税制度は、住宅ローン残高の1%(最大50万円)を、13年間にわたって所得税・住民税から控除される税制融合制度です 

- すまい給付金制度
すまい給付金は、消費税率の引き上げに伴い増えた支払い負担を軽減するための現金給付です。平成26年4月以降に引き渡された住宅から、令和3年12月31日までの期間に引き渡され入居した住宅を対象にした給付金です。給付金を受けるためには個別の申請書等の手続きが必要になり、細かい条件がつきますので、公式ホームページを参照し自分が給付対象者であるかを確認してください 

- 住宅資金贈与税の非課税制度
住宅購入費用の一部を父母や祖父母が支援してくれるという場合、最大1000万円まで贈与税を非課税にできるのが住宅資金贈与税の非課税制度です。購入予定の住宅が一定の耐震基準を満たしていたり、長期優良住宅とみなされていれば、非課税額は1500万円まで拡充します。手続き等の詳しい内容についてはプロに相談しながら進めましょう

- 住宅ローンの見直しも必要に応じて

・ローンの条件変更

住宅ローンは5年に一度、返済額や返済期間の見直しが可能になります。毎月の返済が大きな負担になっている人は、このタイミングで金利の引き下げ幅の拡大を金融機関に交渉する事も可能です。返済状況が苦しい場合は真摯にその旨を伝えて交渉してみましょう

・借り換え

今よりも高い金利で返済中の人は、5年に一度のローン返済額の見直しの際に、新たな金融機関で条件がいいローンを組みなおすことで、総返済額を減らせる場合があります。しかし、新たなローンを組みなおすための審査やコストがかかるためその部分も加味して考えましょう

・繰り上げ返済

資金に余裕がありできるだけ短期間で完済したいという人は、今後返済する予定の元金の一部を前倒しして返済することで、総返済額を減らすことができます。支払うはずだった利子を払わなくていいのでお得に返済を進められます

7.プロに相談し、無理のない返済プランを立てよう

住宅ローンは複雑で実に様々なタイプがあります。一人で最適なプランを選び取るのは時間とコストがかかり至難の業です。そんな時は、迷わずプロの不動産アドバイザーに相談しましょう。第三者の立場にたって金融機関から集めた情報を一緒に整理し、ライフプランや価値観に合わせてベストな住宅ローンと返済計画を考えてくれます。


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