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腰の病気で得られたもの

私が、腰の病気を患ったのは28歳の時。その頃はバイクで郵便配達の仕事をしていました。

配達が終わり、職場まで帰ろうとバイクを走らせていたところ、マンションの脇道から、急にお年寄りが自転車で飛び出してきて、避けて転倒。

幸いぶつからず、お年寄りはそのままスイスイと自転車で行ってしまい、私もただバイクで転倒しただけで済んだ。・・・はずでした。

仕事帰り、首の違和感と腰の痛みに襲われて整形外科へ。

先生から言われた病名は首のむち打ちと、【第四腰痛分離症】という疲労骨折でした。

『コルセットを出します。明日から毎日リハビリに来てください。もう配達の仕事は厳しいでしょう。』と言われ、頭の中が真っ白に。

リハビリにしばらく通ってみても、良くなるどころか日に日に痛みが強くなり、寝ても覚めても痛い。歩くのも痛い。痛くて10分と座ることもできず、寝ても激痛。夜中に一人、壁にクッションを置いて体育座りでもたれながら痛み止めとシップで痛さをしのいでいました。自分の上半身を腰で支えられない恐怖に毎日怯えていました。

『なんで私ばかり、こんな目にあうのか?』

人生を一番呪った時期だったと思います。思うように動けなくて、毎日母親に八つ当たりして最悪でした。

医大の整形外科の先生に診てもらったところ、『直すには手術が必要で、開腹手術で臓器をとりだし、腰にボルトを入れ固定します。手術をしたとしても、妊娠出産は厳しいです。』と言われ深い絶望感を味わいました。

疑心暗鬼になり、医者の言葉は一切信じられなくなり、ネットで腰痛の治療院を何軒か調べて行ってみるも変わらず、毎日泣き暮らしました。

母親がそれを見かねて、『騙されたと思って、神社(氏神様)にお百度まいりしに行きなさい。』

母は私から毎日愚痴と泣き言ばかり聞かされるのがうんざりしている様子でした。

『残りの人生をこの状態で生きるのはもう耐えられない!何でもいいから楽になりたい!』その日から約3か月半、雨の日も1日も休まずに、往復20分の神社まで毎日通いました。

最初は歩くのも激痛で足を引きずるように歩いていたのが、3週間経つと痛くても歩けるようになり、3か月後にはリハビリでジムのプールまで通えるようになってきました。立てる、歩ける、座れる、少しづつ寝れるようにもなってきた!粉々になった生きる自信が少しづつ回復してきました。

ただ、歩けるようになってきても痛みは取れず、常にコルセットを着用。鎮痛剤とシップで痛みと戦う毎日。その頃は仕事を配達からコールセンターに配置変えしてもらい、座ると痛いので立ったまま電話を取らせてもらっていました。(理解ある上司に本当に感謝しています。)

週5でジムのプール通い、コルセットは3年半ほど付け、毎日腹筋を欠かさず続けると本当に少しづつ痛みから解放されていきました。諦めていた結婚もでき、2児を出産する事も叶い、今は無理をしない限り腰痛になることはほとんどありません。

結局手術はしなかったので病気が治ったわけではないのですが、日常生活は痛みなく普通に送れるようになっています。

最後に、腰椎分離症になって『良かったこと』を言いますと、

・普通に立ったり歩いたり座れることに感謝するようになった。

・長くコルセットを着用していたため小食になり、痩せることができた。

・筋トレの習慣ができ、猫背が直った。

・腰痛の人の辛い気持ちがわかる。

・自分の限界まで無理しなくなった。(無理をすると腰が痛くなってくるので、腰痛がバロメーターになってくれている。)

起こることには、必ず良い面がある。その時は気づくのが難しいけれど。今では、腰痛になって良かったと思っています。

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