知識の探求者

こんにちは!私はフルタイムで働く社会人で、読書を通じて日々学びを深めています。 ビジネ…

知識の探求者

こんにちは!私はフルタイムで働く社会人で、読書を通じて日々学びを深めています。 ビジネス書から文学作品、自己啓発書まで、多岐にわたる書籍の中から特に印象深かったポイントや、実生活で役立つアイディアを共有していきたいと思います。

最近の記事

【読書ノート】クオリアと人工意識

第一章 人工知能と人工意識【概要】 人工知能の研究が進展する中、知性を再現しようとする試みが行われている。人工知能の開発において、意識の問題は棚上げにされているが、人間の鏡としての人工知能を考える上で、意識は避けて通れない問題である。意識の中でも特にクオリアと呼ばれる主観的な感覚の質が重要であり、自己意識も意識の重要な属性である。人工知能研究者の中には、知性は意識を必要とせず、人工知能の発展の先に自然と意識が生まれると考える者もいるが、果たしてそうだろうか。意識は知性の必要

    • 【読書ノート】島研ノート

      まえがき要約: 島朗は、羽生善治、佐藤康光、森内俊之の3人の将棋界のトップ棋士たちの強さの秘密を探るべく、若い頃から彼らと研究会を重ねてきた。この本は、その3人の将棋に対する真摯な姿勢と人間性、そして彼らの将棋観を通して、将棋の真理と技術、礼節を重んじる伝統を次世代に伝えることを目的としている。島は、3人の才能と情熱に惹かれ、彼らがトップに立つことを予見していた。そして、彼らの将棋への純粋な思いは、今なお衰えることなく、むしろ40代となった今、その執着心は増しているという。

      • 【読書ノート】英語独習法

        はじめに要約: 本書は、認知科学の知見に基づいて、英語学習の合理的な学習法を提案することを目的としている。著者は、英語学習本の多くが「英語の学習」に特化しており、認知のプロセスを考慮していないと指摘する。本書では、情報処理のしくみ、認知バイアス、理解のしかたを考慮し、英語学習者が陥りがちな問題点を指摘しながら、具体的な学習法を提案していく。本書の特徴は、学習法を提案するだけでなく、その理由とメカニズムを解説することにある。 印象的なフレーズ: 「合理的な学習法を提案する

        • 【読書ノート】言語

          序文要約: 言語は人間の非本能的なコミュニケーション手段であり、その多様性と普遍性は驚くべきものである。本書は言語の本質を探求し、言語と思考、歴史、人種、文化、芸術との関係を考察する。言語の形式と歴史的プロセスは、人間精神の複雑な働きを理解する上で大きな価値を持つ。著者は専門用語を避け、主に英語の例を用いて議論を進める。本書が言語研究の刺激となることを願っている。 重要なポイント: 言語は生得的なものではなく、文化的に獲得されるもの 言語の多様性と普遍性は驚くべきもの

        【読書ノート】クオリアと人工意識

          【読書ノート】論理哲学論考

          序文要約: ウィトゲンシュタインは、本書の目的は哲学の諸問題が言語の論理の誤解に基づいていることを示すことにあると述べる。明晰に言えることは明晰に言い、言えないことについては沈黙せねばならない。本書の思想の多くは、フレーゲとラッセルから影響を受けている。諸問題の最終的解決を目指すが、その先には哲学の仕事が残ることを認識している。 重要なポイント: 哲学の問題の根源は言語の論理の誤解にある 明晰に語ることの限界を示すことが重要 フレーゲとラッセルの影響を認めつつ、独自

          【読書ノート】論理哲学論考

          【読書ノート】MiND

          はじめに要約: 本書の目的は、心の哲学の主要問題を概観し、著者独自の見解を提示することである。伝統的な心身二元論と唯物論はどちらも不十分であり、意識や志向性といった心の本質的特徴を、物理世界の一部として整合的に位置づける新たな枠組みが求められる。心の哲学の中心的な難問は12個あり、本書でそれらを順に検討していく。最終的な狙いは、心を自然の一部として理解し、世界における人間の立ち位置を探ることにある。 重要なポイント: 心の哲学は現代哲学の中心的トピックだが、有力説はど

          【読書ノート】MiND

          【読書ノート】銃・病原菌・鉄

          プロローグ ニューギニア人ヤリの問いかけるもの要約: 本書は、世界の各地域で人類社会の歴史的発展が大きく異なる理由を探求している。ニューギニア人の疑問「なぜ白人は豊かな技術を発達させたのに、ニューギニア人は自分たちのものといえる技術をほとんど持たないのか」から始まる。環境や文化的要因、個人の力といった説明を超えて、世界の多様な社会の違いを生み出した地理的要因を重視する。筆者の専門分野と経験を活かし、多様な分野の研究成果を統合しながら、人類史上のこの重要な問題に取り組む大著で

          【読書ノート】銃・病原菌・鉄

          【読書ノート】The Koran

          https://www.gutenberg.org/cache/epub/3434/pg3434-images.html SURA XCVI.–THICK BLOOD, OR CLOTS OF BLOOD要約: 本章は、神が人間をどのように創造したかについて述べている。神は人間を凝結した血液から創造し、ペンの使い方を教え、それまで知らなかったことを教えた。人間は時に傲慢になるが、全ては神に帰るのである。預言者ムハンマドは、邪魔をする人物に惑わされず、礼拝を続けるよう命じられ

          【読書ノート】The Koran

          【読書ノート】ツァラトゥストラはこう語った(ニーチェ)

          FIRST PART.ZARATHUSTRA'S PROLOGUE. ザラトゥストラは30歳で隠遁生活に入り、10年後、大いなる知恵を授けるため、人間界へ戻ることを決意する。町で人々に向けて「超人」について語るが、理解されず嘲笑される。そして、自分の教えを理解してくれる仲間を求めて旅に出る。道中、隠者に出会い、かつてのザラトゥストラの教えと変化を指摘される。しかし、ザラトゥストラは人間愛ゆえに隠遁を捨てたと告げる。また、綱渡りの曲芸師が墜死する場面に遭遇し、人生の危険と運

          【読書ノート】ツァラトゥストラはこう語った(ニーチェ)

          【読書ノート】君主論(マキャベリ)

          https://www.gutenberg.org/ebooks/1232 CHAPTER I: HOW MANY KINDS OF PRINCIPALITIES THERE ARE, AND BY WHAT MEANS THEY ARE ACQUIREDマキアヴェリは、国家には共和政と君主政の2種類があると述べている。君主政はさらに世襲君主政と新興君主政に分けられる。世襲君主政は長く統治され、人々からの支持を得やすい。一方、新興君主政は君主の力量や幸運によって作られ、統治

          【読書ノート】君主論(マキャベリ)

          【読書ノート】The Edda, Volume 2 by L. Winifred Faraday

          https://www.gutenberg.org/ebooks/13008 Weland the Smithヴェーランド(Weland)は、世界中に広く知られた伝説上の鍛冶職人である。『エッダ』のヴェーランド伝説は断片的であるが、北欧版の最古のものと言える。伝承によれば、ヴェーランドは妖精の王の息子で、二人の兄弟と白鳥の乙女たちと暮らしていた。しかし、ある日乙女たちは飛び去ってしまい、ヴェーランドだけが残された。その後、スウェーデン王ニズドに捕らえられ、足の筋を切られて孤

          【読書ノート】The Edda, Volume 2 by L. Winifred Faraday

          【読書ノート】The Edda, Volume 1 by L. Winifred Faraday

          https://www.gutenberg.org/ebooks/13007 「エッダ」はアイスランドの言葉で記された、ゲルマン人の異教の唯一の記録である。「古いエッダ(韻文エッダ)」は神話や英雄譚からなる30編ほどの詩の集成で、13世紀の写本「王の写本(Codex Regius)」に収められている。「若いエッダ(散文エッダ)」は、これらの詩を歴史家スノッリ・ストゥルルソンが韻文を散文に書き直し注釈を加えたものである。「エッダ」という言葉はもともと詩作の規則と材料を意味して

          【読書ノート】The Edda, Volume 1 by L. Winifred Faraday

          【読書ノート】詩学 (アリストテレス)

          https://www.gutenberg.org/ebooks/1656 第1章要約: 詩には叙事詩、悲劇、喜劇、ディテュランボス詩などの種類がある。これらは模倣の形式では共通しているが、模倣の対象・手段・様式が異なる。手段としては言葉・リズム・調べが用いられ、様式としては語りか劇の形をとる。詩人は性格によって高尚な人物を描くか卑俗な人物を描くかに分かれるが、どの詩形式も人間の行為を模倣するという点では共通している。 印象的なフレーズ: "Epic poetry an

          【読書ノート】詩学 (アリストテレス)