トゥレット症候群について
ある日、私はバスに乗って駅に向かっていました
「今日は風が強いなあ」なんて考えていると
バス停にバスが止まりました
そこから、一人の女性がバスに乗ってきました
するとその女性が突然
「馬鹿野郎、ふざけるな」
「やめろ、うるさい」
とバスの乗客全員に聞こえるように言いました
一度ではなく、何度も。
私は怖くなってその人から距離を取りました
自分が怒られている訳ではないのに良い気持ちもしませんでした
さて、みなさんはどう思いますか
「変な人だな」「酔っ払いかな」「なんだか怖い」
そんな印象を持つ方が多いのではないのでしょうか
私もまさに同じです
後から知ったことですが、
これはトゥレット症候群
(またはチック症)と言われる障害の一種です
知らなかったとは言え、
変な人を見る目で見てしまった自分が
情けなく、恥ずかしくなりました
無知は人を傷つける可能性があること
それを知って以来できるだけ障害を理解しようと勉強しています
今回はそんなきっかけとなった【トゥレット症という障害】について書いていきます
■トゥレット症候群とは
トゥレット症候群とは発達障害の一種です
多くの場合こども、とりわけ10〜12歳で
症状が大きく現れ成人に近づくにつれ
減少傾向にあると言われています
*約1%は成人してもみられる
さらに女の子よりも男の子の方が発症しやすいとか
原因は解明されていませんが、
脳の神経伝達の異常が原因ではないか
と考えられています
まばたきを繰り返したり
貧乏ゆすりをしたり、自分の意思と関係なく
体が動いてしまうこと(不随意運動)
は【チック】と呼ばれます
この中でも重度であるとされる
舌を出したり、体を突然ねじらせたり
顔を叩くなどの行為を【運動チック】
突然奇声を上げたり、
「ん、んん」と大きな声で咳払いをしたり
汚言を発したり、他の人の言葉を
繰り返したりする行為を【音声チック】
と言います
これら音声チックと運動チックの両方が
持続的に現れる場合トゥレット症候群と呼ばれます
暫定的チック症:運動チックまたは音声チック
がみられるが、持続期間が1年以内の場合
持続性チック症:運動チックまたは音声チック
の一方だけが1年以上みられる場合
トゥレット症候群:運動チックと音声チック
の両方が1年以上みられる場合
MSD マニュアル家庭版より
■トゥレット症候群の症状
トゥレット症候群やチックの現れ方は
人によってさまざまであり、決まった形はありません
ただ共通して言えることは
【自分の意志とは反して起こってしまう】
と言うことです
止めようと思ってもどうしようもなく現れてしまうそうです
例えば、ただ字を書いているだけでも手が震えノートが汚れてしまったり
歩いているだけで体が痙攣してしまったり
話している途中で話の内容と関係のない音を出してしまったり
これら全てがトゥレット症の一例です
言葉ではわかりづらいかと思うので
下にYoutubeから引用させてもらいました
■汚言症について
一番最初にお話しした私がバスで出会った女性
その女性が抱えていたのは音声チックの一つに分類される
【汚言症】という症状でした
社会的に卑猥とされる言葉や攻撃的な言葉を
自らの意思と反して発言してしまうのが汚言症です
「気持ち悪い」「うるせぇ」「黙れ」
などの言葉を言いたくなくても言ってしまうそうです
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*口が悪いだけとは違います
なぜ汚い言葉だけ不随意に言ってしまうのかは
明らかにされていません
汚言症は他言語でもネガティブな言葉しか
発されないのが不思議だそうです
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そして【トゥレット症=汚言症ではない】ことに注意です
トゥレット症の方の少数派にしかみられない症状のようです
**トゥレット症の人って暴言吐くんでしょ?
との誤解がないように記します
■一番辛いのは本人
当たり前ですが、
トゥレット症候群やチック症を抱える人々自身が一番辛いと思います
【誰かに変な目で見られる】と言う経験を日常的にしているのです
皆にそう言った障害があると認知されない以上
好奇の目に晒されます
それも自分の意志とは関係ない為
心のもち方や意識を変えるだけで治るものではない
からです
また子供の頃に多く見られるこのチックやトゥレット症ですが
育て方や家庭環境が要因ではありません
親御さんや家族が皆、自分のせいで子供が障害を負った
と責めてしまうことも発達障害に見られる問題の一つです
私自身、この障害を知らなかったが故に
相手を傷つけてしまったかもしれません
そう考えると、知らないことは罪深いことだと感じます
罪滅ぼしではありませんが、
この記事で少しでもこの障害が認知されれば
トゥレット症候群やチック症で悩む人の
障害を少しでも減らせるのではないか
と思って書きました
私もこれからも引き続き勉強を進めたいと思います
最後までお読みいただきありがとうございました!
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