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私が女性性を失った経緯

Lilyです🕊 

初めましての方へ、私のプロフィール です。

-回顧録-

結婚した頃の私は(少なくとも今よりはずっと)可愛らしかった。その日あったことや感じたことを何でも旦那氏に話していた。仕事から帰って料理を作りながら旦那氏の帰りを待って、一緒にお酒を飲みながら音楽かけて、よく話をしたものだ。なんて、仲良し!美しい生活を送っていたものだ。彼とは色々なことを乗り越えて結婚に至ったこともあり、本当に幸せな新婚生活のスタートだった。

でも違和感を感じることはあった。その違和感こそ、本来は見逃してはならないものだったことは後になって明確になった。旦那氏はテレビでニュース番組を見るのが好き。私は食事中はテレビを消す家庭で育ったので、食事しながらニュースで、ましてや殺人事件や強盗事件など、なんら楽しくないものを見ながら食事をする感覚が理解できなかった。私の料理や隣に座る私にも失礼だとすら思っていたので、たまには望むようにさせ、私は隣でスマホをいじりながら不貞腐れた様子で食事をした。でも先程書いたような幸せな時間が沢山あったので、さほど気にしていなかった。

ニュース番組に夢中になっている彼は、話しかけても返事をしないことがあった。そして、今はニュースを見ているから後にしてくれとも言われた。おそらくそのくらいから彼の本質が見えてきてはいた。決定的になったのは、可愛らしく女性性もたっぷりあった(!?)私が、「ねぇねぇ、今日さ〜」と無意識に話しかけた時に「オマエの話は結論がない!結論から先に言え。話を聞いて欲しかったら、タイミングを読め!」と言われたこと、涙。

実はこれは当時の私の仕事で最も気にかけていたことであった。私は当時強烈なタイプの社長の秘書をしていて、仕事では常に気を張っていた。立場上極秘情報も扱ったりもするので、口は堅くなければならないし、社長の感情の起伏も読まなくてはならない。そんな中急ぎの案件や重要なアポは彼の意に沿わなくてもスケジュールに潜り込ませなきゃならないし、非常にメンタルを鍛えられる環境だった。私はなんとかプライベートで発散して心身のバランスを取っていた。

そんな中、家庭でましてや夫婦の間にも、同じく発せられた言葉に、衝撃ショックでしかなかった。何度も言うが、私は当時は可愛らしかったので、涙しながらも、どうして?夫婦なら思ったことを何でも話しちゃいけないの??と伝えた。その場は分かったよ。となったが、やっぱりその後も彼の態度から話を聞くのが面倒なんだと伝わる瞬間が多々あった。さらにはお酒が行き過ぎると口論になることもあった。

今なら分かる。本当によく分かる。私の意識に何が起きていたのかが。そして、もう一つ、私が旦那氏の機嫌を伺うようになってしまったこと。話を聞いてもらうことを止め、さらには、感情を共有したい、あるいは受け止めてもらいたいという気持ちを一切失ってしまったこと。アイツに話しても無駄だ。私の中でカレのプロファイルが出来上がってしまったのだ。女性は本来は共感して欲しい生き物。私は「ただ、そうだよね、今日も一日大変だったね」っていう優しい言葉が欲しかっただけなのに。

結婚して10年、彼との間にそのスタンスは見事に構築され、私は毎日のお酒が自分をリラックスさせるお友達。あとは心の通う会う女友達とのおしゃべりと、趣味に没頭させてもらう週末の時間に癒され、そこそこの生活の楽しさと妻/母としての義務を全うすることの半々くらいで人生を営んできた。勿論彼とは相変わらずしょっちゅう酒を酌み交わすし、日常の色々なことを共有している。ただ、彼との間に深い心のコミュニケーションや、受け入れられているという安心感はほぼ皆無。相談はするけれど、家庭のことも子供のことも、あらゆることを私が決断し実行してきた。こうして、私の女性性は失われていったのではないかと認識している…。

日中は仕事、夜中もたまに仕事、残りの時間は子供の世話と家事。1人でのんびりお風呂にも入れず、まだ小さい子供と一緒に寝る正直肩が凝る。今なら頑張っている私に、心からハグをしたいと思う。当時は、交感神経が常にONで唯一リラックス出来るのが、料理を始めるときに、冷蔵庫で待っているキンキンの白ワインなのである。吉幾三の歌だったかな、「分かるよナァ、酒よ」って、心に染みるセリフだと思うが、私には本当にそれしか無かった。

モラハラが激しくなった頃から、夜中になれば静かで独りになれる時間があるので、われに帰れる。自分自身に戻れる。言われた言葉を思い出すと自然と涙が出てくるので、泣きながら自分の感情と向き合い。旦那と子供に挟まれ川の字で寝ながら、夜中1人涙に気づかれないよう、スマホを握りしめ日記を書いたものだ。当時の私に一番ひつよなのは感情の吐き出しだった。感情を吐き出すと、朝までもう一眠りできる気がするものだ。まだまだ深い感情と向かいあっていく必要があった、モラハラに苦しむ当時の私。

愛をこめて、Lily

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