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空港を闊歩、からのトイレ問題


リリのトイレ問題@チューリッヒ空港

わわわわわぁ、今!?おねえちゃんの慌てふためいた声が聞こえる。

12時間半のロングフライトの末に、チューリッヒ空港にてはじめてヨーロッパの地に足を踏み入れた。ドッグリリースエリアというのはアメリカの空港に設置されていることが多いが、ヨーロッパの空港にはまだ少ない。その代わりにおねえちゃんが考えた策は、スペースが広いバリアフリートイレ。そこで、あたちの14時間ほど溜め込んだ水分はトイレシートへ。その後、チューリッヒの空港をてくてく歩いているとお腹が刺激されて・・・・通り過ぎる旅行客を横目にベンチ横でtook care of my business。

少し離れたところに静かに床で伏せをしているプードルが「あなたマナーを知らないの、外国犬ね。」とばかりにちょっと冷たい視線が送られ肩身の狭い思いもした。日本では公共の場所ではバッグに入ることがルール。こんなに広い場所は外だと思ってしまうのよね。

すっきり後のチューリッヒ空港にて

トイレ事情から垣間見るヨーロッパの国民性

ヨーロッパでいちばんにドッグフレンドリーと言われているのは、イタリアやフランス(あたちが今回行った国だよ)。トイレ事情の違いが面白いの。おしっこにも水をかけて匂いを消す日本のペット文化からすると信じられないほど、イタリアやフランスはゆるい。20年ほど前からパリでは大々的に「イヌの落としものは拾いましょう」キャンペーンが展開され、罰金が課せられ、さらにはイヌのDNA鑑定の元飼い主を特定しようとする政府の対策がされてきたそう。パリの状況は改善されたらしいけど、それでも滑って怪我をして病院に行く人を毎年生み出し続けるワンさまの落とし物は、悪マナーの嘆きレベルではなく、歴然とした社会問題。さすが、ハイヒールが発達したお国、フランスです。

それはイタリアの都市フィレンツェでも似ていて、160€の罰金を課されることになってなお、2023年夏時点では建物の角や柱がある場所のすべてがトイレ。石造りの街フィレンチェの灼熱の太陽光を浴びた落とし物たちは、異様な匂いを発しながら白い石に黒い痕となっていた。おかげであたちは気になって気になって、10mもまっすぐに歩けなかった。

このことから垣間見えるのは、飼い主の公共の場所を汚してしまった、という低い意識。そんな細かいこと気にするでないよ〜というラテンな?ゆるさを感じる。

一方、ゲルマン系はそうは行かない。ドイツのベルリンの街には至る所に小さなゴミスタンドが町中にあって、拾ってポイがすぐにできるの。さらにうんち袋取り放題ボックスまで配置されている公園までもあるほど。落とし物放置はどこでも問題なのだろうが、現実的な対策が進んでいる。

ゴミ箱とウンチ袋のセットが至るところにあるドイツ

自由と義務は表裏一体

12時間半でヨーロッパの犬権を与えられても、あたちにはまだうまく義務を果たせない。歩いた場所はトイレ、という散歩スタンダードで育ってるあたちは困惑。ブイっといってしまった。

ドイツでは犬を飼ったらしつけをする。そのためのトレーナー紹介や犬の学校などが多く存在していて、そもそも犬のトレーニングをするものと飼い主がしつけられているのよね。チューリッヒの街はスイスの中でも、ドイツ語が公用語になっているドイツ系。感覚もドイツ人に近いものがある。おねえちゃんはあたちのバッグにうんちバッグは当然のこと、ワイプもトイレシートもの忍ばせていたから、なんとかその場を清潔に保つことができたけど、あわてふためいた。

下町育ちのあたちだけど、しっかりと義務を果たせるようにいっちょ前の犬市民になれるよう頑張ろうと思ったチューリッヒ到着初日。ヨーロッパ並みの自由の権利を享受するためも、、、!おねえちゃんは、長い道のりだ・・・ってプードルの子を見ながら遠い目をしていたけどね。

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