見出し画像

「生き物を飼うことは人間のエゴなんだ」と息子が教えてくれた


昨日久しぶりに登校した息子が、帰ってくるなり「もう学校に行かない」と言って泣き出した。


前回学校に行った時に先生にカメを飼うか聞かれて、カメと遊びたかったから「欲しい」と言ったようなんだけど、昨日学校に行ったらカメが死んでいた。

先生は「カメ死んじゃったんだよねー」と軽い感じで言い、全く悲しんでいる様子はなかったそうだ。

水槽の中にはせんべいのかけらが入っていた。

どうやら、ちゃんとしたエサも貰えずに死んでしまったらしい。

昨日は校庭にカメのお墓を作り埋めてきた。

月曜日にまたカメを探しに行こうと先生に言われ、とりあえず「うん」と返事をした。

他人にあまり自分の感情を見せない息子は、学校では平然と振る舞っていたようだけれど、その悲しみを精一杯我慢して帰ってきたんだ。

そして家に着いたとたん、その感情を涙と共に私に見せてくれた。



息子は産まれた時から生き物たちと育ってきた。

我が家では生き物は家族の一員だから、ちゃんとお世話をしてあげるのが当たり前で生きてきたんだけれど、今回の出来事でその常識が崩されたんだね。


「ボクは先生が許せない」

息子は泣きながら怒りに震えていた。

なんでちゃんとしたエサをあげなかったのか?育てかたを調べなかったのか?

まるでモノのように簡単に新しいものに交換すれば良いと思っているのか?

息子には先生の行動が理解出来なかった。

カメも人間も同じ命なのにどうして平気でいられるんだろう。



「カメさんはもっとたくさん生きたかったはずなのに…」

「捕まえないでいればまだ元気に生きていたよね?」

「可哀想だからもう新しいカメさんはいらない」

「カメさんは住んでいた場所に居るのが一番幸せだよ」

息子は泣きながら私に訴えた。


「そうだね、カメさんは自然の中にいるのが一番だよね」

人間は本当に自分勝手な生き物だとつくづく思った。


同じ出来事に遭遇しても、みんなが同じ気持ちを感じる訳ではない。

息子は「分かり合えない」という経験をまた一つ重ね、そして大きくなる。



この様子だと、気持ちの整理がつくまでしばらく学校に行かなそうだな。

ゆっくりと見守っていこう。



梨々香




感覚が過敏な私は、周りの影響を受け過ぎてしまうのでリアルで多くの人と触れ合うことができません。 だから直接会うことなく皆さんの考えを知ることができるこのnoteは私の学びの場。沢山の栄養を頂いて今もスクスク成長中です。 こんなステキな場所に居させてくれてありがとう。