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医師をしています。 システムの問題を個人の問題にすり替える風潮が最近目に付くと考えてい…

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医師をしています。 システムの問題を個人の問題にすり替える風潮が最近目に付くと考えています。 日本の問題を指摘することが多いですが、私自身は靖国神社崇敬奉賛会の会員でありほどの愛国者であり、日本がもっと住みやすい国になることを願っての発言であるとお考えいただきたいです。

マガジン

  • 君たちはどう生きるか-医師としての生き方

    医学生や研修医向けに、研修病院や入局先を考える際に注意すべきではあるものの余り語られない視点を率直に書いています。皆さんの進路選択の一助となれば幸いです。

最近の記事

絵本論

絵本ブームという言葉をよく聞くようになりましたが、反面、子育てをする親から見て適切な絵本は相当に減少しているように思います。 このシリーズではどのような絵本が望ましいかを独断で定義し、その上で様々な絵本について勝手な評価を行なっていきます。これにより、「望ましい」絵本が増えることを目標としています。 もちろん、読者の皆さんがお好きな絵本、思い出の詰まった絵本、作者が懸命に書いた/描いた絵本、世間で評価の高い絵本などに批判を加え、低い評価を下す場合もあるでしょう。 場合に

    • 医師に必要な能力

      世の中に医師に必要な能力を解説した記事は沢山ありますが、多くはコミュニケーション能力等のありきたりな内容に終始しており、読んでも何の役にも立たないというのが現状です。 これはそうした記事を執筆した方がそもそもまともな医師ではないか、医師としての経験が浅いか、医師としての視野が狭いことに原因があります。 また、残念ながら多くの医師は医師という仕事に無駄な優越感を抱いており、これが眼を曇らせることも多いです。 本稿では、公平な視点から医師に必要な能力を掘り下げていきたいと思いま

      • 現役医師が思い出す国立大医学部受験の考え方 - なぜ医師になりたいのか

        医学部受験で難しいことの一つに志望動機があります。 現役医師の立場からすると、正直なところ医師で働く上で動機などどうでも良いとは思うのですが、医学部受験に関わる歴史的な背景から未だに受験時の面接や小論文のテーマとして取り入れられていることが多いようです。 本稿ではよくある志望動機の本音と建て前について検討した後、他の受験生と差別化できる方法を紹介します。 1. 医師は儲かるから 正直なところ本音では最もよくある動機ではないでしょうか。 確かに安定しているように見えますし

        • 【医学生・研修医向け】君たちはどう生きるか - 誰も教えない医師の進路の話 - 6. 君たちはどう生きるか

          長々と書いてきましたが最終稿です。 医師の世界は労働環境やキャリアパスが隠されていることが非常に多く、また、やりがい搾取とも思える状態が放置され下手をすると制度化までされている業界です。 更に加えて、これから進路を選択する若者に情報を与えないという悪習がはびこり、そのせいで自分の希望と合わない選択をしてしまい途中でドロップアウトしたり、場合によっては精神を病んでしまったりする先生が非常に多くなっています。 6-1. 良い研修病院 例えば研修医の募集についても同様です。

        絵本論

        • 医師に必要な能力

        • 現役医師が思い出す国立大医学部受験の考え方 - なぜ医師になりたいのか

        • 【医学生・研修医向け】君たちはどう生きるか - 誰も教えない医師の進路の話 - 6. 君たちはどう生きるか

        マガジン

        • 君たちはどう生きるか-医師としての生き方
          7本

        記事

          【医学生・研修医向け】君たちはどう生きるか - 誰も教えない医師の進路の話 - 5. 勤務医はどうだろうか

          いよいよ日本の医師で最も多いキャリアである勤務医の項です。 現実問題として、現在の医師の多くは勤務医ですが、勤務医の中は大きく3つに分かれています。 ・大学病院の勤務医 ・医局派遣の市中病院勤務医 ・医局派遣ではない市中病院勤務医 です。 最初の方で私は勤務医をキャリアの終着地点の目標とすべきではないと書きましたが、その理由についてもこの項で記述していきます。 5-1. 大学病院勤務医 大学病院に勤務する勤務医は、狭義の意味での医局員です。 上から順に教授以下、准教

          【医学生・研修医向け】君たちはどう生きるか - 誰も教えない医師の進路の話 - 5. 勤務医はどうだろうか

          【医学生・研修医向け】君たちはどう生きるか - 誰も教えない医師の進路の話 - 4. 教授になる

          さて、話はガラッと変わります。 4-1. 教授になるために必要なこと そもそもあなたはなぜ教授になりたいのでしょうか。 給料面でいえば、大学からの給与は年間1000-1200万円程度であることが多いようです。もちろんアルバイトなどの単価も変わりますので、全体で1500-2000万円程度と思っておくのが良いでしょうが、それにしても多くはありません。 手術の執刀をしたいのであれば市中病院の勤務医でも十分に可能なところは多いですし、研究がしたいだけであれば自ら科研費に採択さ

          【医学生・研修医向け】君たちはどう生きるか - 誰も教えない医師の進路の話 - 4. 教授になる

          【医学生・研修医向け】君たちはどう生きるか - 誰も教えない医師の進路の話 - 3. 開業医になる

          いよいよ具体的な進路に踏み込んでいきます。 皆さんはまずはフラットな目で、自分の希望や夢は横に置いておいて、事実を頭に入れておくのが良いかと思います。 知ってて選ぶことと、知らずに選ぶことは全く違うのです。 3-1. 開業のリスクは考えるより低い ご両親がすでに開業されている場合は選びやすい道ですが、そうではない人たちにとってはハードルが高く感じる道でもあります。 しかし、そのハードルの高さの想定は誤りであることが多いです。 医師以外の一般の世界で独立開業をするとい

          【医学生・研修医向け】君たちはどう生きるか - 誰も教えない医師の進路の話 - 3. 開業医になる

          【医学生・研修医向け】君たちはどう生きるか - 誰も教えない医師の進路の話 - 2. 医師の人生の終着点は3種類しかない

          進路を選択する上で、キャリアパスの終着点を考える必要があります。 もちろん終着点から考えるという方針自体は他業界でもよくある話ですが、医師の場合は終着点により最初の時点で選ぶべき道が大きく変わってきますので、当初の進路選択の時点から終着点をきちんと定める必要があります。 医師の人生の終着点3つとは、 ・開業医 ・教授 ・常勤医を辞める(臨床医以外の道) です。 「大学病院や市中病院の勤務医で一生を過ごす方針もあるのでは?」と考える先生方もいるでしょう。 しかし、後述し

          【医学生・研修医向け】君たちはどう生きるか - 誰も教えない医師の進路の話 - 2. 医師の人生の終着点は3種類しかない

          【医学生・研修医向け】君たちはどう生きるか - 誰も教えない医師の進路の話 - 1. 進路選択は人生の選択である

          母校の先輩の著書のタイトルを使用させてもらいました。 筆者は外科系の専門医です。博士号もあります。 医学生や研修医と話す中で、進路選択について皆さんがあまりに情報を持っていないことに驚き、この記事を書くことにしました。 まず大原則ですが、進路の選択は生き方の選択ですから、様々なことを同列にきちんと考え抜く必要があります。 例えば自らの興味や夢に最も比重を置く人たちが多いですが、もう一度考え直してみてください。 大学の新入生が先輩であるあなたに、「どのような授業を選択

          【医学生・研修医向け】君たちはどう生きるか - 誰も教えない医師の進路の話 - 1. 進路選択は人生の選択である