#11 行ってみたい場所/及川恵子
はるばる行きたいぜ、函館
はい。タイトルでもう、ネタバレです。
そう!函館に行きたい!!!!
“行ってみたい場所”というより、“また行きたい場所”がタイトルにはふさわしいかもしれません。申し訳ない。
しかし、まだまだ知らぬ場所がたくさんある愛しの街・函館。
何度だって“行ってみたい場所”です。
函館、行ったことありますか?
私は仕事で1度足を運んだことがありまして、そしてそれから1年も立たないうちにプライベートでまた遊びに行きました。
そして今も行きたい。でも行けない。ファッキンコロナ。
函館と言えば、やはり夜景のイメージですかね。
最初はわたくし、函館の夜景を見くびっておりました。ごめんね、函館山。
「いや〜夜景が綺麗っていったって所詮夜景は夜景でしょ?そんなの高台にある我が家からだって綺麗に見えるわ〜〜」と思っていた函館の夜景は、
驚くほど澄んで、輝いて、別格でしたし、
私のiPhoneにはボヤけた夜景の写真しかなかったので、
この感動はぜひ現地で…
海産物がおいしいっていっても「私は漁師の孫ぞ? おいしい海産物をたらふく食って育ってきたのだぞ?」と思っていたけれど、函館で食べたイカはこれまで食べたどのイカよりも断トツのお味でしたし、
捌きたてのイカに醤油をかけると踊るように動き出すのですが、その様子を見ている自分はなんておぞましいのだろうという気持ちになれます
それに、街並みが美しかったり、建物が素敵だったり…。
もう魅力が有り余ってます、函館。
函館のソウルフードとも言われるラッキーピエロのチャイニーズチキンバーガーも函館の老舗洋食店・五島軒のおいしい料理も塩ラーメンも最高だし、海を眺めながら温泉を楽しめる湯の川温泉の素敵な宿も最高。
「できれば函館に移住したい」とすら思っています、わたくし。
と、まあここまではよくある話ですよ。
ガイドブックにも必ず書いてある函館の魅力をずらずらと並べてしまいました。
でも、それは函館の良さのほんの一部。
私が函館にここまで魅力を感じているのは、取材でうかがったアイス屋さんのお母さんが話した言葉に強く強く惹かれたからです。
「函館山にはもう行った?え、これから行くの? じゃ、五稜郭は?温泉には入った?あのお店の●●は食べた? あとはあそこのお店の●●も食べたほうがいいわよ。それにね、■■の●●も見てほしいし、(以下略)」
次々飛び出す函館おすすめスポット。
その時私は、
「自分が住む街をこんなに愛せる人がいるなんて、本当にいい街なんだな」と思えたんです。
私は、仙台の街をこれほど愛せないし、愛していると思ったこともない。
好きな景色はもちろんあるし、好きなお店も好きな食べ物も好きな人たちもたくさんある、そして、いる。
でも仙台を初めて訪れた人に、
「瑞鳳殿は行った?大崎八幡宮は?定禅寺通もきれいな場所だからぜひ通ってみて!牛タンもおいしいし、お魚だっておいしいのよ。ちょっと足を伸ばせば松島だって蔵王だってあるよ!それにね……」
だなんて言えない。
仙台のネガティブなところばっかり言っちゃうはず。
そんな気持ちをずっと持っているから、函館の人たちが感じている街への誇りのようなものがすごくうらやましかった。
そしてそれが、私を強く引き付けて止まないのです。
観光地やら整備された美しい街並みより、その土地に住む人の言葉で知る街の魅力って、ずっと心に残るものなのだなあと、今改めて思います。
いつか、3人で行きましょうね。