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「蚊の針」技術のライトニックス、何故ワクチン投与デバイスなのか?

弊社コア技術、生体適合樹脂製「蚊の針」とは

弊社のコア技術は「蚊の針」の構造を疑似的に再現することによって、金属よりも強度の劣る樹脂でも皮膚に刺さることを実現した「生物模倣技術」(バイオミメティクス)にあります。

この辺りの経緯は前回の自己紹介記事をご覧いただけると幸いです。
https://note.com/lightnix/n/nf2a5c2e4c36a

まず弊社が取り組んだのは樹脂針によって、金属アレルギーの方にも安心して使用してもらえ、かつ使用後には焼却できたり土壌中でも自然に分解されたりして、医療廃棄物の処理問題を解決して医療現場の負担を減らすことでした。

蚊の針の構造を模倣することで樹脂でも皮膚を穿刺することが可能になりました。

そうして弊社コア技術の粋を集めて出来たのがこちら ↓ 、トウモロコシを原料とした生分解性樹脂で蚊の針を模倣した世界初の針世界各国から医療機器として承認も受けることが出来ました。

弊社コア技術の粋を集めた樹脂製「蚊の針」。世界初の樹脂針として実用化、各国の保健当局より医療機器としての許認可も取得することが出来ました。

では、何故この針を用いて現在はワクチンの投与デバイスを開発しているのでしょうか。

これには「蚊の針」完成を目指して検討に明け暮れていた開発当時、2010年頃の時代背景が深く関係しています。

度重なる感染症パンデミックに苦しめられた開発の歴史、完成した「蚊の針」で憎き感染症へリベンジを決意

2002年に創業し、僅か数名の社員で樹脂製「蚊の針」の医療機器申請を目指して尽力していた当時。

ただでさえ少ないマンパワーで当時の大企業でさえ成しえなかった「強度の弱い樹脂なのに皮膚に刺さる針」の開発を目指していた中、度重なる感染症のパンデミックにより深刻な開発の危機に晒されてきたのでした。

これまでのパンデミックの歴史を振り返ってみましょう。

パンデミックの歴史。出典:Visual Capitalist https://www.visualcapitalist.com/history-of-pandemics-deadliest/

まず創業当時の2002年、いきなりSARSパンデミックです。

2002年、中国 広東省から広まった重症急性呼吸器症候群 (SARS: severe acute respiratory syndrome) は世界的規模にまで広がり、創業当時の材料選定や検討機材等の輸入が難航し、創業当初からパンデミックにより大きな痛手であったそうです。

しかしながらそれまでの人脈や工夫、バイタリティによって苦難を乗り越え、10年を掛けて樹脂針に夢を賭けて開発していきましたが、開発成功が見えた2009年の矢先、幾度ものパンデミックによる魔の時代の突入です。

まず2009~2010年、樹脂針の基礎検討が整いいよいよ医療機器承認に向けた大詰めへ乗り出した際、米国とメキシコから広まった豚由来新型インフルエンザにより、またしても開発遅延を余儀なくされてしまいます。
そして2012年、サウジアラビアやアラブから広まった中東呼吸器症候群 (MERS: Middle East Respiratory Syndrome Coronavirus) にも資材輸入等の遅延に苦しめられた経緯があります。

ただそんな中2012年、パンデミックに苦しめられた渦中にありながらも「蚊の針」の樹脂針が完成・医療機器承認に成功したのです。

創業当初から始終苦しめられたパンデミックについに打ち勝った思いだったそうです。
そしてそんな思いのこもった針を引っ提げて、憎きを募らせたパンデミックを今度は自分たちがリベンジしてやる時代が来たという気概に社内は満ちていたのでした。

過去、現在、そして未来へ。ワクチン投与デバイスの開発に賭ける夢

このように弊社ライトニックスは、これまで創業当初からパンデミックに脅かされ、戦い、勝利した歴史の上に成り立ってきたと言っても過言ではありません。

これまでパンデミック禍とともに開発を進めてきた弊社だからこそ、その中で開発してきた「針」の用途として感染症撲滅は半ば使命のような思いにも似た決意を持っています。

ライトニックスは、パンデミックの中で生まれた樹脂針を以て、パンデミックを制していきたいという思いを原動力に、現在ワクチン投与デバイスの開発に尽力しています。

どのようなデバイスであればワクチン投与の効果を最大限に発揮できるのか。そういった思いから研究を繰り返し、現在開発中の皮内投与という手段に辿り着きました。

その詳しい皮内投与のメカニズムや、着眼に至った経緯などは次回記事に譲るとしまして、弊社ライトニックスは以上のように、パンデミック禍で生まれた世界初「蚊の針」を以て世界のパンデミックを撲滅する熱意に燃えています。

(ご質問・ご意見・応援のお便りはこちらまで。)
株式会社ライトニックス
広報担当宛先: 技術企画部 部長 伊純明寛
info@lightnix.jp


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