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Netflix|アインシュタインと原爆|人生で唯一の大きな誤りだった
どうも、こびっとです。
私は長崎県出身で、8月9日の登校日には原爆の被害写真を、校舎に展示する係をしたり、学習旅行では原爆資料館に行き、帰りのバスでは言葉を失い、ドヨンとした気持ちで帰宅したり、と子供の頃から関わってきました。
そんな原爆を生み出すきっかけとなった、天才物理学者アインシュタイン。
どういう経緯で、そしてどういう心情で、原爆に関わってしまったのか。
Netflixで配信されている「アインシュタインと原爆」は、原爆と関わったアインシュタインの苦悩を描いています。
あらすじ
ナチス政権下のドイツから逃れたアインシュタインは、その後どうなったのか。
記録映像や他ならぬ本人の言葉を交えて、苦悩に満ちた天才の知られざる素顔に迫るドキュメンタリードラマ。
実際にアインシュタインが残した手紙や発言でセリフを構成した映画だそうで、アインシュタインと原爆の繋がりを軸にし、原爆の悲惨さ、当時のナチス政権の様子、アインシュタインの後悔を派手な音楽や脚色もなく描いています。
平和を望んだアインシュタイン
ユダヤ人だったアインシュタインは、ヒトラー政権から逃れるためにイギリスのノーフォークの小屋に隠れます。
逃れて生活をしている最中も、母国ドイツで未だ苦しんでいる人々のことを考えては心を痛めていました。自分だけ無事で、天才だと言われたのに何もできない無力さ。
映画の中で、実際にアインシュタインが言ったこの言葉が印象的でした。
「軍は嫌いだ。暴力も嫌い。しかし今の世界で組織された軍隊に対抗できるのは、組織された軍隊だけ。他に方法はない。」
「実際に悪事を犯す者より、悪事を容認する者が世界を危険にさらしている」
このセリフから、ヒトラーの非人道的な虐殺を前に、なす術がないことの絶望、苦悩が読み取れます。
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原爆に関わったきっかけ
ある日、ヒトラー率いるドイツ軍が、原子爆弾の開発に乗り出したという知らせが、アメリカに亡命中のアインシュタインの元に届きます。
原爆という最大の武力を保持したドイツに敵わないと思ったアインシュタインは、アメリカのルーズベルト大統領に手紙を書きます。
「元素のウランが新しいエネルギー源になる。この技術を利用すると爆弾の製造が可能だ。それは、非常に強力な新型爆弾。」
この手紙がきっかけとなりマンハッタン計画が進みだします。
マンハッタン計画とは、科学者、技術者が総動員して原子爆弾を開発する計画でした。(https://ja.wikipedia.org/wiki/マンハッタン計画)
このメンバーにアインシュタインが入ったのかと思いますが、外されました。
理由は、「過去の政治活動から危険人物だと思われたから」だそうで、劇中にヒトラー政権に対してのデモに参加する様子もあったので、そういうことかな?
外されましたが、マンハッタン計画は成功し、ドイツではなく、のちに広島・長崎へ原爆を投下することになりました。
我が人生において唯一の大きな誤りだった
この作品は、マンハッタン計画の細部や、原爆投下までの出来事などは全く描かれていません。
ただ伝えたいことは「苦悩したアインシュタイン」です。
広島の原爆でボロボロになった人々の写真を、悲しい顔で見るアインシュタインを表情のアップのみで映し出します。セリフも少ないです。
アインシュタインは、この後悔を生涯ずっと抱き続けました。
アインシュタインは死の1年前に友人の化学者ライナス・ポーリングへの手紙の中で、このことについて書いているそうです。
「ドイツが爆弾を開発する恐れがあったため、正当性がなかったわけではない。とは言え、それでもなお自分のルーズベルトへの手紙は、わが人生において唯一の大きな誤りだった」
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さいごに
アインシュタインの天才的ひらめき、頭脳にフォーカスする事なく、ただ淡々と時代背景、苦悩を描いています。
劇中登場する苦悩する姿が全て本当のことなのかは分からないけど、アインシュタインの残した日記、手紙から想像すると、舌を出したあのひょうきんそうな顔の奥に、生涯忘れることのない後悔が刻まれていたんですね。
クリストファー・ノーラン監督の原爆の父「オッペンハイマー」が日本公開されて、その予備知識としてこの作品もぜひ合わせて見てください。
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