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ミニチュアの世界に迷い込む「みたてのくみたて」

日本橋高島屋にて行われている「田中達也展 みたてのくみたて」へ行ってきました。

 


ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也さんは、豊かな発想とユニークな視点で身の回りにあるものを組み合わせて、不思議なミニチュアの世界を創り出します。


綿棒の電球がピカッ
腕組みする田中氏


「みたてのくみたて」の見立てとは

対象を他のものにたとえる、なぞらえること。
見て、いいものを選び決めること。


楽器をキッチンに見立てる
「楽器で奏でる食のハーモニー」



この展覧会では、

HOME(暮らしから考える)
FORM(形から考える)
COLOR(色から考える)
SCALE(スケールを変える)
MOTION(動きや変化から考える)
LIFE(生き物におきかえる)
WORLD(世界共通のことから考える)

という7つのゾーンに分けられ、田中達也さんのミニチュア世界がどのように生み出されるのか、
その秘密を探っています。


パンのソファはふわふわに違いない
「甘い生活」


別の角度から眺められるのも
展覧会ならでは


フォトスポットのコーナーもあり、自分もパンのソファに座って、ミニチュア世界の住人になれますよ。

いちばん人気で行列していました


そして、こちらの作品も

「コーンなバッグはいかがでしょう?」


フォトスポットでは、皆さん、コーンバッグを手に持って撮影してました。 

ご本人がモデルになってる(笑)



写真のみの作品もありますが

ピザの耳がソファに
「ヒザに優しいピザ」


フレームの端っこに
ミニチュアがちょこんと


ブロッコリーを木に見立てた
「ブロッツリーハウス」 


ブロッコリーの花言葉は
「小さな幸せ」なんだって


こっち側では
よじ登ってる


フレームから飛び出したミニチュア達を見るのもも、この展覧会のお楽しみです。

ちなみに、夕食に出たブロッコリーを木に見立てて撮影したことが、見立て写真の原点なんだそうですよ。



田中達也さんの作品では、タイトルも印象的でひと捻りされているのが面白いです。
中には、おやじのダジャレみたいなのもありますが(笑)
「ダジャレ」は言い換えると「言葉の見立て」
でもあり、「形の見立て」と共に二重に楽しめるようになっているのです。

例えば、この2つの作品。
どんなタイトルがつけられていると思いますか?

左は
ジッパーを何かに見立てて演奏してますね
右は
音符が魚の形になっているのに注目です


田中達也さんのつけられたタイトルは…


左が「ブランドピアノ」
右が「ドレミファソラシギョ」でした! 


なるほど〜、なタイトルです。
考えても、なかなかこう上手くは思いつかないですよね。
タイトルのほとんどは、撮影した後に考えているそうです。



やはり、「みたて」はパッと見て分かりやすいものでないと。
写真の撮り方によっても、全然印象が変わってしまいます。

これだと
ただのランチプレート
「サンドの飯よりサイクリング」

角度を変えると
山や野原、太陽に見えてきます


こちらは、珍しくミニチュアではない人間サイズの作品。

「アイスることを誓います」
写真の方が
より新婦らしさを感じませんか?


ロコモコの上でフラを踊る
「うまいハワイ」


プロが撮るとこうなる
さすが!


広げた黄色いニット
これが
「みたて」写真で生まれ変わると…


小麦畑での再会シーンに
「ひさかたの孫の笑顔に“ニッと“する」



田中達也さんは絵本も手掛けていて、『おすしがふくをかいにきた』は、私も大好きな一冊。 

あえて英語版を買ってみた
へそ曲がりな私


ネタが洋服という発想が面白い 
イクラとネギの 
アクセサリーも良き


こちらも、同じ絵本から。

「えんぴつがカットにやってきた」


絵本にはない、横から見たお店の様子をどうぞ。

思わずニヤッとしてしまう
アイデアの数々


おすしがいた…



擬人化をする時に大事なのは、顔の位置を決めることだそうです。
例えば絵本の「おすし」を縦に立たせるか、横に寝かせたままにするかで、キャラクターや小道具の設定、さらにはストーリーまで変わっていってしまうからです。


田中達也さんの頭の中では
こんな風に
アイデアがつながっていくんだね




細かく作り込んだ作品もいいですが、シンプルな作品も好きです。

「メガネでかけまわる」
メガネのつるの位置まで
こだわってます


フォトスポットもシュール


「カッターつむり」
大きな葉っぱに
テープカッターを乗せただけなのに…
うん、見える


「ルーズリーフの穴はこうして作られた」  
女の子がいるだけで
冬の雪景色に見えてくる不思議




今回の「みたてのくみたて」。
実に見ごたえたっぷりで、大満足の展覧会でした。

ごくありふれた日常の品々が、ちょっと視点を変えて置き換えると、ガラリと違うものに変わり、全く思いがけない世界を創り出す面白さ。
これはもう、ミニチュアだけど壮大な、大人のごっこ遊びですね。


展覧会は全て写真撮影可能。
実に太っ腹で、ありがたいです。
が、それゆえに、もっとじっくり見たいと思っても、背後から写真を撮ろうと待っている方々の無言の圧が…。 
そそくさと場をゆずる羽目になるのが、唯一の難点でした。

図録では、写真が小さくて分かりづらいものもあるので、気に入った作品は、しっかり写真撮影しておくことをオススメします。
後で見返した時に、あれ?こんなところに!…なんて新たな発見をするのも、また楽しいです。

  

ぜひ皆さんも、田中達也さんの自由自在に広がる「みたて」力に触れて、頭も心も柔らかくしてもらってください。

夢中で見すぎて目は疲れるけど
心には潤いを与えてくれる
展覧会です

「乾いた目に潤いを」



「メガネでかけまわる」田中達也さんの
サインもお見逃しなく!





今回のランチ。
利用したのは、高島屋本館にあるこちら。

喫茶「薔薇窓」
いかにも高島屋らしいネーミング


こちら、中2階(1階と2階の間)にひっそりとあって、場所的には分かりづらいのですが、次々にお客さんがやって来て人気があるようです。
大半はマダム。
おひとり様も多いです。

この日選んだのは
クラブハウスサンド 


具材はチキン、ベーコン、卵、トマト、レタス。
付け合わせがポテチとピクルス&オリーブ、オレンジというのが、なんとも懐しい感じで良きです。


とっても美味しいのですが、非常に食べるのが難しいです。
どう頑張っても崩れて、手が汚れるやつ(笑)
マダムたちは、どうやって召し上がってるのかしらん?




展覧会の詳細はこちら


え?来月も?

今夏は見たい展覧会が目白押しで
いろいろと大変です…




ミニチュア好きな方に…

この夏の展覧会




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