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【ニュースで学ぶESG用語#10】「グリーンウォッシング」とは?

1. 用語解説

そもそも、「グリーンウォッシング」とはどのような定義で使われているのでしょうか。いくつかのサイトでの定義をまとめてみました。

企業が実際よりも環境に優しいと見せかけるために、製品やサービス、組織における環境面で情報を偽って伝えること

Schroders

うわべだけ環境保護に熱心にみせることを「グリーンウォッシング」と言います。「グリーン(=環境に配慮した)」と「ホワイトウォッシング(=ごまかす、うわべを取り繕う)」を合わせた造語で、主に企業の広告や企業活動などに対して使われます。

Sustainable Japan

うわべだけ環境保護に熱心にみせること。「グリーン(=環境に配慮した)」と「ホワイトウォッシング(=ごまかす、うわべを取り繕う)」を合わせた造語で、主に企業の広告や企業活動などに対して使われる。

1970年代から社会の環境意識の高まりを受けて、「環境に優しい」イメージを訴求することで企業のイメージアップ効果があらわるようになると、実際はそこまで環境に優しい活動をしていないのに「環境に優しい」と主張する企業が出てきた。

具体的には、下記の手法が多く見られた。

CSR報告書で関係ないのに自然の写真を使う
アースデイの前後に環境に優しいイメージ広告を出す
必要以上に自分たちの環境技術の取り組みを紹介することで、環境に優しくない自社の活動に気付かせず、エコなイメージを訴求する
こうした手法を揶揄するために、1980年代から欧米の環境活動家が「グリーンウォッシング」という言葉を使い始め、1992年のリオサミット直前には、グリーンピースが「GREENWASH」という本を出版し、この言葉が世界中に広まった。

SDGs SCRUM

2. ニュース・記事でどのように使われるか

それでは、「グリーンウォッシング」という言葉が実際のニュースや記事でどのように使用されているのか、いくつか見ていきましょう。

報告書の執筆者らが「グリーンウォッシング」だと判断した広告は、閲覧回数が5800万回以上にも達したものと思われる。

たとえば、温室効果ガスであるメタンに関する情報を検索すると、「ゼロ・ルーティン・フレアリング(フレアガス排出量ゼロ)」の取り組みを誇示するBPの広告が表示される。フレアリングとは、原油採掘の過程で排出される不要な天然ガスを燃やしてしまうという、広く行われている行為だ。

REUTERS

世界の規制当局は、ESGファンドと銘打ったファンドによるグリーンウォッシングを取り締まるため、さらなる規制を導入している。シンガポールと香港は追加的な情報開示義務を課している。欧州では、サステナブル投資の規制が強化され、資産運用会社は新しい「True-to-Label」ルールへの対応を始めている。

日本の金融庁は昨年、モルガン・スタンレーが運用し、みずほフィナンシャルグループが販売する人気のファンドが、環境と社会的影響に関する十分な情報を投資家に提供していないとして批判を浴びたことをきっかけに、ESGファンドルールに関する議論を開始しました。金融監視委員会は3月までに新しいガイドラインを発表する予定だ。

アクシオン


用語の意味を理解したうえで、実際のニュースや記事を読んでみると、また違った視点から新たな発見が見えてくるのではないでしょうか。

それではまた、次の用語解説でお会いいたしましょう。

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