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【ニュースで学ぶESG用語#07】「カーボンオフセット」とは?

1. 用語解説

そもそも、「カーボンオフセット」とはどのような定義で使われているのでしょうか。いくつかのサイトでの定義をまとめてみました。

カーボンオフセットは、人間の経済活動や生活などを通して排出された二酸化炭素などの温室効果ガスについて、削減しようと努力をしてもどうしても削減できない分の全部または一部を、植林・森林保護・クリーンエネルギー事業(排出権購入)などで、埋め合わせすることを言います。

SustainableJapan

排出した二酸化炭素の総量を、他の場所で二酸化炭素を吸収する活動に資金を提供し相殺することをいいます。企業が、植林などのプロジェクトに投資することで、排出量を相殺するといった例がよく見られます。

Schroders

カーボンオフセットとは、日常の経済活動において排出されるCO2の削減に取り組み、それでもなお削減しきれないCO2について別の場所で削減・吸収に取り組んだり、それらの活動に投資したりと違った方法で埋め合わせる考え方のこと。

カーボンオフセットの取り組みには、再生可能エネルギーの開発・使用などでCO2の排出量そのものを削減する「排出削減系」の活動と、植林活動や森林保護を通して大気中のCO2の吸収を促す「森林吸収系」の活動がある。そして、活動によって削減・吸収できたCO2の量をルールに従って数値化し市場で取引できる形にした「クレジット」を売買する方法が一般的である。

日本国内での代表的なカーボンオフセット認証制度にはJ-クレジット制度がある。J-クレジット制度は、温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証するもので、2020年10月までに822のプロジェクトが登録され、595t-CO2*のCO2削減が認証されている。(*t-CO2とは、温室効果ガスの排出量を表す単位。)

IDEASFORGOOD

2. ニュース・記事でどのように使われるか

それでは、「カーボンオフセット」という言葉が実際のニュースや記事でどのように使用されているのか、いくつか見ていきましょう。

アメリカは途上国のクリーンエネルギーへの転換のために、気候変動に関する目標を達成しようとする企業に対してカーボンオフセットの取り組みを拡大することによって何百億ドルもの民間資金を調達しようとしている。

「エネルギー転換アクセラレーター(ETA)」と名付けられたこのプログラムでは、石炭発電所の廃止や再生可能エネルギープロジェクトに資金を提供する企業が、それによって削減される温室効果ガス排出量を、自社の気候変動対策目標に算入できるようになる。

BUSINESSINSIDER

キャセイパシフィック航空は2022年11月18~28日の期間中、同社ウェブサイトから対象チケットを購入すると、二酸化炭素排出量削減の取り組み「カーボンオフセット」が適用される「グリーンフライデーキャンペーン」を実施している。

出発地は成田、羽田、大阪、名古屋、福岡、札幌で、香港を除くヨーロッパ、北米、ホセアニア、東南アジア、南アジア、中東行きの片道または往復航空券購入が対象。カーボンオフセットだけでなく、最大5000マイルのボーナスマイルも提供する。ライフスタイルブランドS.(エスドット)とのコラボにより抽選でトラベルグッズやぬいぐるみなどもプレゼントする。キャンペーンを通じて、乗客にも地球環境保護に関心を持ってもらいたい考えだ。

travel voice

用語の意味を理解したうえで、実際のニュースや記事を読んでみると、また違った視点から新たな発見が見えてくるのではないでしょうか。

それではまた、次の用語解説でお会いいたしましょう。

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