溶け逝く
連日の暑さでお父さんが
アイスのように溶けてしまったのは、
とても悲しいけれど、
しかしそれを、
いつまでもしくしく悲しんだところで、
お父さんはもう二度と復活しないのだから、
それはもう終わったこととして、
いつもの日常を再開します。
いやーでも、
私も気をつけないとなぁ。
油断していると
お父さんのように溶けちゃうよ。
あんな形の最期は迎えたくない。
最期が溶けるってなんなの?
ヤバすぎ。
そうならないように、
とりあえずアイス食べよ。
そしてとりあえず、
あの娘の夢が叶いませんように……。
あの娘にはなんの恨みもないけど、うん。
とりあえず、とりあえずね。
あの娘の夢が叶いませんようにと祈っておく。
とりあえずね。
そういうことを祈るのが私の、
いつもの日常だから。
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