ショートショート 世界破壊隊

隣の家のお姉さんが
「世界破壊隊」
の一員だと知った今日この頃、
私は特に正義感が働いたって訳じゃないんだけど、その事実を警察にお話しした。

すると、その翌日、
泣き叫びながら警察と争うお姉さんがいて、
「放せよ! クソ警察!
お前らみたいなカスが私に触るな!
こんな世界は一回全部壊した方がいいんだよ! 壊すべきなんだ!
ゲームとかアニメに出てくる悪い奴も
そう言ってる!
私が作ったオリジナルキャラクターの
フリカザスくんもそう言ってる!
あと、日本のあちらこちらにいる佐藤という
名字の人の中にもそう言ってる人は絶対いる! だから佐藤さん助けて!
佐藤さーん!」
と大暴れしている恐いお姉さんがいた。

その様子を興味を持って
みかんを食べながら
ぼやっと目の当たりにした私は、
一瞬
「ふふっ」
と笑っちゃった訳だけど、
その
「ふふっ」
にお姉さんが即、
「あぁ?」
と反応してきたので、
私はすぐに顔をそむけて家の中へと逃げ込んだ。

あー恐かった。
恐い恐い。
嫌だ嫌だ。
でもまぁ、しょうがないじゃん。
「世界破壊隊」
であることを隠し通せなかった
お姉さんが悪いんだよ。
玄関先でそういう電話をしていた
お姉さんが悪いんだよ。

言ってみれば、馬鹿じゃん。
馬鹿すぎるよ。
私からしたら、
警察に言っちゃお、
ってなるじゃん。
だって隣人が捕まるとか面白そうだし、
そして実際、面白かったし。
ふふっ。

ま、お姉さん、
しっかり反省してくるといいよ。

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