トンボ
いつにも増して、
トンボが飛び交う帰り道。
いつものように
ジョギングをしているスマートな男が
僕の横を駆けて行って、
一匹のトンボをパクッと食べた。
そしてこれまたいつものように、
自転車に乗ったおばさんが
僕の横を通り過ぎて行って、
「キャー!」
と叫びつつ、
傘を振り回して爆走して行った。
そしてそして、
今日も今日とて、
虫取り網を持った三人の男の子たちが、
僕を元気よく追い抜いて行って、
トンボには目もくれず、
トンボの中を走り抜けて行った。
という中、
僕もいつものように、
「火炎放射器があればなぁ……」
と残念な気持ちになりながら、
トンボの中をトボトボ帰って行った。
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