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七里孝(五島美術館夏の優品展)

七里への道

もう随分と前の事のように思えるけれど。
ほんの半年程度前のお話。
東博で本阿弥光悦展がございました。
そちらについてはこちら↓

数々の本阿弥光悦の名碗が並べられていました。

勿論、どれか一つくれると言うならば
「ありがとうございますー」とためらうことなくいただきますが……

実は私がずっと見たい見たいと騒いでいる本阿弥光悦の茶碗はこの東博の展示には出ていませんでした。

五島美術館さんの「七里」
いつか五島美術館さんで会えると待ち続けてはや数年が過ぎ去り。
もう出さないのかなぁ…今年こそ出るかなぁなどとハチ公のごとく待ち続けておりました
-⁽ -´꒳`⁾-

そして本阿弥光悦展には出るだろうと思っていたけど、いらっしゃらない。

しょんぼり。

「茶の湯名碗-新たなる江戸の美意識-」
より引用
この本ほんとにうっとりしちゃいますー


年末の「取り合わせ展」には出てくるかなぁ、などと思いつつ。

SNSで流れてきた五島美術館さんの今の展示「一味爽涼」を見て、ほぼ常設展示だし七里は出てないよなぁなどと思いつつ何気なく展示品PDFを開いてみたら………

五島美術館HPより引用

七里でてますやん………
ああ……
七里でてますやん………

今まで企画展と取り合わせ展ばかり気にして、常設展示期間見ていなかったから七里に出会えてなかったのかも……
反省。

どんな時でも美術館の展示品PDFは確認しなければという教訓になりました。

そんなこんなでご対面
もう七里が出てると知ってしまったら会いに行くしかありません。
いざ、五島美術館!

とにかく七里目指し第二展示室へ!

この後、第二展示室入口で衝撃を受ける事になるとも知らずに。

これから五島美術館へ一味爽涼展を見に行かれる方はお気をつけてください。


目に見える情熱

第二展示室入口に2つの作品がありました。

無地志野茶碗 荒川豊蔵作
掛分釉指描大鉢 濱田庄司作

まずは荒川豊蔵作の志野茶碗の美しさに声を失いました。

紅蓮の炎という言葉がぴたりと当てはまるような赤。

炎の流れるさまが思い浮かぶほど。
こんな茶碗見たことない。
なんだこれ、なんだこれ!!
ただ、ただ荒川豊蔵すごい……と圧倒されてしまいました。

あまりの美しさにスタッフの方にこの茶碗が載っている図録がないか確認しに行ってしまいました(残念ながらないそうです……)
気になる方はグーグル先生で検索検索!!

そしてその隣、無造作に指でデザインされた大きな鉢。
掛分釉指描大鉢 濱田庄司作

無造作なのに美しい。
どれだけのセンス、どれだけの鍛錬を持ってすればこんなデザインができるのだろう。
力強さの中に見える繊細な美しさ。
まだまだ入口なのに圧倒され過ぎて倒れそう。

にゃーー

いよいよ七里

と、思いきや…
武蔵坊とわらやがお出迎え。
武蔵坊もはじめましてデス。

一つ一つひろっていったらnoteから感情が溢れてしまうのでここは割愛いたしますが、すごい並びであったことは書いておきます。
武蔵坊の高台の美しさでご飯3杯は食べられることでしょう。

そして七里!

長次郎作千声と並んでいます。

千声についても語りたいけど以下同文。

ああ……
この子かぁ。
この子なのかぁ。

雨シリーズのような華やかさはないけれど
しっとりと濡れたような黒。

のんこうの釉薬のようだなぁなんて思ったりしてたら、そのことについては説明文にも書いてありました。

かけ外した部分とのコントラストが
深く暗い湿った森の入口のよう。

「ぬばたまの」と思わずつけたくなるようなつややかな黒。

七里、君はいったいどんな手取りなんだろう。

などと思っていたら、よくよく見たら重さ書いてありました。

武蔵坊 491.3
わらや 381.0
峯紅葉 487.4
七里  336.7
柳かげ 317
ときわ 511.8
(あれ、千声メモ忘れてる……)

黄瀬戸の柳かげとあまりかわらない336.7g!

七里は隣にある千声より大きいのに。

軽いのかぁ。

ここでふと邪推。
光悦の子なのかな?
薄く薄く削る。
黄瀬戸くらい軽くなるまで。
釉薬の質感。
あくまでも素人の邪推なのであしからず。

ますます手にとってみたい…

どれだけ薄いのか。
重さをどこで感じるのか。

君で飲むお茶はどんな味なんだろう。

やっぱり、私は君が好きだ。
会えてよかった。

第二展示室の武蔵坊、わらや、千声、七里の展示方法もすごく良くて。

なんと表現すれば良いのやら…
うーん、宝石屋さんのショーケース?

上から見込みがよく見えるのです。

茶碗の重さまで書いてあって、なんて素敵!!

この日は学芸員さんのトークイベントがあり、それにも参加してきました。

あまり時間がなかったのでその後第一展示室もチラリと拝見。

また七里見に絶対行くので、そのときはゆっくり第一展示室も見ようと思います。

最後に。

ここ最近、色々な美術館へ行き、ある疑問が生じました。
志野茶碗の見込みの美しさの謎。
これは野口以織さんのInstagramで書かれていた事と自信の経験から、とても不思議に思っている事なのですが、それはまた別のお話で。

野口以織さんのInstagramはこちら


さてさて。
そんな野口以織さんの茶碗に触れられる素敵なお茶会のお知らせです。

七夕星雲茶会のお知らせ



【星雲 七夕茶会@経堂 藤水亭の詳細】

ところ:藤水亭(小田急線経堂駅北口より徒歩10分)

時間 ①10時30分〜12時(残り2席)

   ②13時〜14時30分(残り5席)

   ③15時〜16時30分(🈵)

茶会費  5000円(薄茶+菓子+粗飯付き)

※野口以織さんのお茶碗の販売もございます。
ご希望等ございましたら、お気軽にお声がけください。

※茶会に、野口以織先生の茶碗の展観席が組み込まれています。
※椅子のお席もございます。ご希望の方はお申し込みの際、ご記入いただけますと幸いです。


いつもの茶の湯ORI

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