見出し画像

雑感記録(233)

【集中が出来ない人々たち】


今回もマッチングアプリ放浪日記シリーズ。過去の記録はこちら。

今日、スマホの機種変更に行ってきた。彼是4年も同じスマホを使用しており、スペックが低い上にプランも安くデータ通信量の制限が掛かってしまい、使い勝手が不便であった。プランの見直しも兼ねて行ってきた。予約をしてお店に行ったのでスムーズに受付して貰えた。色々と会話しながら適正なプランに変更し、新しいスマホを購入した。

それで僕はあまり機械操作に慣れている人間ではないので、機械の基本的な初期設定を店員さんにお願いしてやってもらった。今では料金が掛かるらしく、どうしたもんかなと思ったけれどもせっかくならばと思い、やってもらった。やはり初期からの設定なのでかなり時間が掛かってしまう。本当に申し訳ないなと思った。

それで担当してくれた人が個人的に凄く可愛かった。

ネイルがバッチバチにキマっていたが、フィルム貼りや設定作業も物凄く丁寧にやってくれて凄く嬉しかった。簡単な事でも誰かに何かをやってもらう。それが例えお金を払って「仕事ですから」と言われようがユーザー側の僕からすると本当に有難いことこの上ないのである。それに可愛い。一所懸命に作業をしてもらうのだけれども、新しいスマホはやはり色々とダウンロードやらアカウントの移行作業で時間が掛かる。待ち時間などに色々と話をした。

僕は1人暮らしで、元々が「話をすることが好き」な人間であるから、こういう場面でしか人と真面に会話する機会がない。「いや、仕事で話すだろ」ともなるんだけれども、普段僕は仕事で殆ど口をきかない。最低限の会話で済ましているから自分のことを話する機会など無いのだ。だからこうして誰かと話せるだけで僕は嬉しいのである。それに可愛い。

色々と話をした。お姉さんもお仕事だから多分気を遣ってくれたのだろうけれども、結構色々な話をした。「最近のスマホは進化してますね~。僕なんてもうおじさんですね。そういえば、「若者」って国連の基準で言うと15歳から24歳までなんですって。僕は今年28になるんで、「若者」じゃないや…」みたいな所から話を吹っ掛けた。そこからお姉さんが「え、そしたら私もオバサンですね」と以外にもそれなりの返答をしてくれた。加えて「昨年25になったんで、あら困った…」みたいな感じで返してくれて僕は何だか嬉しくなった。それに可愛い。

そこから何だか盛り上がって、挙句の果てには「私、彼氏いないんですよ。どうしたらできますかね?」と聞かれてしまった訳だ。いや、この手の話を聞かれるのが困ったなと思った訳だ。どういう風に言えばいいんだろうと思って、僕は本当に思った事を言った。「いや、お姉さん可愛いから、彼氏すぐに出来るよ。」と。その時の返答はそれはごく一般的で「ええ、そうですか~?」と若干の笑いとその後、若干の沈黙。可愛い。

それからまたお姉さんから「お仕事何されてるんですか?」とか「どちら出身なんですか?」というような、半ばマッチングアプリを介してのコミュニケーションをした。何だか凄く不思議な感じがした。リアルでもやっぱり初対面でもこういう話になるんだよなと思いつつ、何だかこの空間が僕には居心地が良かった。それに可愛い。

その後、設定が終ってお店を後にした。


それで帰っている途中、「どうしたら彼氏できますか?」という質問に対して真摯に答えてあげられなかったなと思った。それで道中、ちゃんと考えたうえでなら僕はどうやって返答するだろうかと考えてみた訳だ。

恐らく気軽に始めるのならばやはりマッチングアプリしかない。職場に出会いがないというのは実際に今日店舗に行き何となくだけれども分かる気がするし、出身が東京ではないので恐らくお友達もそこまでいないと予想される。それにこれは僕の偏見だけれども、同性のお友達が多いと予想。異性のお友達はあまりいないと見る。それにそもそも友達からの紹介で仮に付き合って、別れましたとなったら紹介した友達に面目が立たなくなる。そう考えると気兼ねなく出会うにはマッチングアプリしかない。

では、マッチングアプリをやるとして、男性ユーザーとして「どんなユーザーだったらいいか」ということを少し真剣に考えてみることにした。これは男性側ならよく分かるかもしれないが、マッチして1通目のメッセージを送信してそれから音沙汰なしという状況が頻繁にある訳だ。結構これは中々辛いものがある。やりとりもしていないのに終わる。これが恐らく「マッチングアプリやる意味あるの?」という現象に繋がってくる訳だ。

そしてこれもあるあるなのだが、大抵女性側はすぐに辞める。僕は実際これが大きな問題だと思っている。

女性側は無料でやり取りできる訳であって、いつ辞めたって関係ない訳だ。どのタイミングで辞めようが始めようが無料だ。ところが男性側はそれなりの料金を支払ってメッセージでのやり取りをしている。別にお金にがめついわけではないけれども、1通、しかも返信なく音沙汰なしの状況があると少し腹立たしい。そしてメッセージでやり取りしていて、「お、良い感じだ」と思ったところで何の前触れもなく突然辞められるのが1番腹立たしい。

女性側の視点から考えると、正直分からなくはないなと思う訳だ。そもそもだ、男性側から数多くの「いいね」が来るわけで、それをまずは選別。その上で、何人かと同時並行でやり取りをする。当然、疲弊する。特に1人の時間を大切にしたいという女性がやはり多い傾向にあるので、疲弊して辞めてしまう。僕も1人の時間がないと困る人間だから気持ちは分からなくもない。それに何人ものある種飢えた野獣みたいな男たちを相手にする訳だ。いちいち「すみません、あなたとは合いません。ごめんなさい。」と断って辞めるのだって面倒くさい。そういう女性側の気持ちもよく分かる。

しかしだ。そもそも「そういう状況になる」ということを承知のうえでやっている訳である。ある程度の労力が掛かるということは大前提である訳だ。それに、これは苦言というか現在の若者の傾向なのかも分からないけれども、「何か1つのことにじっくり集中することが出来ない」という傾向にあるような気がしてならない。それがマッチングアプリに顕著に現れていると思う訳だ。


ここからある意味で読書の重要性に僕は持って行きたい。

本を読むことも正しくマッチングアプリそのものみたいなもんだ。何か1つの作品をじっくり読む。あるいはあらゆる作品を「読む」ひいては「向き合う」ということは読書によって培われると僕は思う。例えばね、マッチングアプリも並んでいるプロフィールをそれぞれ1つの「テクスト」として捉えてみよう。そこに描かれる「テクスト」を少しを読み、「あ、なんか面白そうだな」と思えば「いいね」を押してその「テクスト」を読み解こうとする。あるいは「いや、これは合わなさそうだな」と思えば左にスワイプ。

誰かと向き合うということはお相手のストーリーを紐解き、それを新しい視点で解釈しなおすということでもあると僕は思っている。常々、この記録で僕は「テクストというのは誰かに読まれることで初めて作品足り得る」と書いている。これも正しく同じ状況だと思うのである。つまりは、そのプロフィールや趣味カードというテクストを読み、「このテクストを読もう」となればそのテクストを読み込み「向き合う」。そうしてお互いがお互いの「テクスト」を読み込み、「作品」足らしめんと「向き合う」訳である。

マッチングアプリで何通かメッセージをやり取りして音沙汰なしになるのは構わない。それは「テクスト」を読み込もうとする痕跡があり、「向き合」おうとしてくれたことが分かる。しかし、何のメッセージのやり取りもなく、尚且つすぐに辞めてしまうというのはそもそも「向き合う」ということが出来ていない。いや、その土俵にすら立とうとしていない。辞めるという行為はその「テクスト」「作品」以前の問題で、読むことすら放棄している。

大抵そういう人らに限ってプロフィール欄に「真剣にやってます」という何とも馬鹿げたことを書いている。本当に真剣なのか?と男性ユーザー側の視点からは見えてしまうのである。いや、僕はそう見ているってだけの話だ。

勿論、仕事が忙しくてとか、時間が無くてというのは分かる。だって僕もそうだ。僕だって毎日本を読んだり、映画を見たりする時間があってそればかりにかかずらっている時間などない。しかし、こうして彼是何年…?5年ぐらい続けてる訳だ。だから正直に言えば、真剣にやろうと思えば出来ないことはない。「いや、それはあんたが男性で、マッチ数も少ないし、あたしはあんたとは違う」と言われればそれまでだが、しかし本当に真剣ならすぐに辞めるとも思わないし、1通だけで終わらせることなどしないはずだ。


それで僕が導き出した結論としてはこうだ。

・マッチングアプリ気軽でいいよ。
・でも真剣なら数通ぐらいはメッセージ送ってあげてね。
・ちゃんと向き合ってあげてね。
・アプリだからって蔑ろにしちゃだめだよ。

ということぐらいだろうか。しかし、これを考えた訳だが、中には邪な気持ちでやっている男性ユーザーも当然に存在する訳だ。そういう危険を感じたらすぐに辞めて欲しいとは思う。自分の身を守るという意味で。自分のみが危険だと感じたら即効辞めるべきである。

とまあ、こんな感じだ。結局僕のスマホ設定したお姉さんにそれを伝えることは出来ない。あの時、ふざけてでも「今度ご飯でも行きます?」とか誘えばよかったかなとも思ってみたりする訳だが、後悔先に立たず。仕方がない。愉しいひと時だったな…。ありがとう。

非モテ男のマッチングアプリ放浪日記。

よしなに。


この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?