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置かれた場所では咲けません。「ファイター、北からの挑戦者」

閲覧ありがとうございます_(._.)_
今日は、北朝鮮から逃げてきて、中国を経て韓国にやってきた、ある女性の物語の映画の感想を書いておこうと思います。


「ファイター、北からの挑戦者」、主演は、
イム・ソンミさん。

目元がキリッとした美人さんです。

未だ、中国に父親を残している脱北女性のジナさんは、韓国にてお金を稼ぐつもりです。
しかし、北朝鮮から、来たというと、あからさまではないですが、じんわりと差別をする韓国の人間もいます。
ジナさんも、部屋を借りる際に、立ち会った悪のび太みたいな風体の不動産やさんに、

「韓国人でも、中々住めない高い物件だよ。支援センターから補助が出るから羨ましいなぁ」などと
嫌みを言われたりします。

食堂で皿洗いや雑用の仕事を始めたジナさんですが、もっとお金を稼ぎたいため、ボクシングジムでの清掃の仕事もゲットします。


ジムトレーナーの青年


「ファイター」と、題名にある通り、ここからボクシングが入ってくるのだなと思う展開です。

しかし、ジナさん、すんごいとんがってるんですよ。好感度水面下くらいのヒロインぶり。
ボクシングに慣れた様子のジナさんに
「経験者なの?」と、トレーナーが聞くと

「軍隊で習いました!だから、どうなんです?ケンカばっかりしてるって言いたいのですかっ!」と、リザードンの火炎噴射みたいな勢いで、言い返します。全然、丸くないんですよ。
いつも、いつも、いつも、眉間にシワをよせて、
韓国を、世間を、自分の境遇を睨んでいる感じです。ジナさんには、一人だけ先に韓国に渡り、今は韓国人と結婚して、家庭を持つ母親がいます。
その母親のことも恨んでいて、秘かに母親の家を突き止め、姿を現し、母親に圧をかけるうらめしやのジナさんです。


よし!背景はわかった!そろそろボクシングに集中しょうぜ!ジナさん!


わたしは、「ロッキー」な展開になるか、「あしたのジョー」的な感じになるか、ワクワクしました。

だって、題名からしたら、不幸な女性がボクシングの才能を見いだされ、王者になる話しなのかな、サクセスストーリーかなと思ったんです。


しかし、、、ジナさん、、
態度はケンケンして、とんがってるんですが、
勝てない、、
大会に出れば予選落ち。

私が思わずくしゃみしてる間に、リングに倒されてるし。。倒れたまま、うしろの百太郎みたいにこっちを睨み付けてるし。。

あれ?違うパターンかな。。あしたは、どっちもないパターン?


しかし、話し合いにきた、母親には振り向き様につき倒して、母親は一発KOで、一時、意識不明になってしまいます。
ジナさん、やはり、エネルギーは、違うベクトルに作用するようです。


なんでも、簡単じゃないし、うまくはいかないんだよ。


北朝鮮から出たから終わりではなく、人生は続くし、1人では、生きてはいけない。

「あなた方になにが、わかるのですか」

ジナさんの頭の中には、常にあった言葉だと思います。

わかりません。知らないことを「わかる」なんて、言ったらいけないから、言えません。


題名の「ファイター」ですが、、世間の偏見と戦うは、多分、違う感じがしてます。
ジナさんの過去と、自分の内面とのたたかいになるんだろうなと思います。


世間は、世界は、忙しく、みんながみんな、それぞれです。自分の問題は自分だけで、悩み、時には忘れたりして、生きていく道をならして行かねばならないんじゃないかなと思いました。


「ファイター、北からの挑戦者」
ボクシング映画ではありません。ある女性の再生の
物語です。


必ずしも、サクセスする必要はないけども、
選んだ道を悔いなく進んで欲しいなと思います。




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