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日常(s)


僕とミナはとても幸せで、うまくいっていた。ミナの前では素直になれた。嫌なことがあっても、ミナと話しているうちに心が晴れた。

出逢えたことが奇跡だったのに。

奇跡にさえ慣れ、敬意とか感謝とか丁寧さを怠り、言わなくてもわかっているだろう、と勝手に思い込み、毎日をずんずん進む。
気づいた時には、隣にミナはいなかった。

僕は昔から、大切なものを失くしてしまう。

ミナだけは失いたくなかったのに。僕の人生の光だから。

ミナが出て行った部屋。
二人で選んだソファに座り、ぼんやりしていたら、いつの間にか真っ暗になっていた。
さようなら、ミナ。

この部屋に一人はつらすぎるから、引越しをしよう。

いずれ時がたてば
この痛みも薄らいで
日常のどこかに消えていくのだろう。

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