春のような温かさがいつもある学校に… 苦手に挑戦し続ける姿は一層美しい　〜心の宝物193

🌷美しいブリッジ

山に囲まれた小さな学校
この学校には、校名を冠した体操が伝統として伝わっており、全校朝会の中で取り組んでいました。柔軟性やバランス感覚を効率よく養うことができるよう工夫されていますが、個々の種目のレベルはなかなか高く、理想のフォームを表現するためには強い筋力が必要です。年齢や運動能力によって、異なる高さのハードルを越えようと、どの子も懸命に取り組んでいました。

５年生の彼女は柔軟性に優れていました。何より内なるファイトがありました。
例えばブリッジ。ほとんどの子はいったん寝転んでから、えいっと手と足を突っ張って形をつくります。ところが彼女をはじめ、数名の子は、立った姿勢からゆっくりと背を反らせていき、やがて伸ばした両手が床に着地して形を完成させます。
バランス感覚と柔軟性に加えて、恐怖心を克服しないでは、できるはずがありません。体の固い私には神業にしか見えません。
ただただ感心して、彼女の演技に見とれていました。

🌷苦手に挑戦し続ける姿は一層美しい

そんな彼女ですが、種目の中のV字バランスは苦手でした。柔軟性は十分ですが、背筋の痛みがつらいようです。
しかしあきらめません。運動会が近づくにつれて、必死に頑張ろうとする姿からは、少しでもパフォーマンスを上げようとする気迫が伝わりました。だんだんと深く美しいV字が表れるようになりました。それが継続する時間も長くなりました。
そして運動会当日、美しいV字バランスを見事表現しました。

少し年齢の離れた妹のお姉さんでした。元気で豪快な妹とは対照的に繊細な彼女ですが、心の内に、想像することへの情熱や、強い意志を秘めていることはこのことをはじめ、日常の様々な姿から伝わりました。
建築士を夢見ていました。今の日々が糧となり、いつかきっと、苦しみの果てに表現したV字バランスのような、素敵な建造物を残すに違いない、ぜひそうあってほしい。

そんな願いでお伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで