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春のような温かさがいつもある学校に… 自分の山を 自分のペースで登ること 〜心の宝物227

🌷彼女の挑戦


山に囲まれた小さな学校
4年生の彼女は、前期、係決めの中で、クラスの代表委員に立候補しました。

「代表委員」とは、男女1名ずつ選出される学級のリーダーで、一般的には「クラス委員」「学級委員」などと言われることが多いかと思います。
大きな学校であれば、学級の役職としての学級委員、児童議会に出ていく代議員、児童会を執行していく児童会長などの児童会役員と、リーダーの役職のすみわけが成立します。
しかし、小規模校のこの学校では、それらを全て統合した役職として、4年生以上の学級から男女1名ずつ、代表委員が選出されていました。その中で選出される代表委員長を中心に、全校児童の笑顔と成長を支える活動を企画し、6名の委員が、様々な場で前面に出て活動していました。

彼女は、決して絵に描いたようなリーダータイプではありません。繊細で心優しい人ですが、大きな声を出したり、人前で何かを語ったりということはあまり得意な方ではありません。登校の児童玄関でも、はにかんだ笑顔と小声で、温もりを届けてくれる。そんな人でした。。

春、その彼女が立候補し、学級で承認されたと、担任の先生が話してくださいました。挑戦できる安心感、その子を、決めつけず、可能性を信じる文化が担任の先生を中心に、学級に培われていることを心からうれしく思いました。

🌷自分の山を 自分のペースで 登ること


彼女の挑戦が始まりました。全校集会で、運動会で、声を出す場面が巡ってきます。

「小さいよ!」
声が届かなければ、容赦なく、担当の先生の檄が飛びます。
ときには涙目になりながら、しかし彼女は懸命に、細い声を張ります。

回を重ねるにつれて、はじめは自身無げだった姿が、だんだんと板についてきました。
自分たちが企画した「挨拶キャンペーン」もきっとよいきっかけになったのでしょう、朝や校内で出会うときの挨拶から届く温もりも明るさも、以前よりもずっと大きくなりました。体育館からの行進退場も、下級生のお手本となるように、自分に挑戦するように、元気よく、美しく、躍動しています。

願い、挑み、苦しみ、彼女は確実に、彼女の心の宝物を輝かせました。

声の大きさ、全員を引き付ける説得力のある話し方。リーダーの条件が、そういうものだけだとしたら、あなたの現在地は道半ばかもしれません。あなたよりも大きな声で、うまく話すことができる人は、いくらでもいるでしょう。
しかし、今のあなたは紛れもなく、全校のリーダーです。

人にはそれぞれその人の山があること、その人にしか、その高さや険しさが分からない山があることを姿で教えてくれた。
自分の山を真っ直ぐに見上げ、登り、自分らしく越えていくことから逃げない姿を示してくれた。

願うことはチャンスであること、挑むことは苦しくもあること、しかし、そこには必ず得るものがあること。それが成長するということだと、声と涙と姿とで示してくれた。

リーダーとは、成長の山を登ろうと、仲間を勇気づけ、その背中を支えてくれる人のことだ。

だからあなたは素敵なリーダーです。
あなたを誇りに思う。

そんな気持ちでお伝えしました。

かけがえのないあなたへ
素敵なきらめきをありがとう
出会ってくれてありがとう
生まれてきてくれてありがとう
どうか、ありのままで
どうか、幸せで

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