見出し画像

「人がいない。お金がない。」中で。~子どもにどう向き合うか~

私は、小学校で指導教諭をしています。

教師と保護者の2つ視点から、
『家庭でもできる教育の一工夫』を発信
しています。

非認知能力を育てるには、子ども時代が大事。

非認知能力を上げるためには、
子ども時代の土台作りが大切だと以前の記事で書きました。

そのために親ができることは何かについて書いています。

今後の社会を考えた時に、非認知能力を意識して子育てをすることはとても大切だと思っています。

日本は、小さい子にお金をかけていない。

下の本を読みました。
その中では、アメリカが
子どもたちのためにどのくらいお金をかけているのかが書かれていました。

子供時代のとくに早い時期の脳の発達については科学的理解が進んでいるのに、逆境にある子供たちを支援する政策については、充分な取り組みがなされているとはいえない。
幼時期については、子供たちのために使われる公的資金のごく小さな一部しか提供されていない。社会福祉費の総額のうち、幼い子供に使われる金額の割合を調べた最近の国際的なランキングでは、対象となった先進国三二カ国中、アメリカは三一位だった。しかも、決して多いとはいえないその資金の大半が、幼稚園にあがる直前の子供たちのために使われている。つまり、「勉強」に必要なスキルを習得する、四歳児向け(いくつかは三歳児向け)のプログラムに使われているのである。

日本も気になって調べてみました。

2023年のOECDの報告によると、
日本は幼児教育への支出において主要なOECD諸国と比較して、
比較的低い水準に位置していました。
具体的には、
日本は幼児教育にGDPの約0.5%を費やしており、
これはOECD平均の0.9%より低いのです。


日本の社会福祉予算の大部分は、高齢者向けの年金や医療に充てられているようです。これは高齢化社会の影響でしょう。

反対に、スウェーデンやデンマークは、早期教育や家族手当に多くの投資を行っているようです。

OECDの「Education at a Glance 2023」報告書より 一了調べ

日本は、世界的に見ても、
小さい子たちに対するお金は
少ないことが分かります。

本来なら、小さい子供たちへの教育を熱心にしたほうがいいにもかかわらず。

これは、寂しいものです。

さらに内訳を調べてみました。
日本では、幼い子どもたちのために使われる社会福祉費は主に以下のような用途に分けられます:

1. 保育施設および幼稚園
• 保育所や幼稚園への補助金。これには、施設の運営費、改修費、拡充費用が含まれます。
• 公立および私立の保育所・幼稚園の運営支援。特に、公立施設への財政支援が多い。

2. 子育て支援金および手当
• 「児童手当」として、家庭に直接給付される金銭的支援。これは、子どもの年齢や人数に応じて支給されます。
• 出産一時金や育児休業給付金など、出産および育児に伴う経済的負担を軽減するための支援。

3. 育児サービス
• 地域の子育て支援センターや子育て支援事業。これには、一時保育、親子教室、育児相談などが含まれます。
• 親の育児負担を軽減するための一時預かりサービス。

4. 医療費補助
• 子どもの医療費に対する補助。多くの自治体では、子どもの医療費の一部または全額を補助する制度があります。

5. 教育支援
• 幼稚園や保育園における教育カリキュラムの充実や質の向上のための資金。
• 幼児教育の無償化を進めるための施策。2020年から、3歳から5歳までのすべての子供、および住民税非課税世帯の0歳から2歳の子供に対する幼児教育・保育の無償化が実施されています。

OECDの「Education at a Glance 2023」報告書より 一了調べ

いろいろなところにお金が振り分けられていますね。


上の記事で書いた内容で言うならば、
直接子どもとの関りに関する場面に
力を入れてほしいと思っています。

小学校の現場にいる立場から言えることは、
子どもと落ち着いて接するためには
人的援助は欠かせません。

1人1人の親が
ゆとりをもって子どもと向き合ってほしい。

本当にそう思います。
もちろん、自分もそれができる親でありたいと思っています。

「人がいない。お金がない。」中で、子どもとどう向き合っていくのか。

人がいない、お金がない中で子どもと接していくためには、
やっぱり、作戦が必要になってきます。

今やっていることを
見直して、いらない行動を減らしていく。

例えば、家庭の中で言えば
・水やり、草抜きに時間がかかるなら、植物を減らし、防草シートを張る。
・片付けに時間がかかるなら、モノを減らす。
・洗濯物が大変なら、バスタオルをやめる。
・子どもの宿題チェックが大変なら、プラスαの課題はタブレットドリルにする。
・自分の時間が欲しいなら、子どもが自分でできるものは自分でさせる仕組みを作っていく。(ご飯を炊く、上履きを洗う、洗濯物をまわすなど)

などなど。

子どもと向き合う時間を取り、
子どもの環境をプラスに代えていく。

国に期待してもダメです。
自分にできることをしていくしかありません。

夏休み、少し時間に余裕ができたなら、
子どもと生活を見直してみるのも大切かもしれません。

特に、

子どもが自分でできるものは自分でさせる仕組みを作っていく。

これは、長期休みにできることではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?