【本紹介】『ポイズンドーター・ホーリーマザー/湊かなえ』考察
こんにちは 心陽菜紫です。
いつも長文な記事ばかり書いているのでたまには短めで、と思い短編集の紹介をします。
今回は、湊かなえさんの『ポイズンドーター・ホーリーマザー』という短編集から『マイディアレスト』『ベストフレンド』という二つの小説を読んだ感想と考察について書いていきたいと思います。
この本を読むと、あなたの隠れた嫉妬心をむき出しにされるはず。
(感想を含め個人の解釈です)
ポイズンドーター・ホーリーマザー/湊かなえ
あらすじ
『マイディアレスト』
親が厳しく、男性との交際を許されてこなかった姉が語り部。同じ家で育った妹は親に甘やかされ、普通に結婚し妊娠している。そんな姉の唯一の癒しはスカーレットと名付けた猫。妹や親を恨みながらも、スカーレットと自分の分身のようにかわいがり生活していくが…
『ベストフレンド』
脚本家を目指す涼花と薫子。涼香が優秀賞を薫子が最優秀賞を受賞した脚本賞授賞式で出会う。「薫子がいなければ選ばれていたのは私」と涼花に妬みを募らせる薫子は…
感想・考察
(ネタばれあります。既読の方や、ネタをばらされてもかまわないよという方のみ読み進めてください。)
『マイディアレスト』
「蚤取りをしていました。」というセリフが作者っぽさが出ていて面白かった。
湊かなえさんが描く物語の中で、どんでん返しと同様に大好きなのが、家族、とくに母や姉妹といった女性たちの間の話である。どこか共感できる点があるからだろうか。
今回のお話のように、自分の家庭環境とはかけ離れている話だった場合も兄弟に嫉妬する気持ちや、ほかの兄弟に対する親の態度に敏感になってしまう気持ち、自分の恋愛に口を出されたときのムッとする気持ちなんかは共感し得る。
『ベストフレンド』
これは別人のコメントだったっていうオチだろうなと分かって読んでいたが、成功者に嫉妬する気持ちが分かりみが深すぎて、脳内では完全に涼花がつぶやいている映像が再生された。
文書のやり取りで話が見えてくるところが、宿野かほるさん作品『ルビンの壺が割れた』に似ていると思った。
ライバル≒親友かあ。私もそういう広い心が持てるといいのだが。
以上、『ポイズンドーター・ホーリーマザー』より『マイディアレスト』『ベストフレンド』の感想と考察でした!
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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また気が向いたら読みに来てください('ω')ノ
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