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私の便利帳

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私が影響を受けた、クリエイターさんのノートを、集めたマガジンです。どれも大切なのでまとめておきたくて作成しました。
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2019年2月の記事一覧

これは遠い国の話、他人事だろうか――高福祉社会スウェーデンの知られざる現実とは。『地下道の少女』訳者あとがき(ヘレンハルメ美穂)

(画像はAmazonにリンクしています)  凍てつく冬のストックホルム。街の喧騒の中にひっそりとたたずむ教会を、謎めいた少女が訪れる。髪は乱れ、顔は汚れの層に覆われていて、強烈なにおいを放っている。長椅子に腰を下ろしたままじっと動かず、話しかけても反応しない。  時をさかのぼること約50時間。エーヴェルト・グレーンス警部の机の上には、進行中の捜査32件の資料が積んである。そこに飛びこんできた、33件目と34件目。外国人の子どもが43人、バスで連れてこられ、警察本部の目と

「こんまりメソッド」をあきらめ「菅田将暉メソッド」を思いついた話

いまつくっている本が難産だ。平日は起きているむすめとほとんど会えていない。カリカリ梅と源氏パイとコーヒーで空腹をごまかす。そんな状況なので、よくわからないアホなことを思いついたりする。 客観的に見て明らかにキモいけれど、しかし案外筋のいいことをやったのでは……と自分を評価したいアイデアが浮かんだので、noteに残しておこうと思う。 ◆   ◆   ◆ われらがバトンズのオフィスは、基本的に散らかっている。モノが多い——というか、どこに仕舞うか決められていない「住所不定」

SNSで死なないで

中学生がヒッチハイクでアメリカ横断を試みて、ツイッター上でちょっとした騒ぎになっていた。ふつうに常識があればありえないほど危険な話だし、そもそも本人のツイッターやInstagramの投稿を遡るとまるで勇気と無謀を履き違えていて、どうしてこんな歪んだ認識をするに至ってしまったのか…とうろたえてしまう。 彼が正しいとか間違っているとか、それは一旦置いておいて(彼がしていることは間違っていると思うのだけれど、どれだけのリスクがあることなのか正常に判断できるだけの経験や知識が中学生

元ホストだけど、意外とサクッとエンジニアになれた話

技術の話では無い皆さんがこの記事を開いた動機は一体何でしょうか? ◆ホスト業ってどんな感じの仕事なの? ◆ホストってアホなイメージがあるんだけど、ホストがエンジニアになれるなら俺も簡単にいけそうじゃない? ◆そんなアホが、どういうアプローチでエンジニアになったの? そんなところでしょうか? 安心してください、それらには全て答えます。 これからIT業界に飛び込もうとしている方々の参考になったらいいなぁと思っていますし、プログラミング学習の入り口とかも多少タメになるかと考えて

「どんな仕事」をするかより、「どう仕事」をするか。

会社員を辞めて、5か月が過ぎました。 ここ数日、ようやく「働くこと」という言葉の周りにあった霧が、少しずつ晴れてきたような気がしたので、その過程を残しておこうと思います。 わたしはTwitterの肩書きに「ゆるフリーランス」なんて書いてあるけれど、人がイメージする、いわゆる「フリーランス」とはちょっと違う感じで生きています。 そもそも、フリーランスと名乗っているのは、ただ単純に「一つの企業に属して安定してお給料をいただいている状態ではない」という”記号”として分かりやすい

貧乏家庭で育った僕は、大人になって裕福な人間になれたのかもしれない。

ずっとずっと、裕福な家庭環境に憧れていた。 最新のサッカーシューズを諦め、型落ちしたセール品を与えられる度に、貧乏な家庭に生まれたことを呪った。 PlayStationが進化する度に、貧乏な家庭に生まれたことを呪った。 家族での旅行や、流行りの洋服、新品の真っ白い体操着やYシャツ。僕の倍のスピードで変わっていく友達のナイキのスニーカー。与えられるお小遣いの金額。 目に映るすべてを自分と比較した。 貧乏な家庭に生まれてしまったことを一生呪い続けるだろうと、ずっとずっと

毎日、何かになれなかった

「あの頃の私は“何者か”になりたかった」 「“何者か”になったって、特別な存在になれるわけではない」 ーーこの手の読み物は、ここ数年で結構、目にしてきたと思う。何者かになることに対して、人々は一喜一憂し、すっかり疲弊した。 私もかつて、何者かになりたかった。肩書きを持っている人は強そうだ。とりわけ、聞いたこともない珍しい肩書きを持っている人は目に留まる。何者かを語れると、なんだか一丁前の人間に見える。何者かであると、それだけで存在感がぐんと増す。 でも、それは幻想だと知っ

こえ:「キャッチコピーはつけない」大学四年Uさんのばあい

Uさんは大学四年生、すでに一社から内定をもらっている。「就活は楽しかった」と話すUさん。就活をほとんど終えた彼が、コピーライターを志望した理由、いま就活や仕事について考えること。かつての挫折と、そこから呼び戻してくれたもの。 で、入ったことないビルとか入って、なんかこう、まったく見たことがない世界があるもんだなあみたいなのを知れたのも就活かなあ。 正直ビジネスってあんまりこう、あいまいさを大切にしないじゃないですか。好きじゃないなって、思っては、いましたけど、まあ

ぜったい失敗する! 死なないための就活マニュアル ver.1.1

★この記事は、2018年6月1日にはてなブログに公開した記事に加筆・レイアウト修正などを加えて再度公開したものです。 はじめに就活生のみなさん、こんにちは。ちょうしはどうですか。 20卒のみなさんはもうすぐ正式に選考解禁ですね。でも、まわりがもう就活を始めていて焦ったり、すでに情報戦みたいになってくたびれたりしているかもしれない。21卒のみなさんは経団連のルールが廃止になるとかで、なにがなんだか落ち着かないかもしれない。既卒や第二新卒のみなさんは、一度レールを外れてしまっ

こえ:「がんばりの不感症」大学四年Kさんのばあい

Kさんは大学四年生。就活も終わりに差し掛かった時期、周りの友人にはつぎつぎ内定が出ていくのに、自分だけなんとなくうまくいかない。好きなことはあるけれど、それが仕事にどう結びつくのかわからない。やっているはずなのに、いつも自分ががんばっていると思えない…… 「自分に結構期待しすぎてしまうところがあって、自分はもっとできると思ってたところができなくて、きついな、みたいな。きついなーって、思いました。就活する意味ってなんだろう?」 「でも、みんな嘘つくじゃないですか、就

『子どもが幸せになることば』という逆張りの育児書

『子どもが幸せになることば』という本を作った。 この本を作った動機が、大きく2つある。 ①子育てが「課題解決」であってほしくない ②子どもに自立してほしいけど死ぬほどかわいがりたい ①子育てが「課題解決」であってほしくないまず、紀伊國屋新宿本店6Fの子育て本コーナー(1/30現在)を見てほしい。 ビジネス書の編集者として、3歳の娘を持つ親として、自分はこの棚の前に立って、「うっ」と息が詰まった。 「世界最高」「IQが高まる」「賢くなる」 「非認知能力を高める」

「たまたま残念な支援者にあたりました」を無くすための仕組み

まだちゃんと言葉になっていないしまとまってないけれど書いてみる。 最近思っているのは、やはり対人支援職として必要な「資質」はあるということ。支援技術は身に付けることができるけれど、資質はなかなか難しい。例えば、目の前のその人に関心を持ち続けることができること。自分の正解を押し付けるのではなく、その人にとっての正解を模索し続けることそのものを楽しいと思えること。支配的になる自分に気がついた時に絶望せずに変化し続けられること。こういったことは教えよう、学ぼう、と思ってもなかなか