NPO法人ライフリンク

NPO法人 自殺対策支援センター ライフリンク です。2004年10月に設立されました…

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NPO法人 自殺対策支援センター ライフリンク です。2004年10月に設立されました。自殺対策を「生きる支援」ととらえ、自殺のない「生き心地の良い社会」を実現するために活動しています。

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  • ライフリンクが選ぶ「きょう心にしみた言葉」

    ライフリンクのスタッフが出会った素敵な言葉を紹介します。言葉は、心を元気にしてくれます。

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  • ライフリンクの仕事・採用情報

    ライフリンクで働く人たちが、どんなバックグラウンドを持って、どんな思いで働いているのか、また採用に関する情報もお届けしていきます。

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    私たちライフリンクが活動を始めたのは、2004年10月のことでした。自殺対策を「生きる支援」と捉え、自殺のない「生き心地の良い社会」を実現するために、強い決意のもとに行った船出でした。日々、新しい課題や難題に直面し、悩み、考え、格闘をしています。これらを乗り越えていくためには、みなさんのご理解が何よりも必要です。ライフリンクの歩んできた道を、そして今の姿を知ってもらい、将来の夢を分かち合えることを願って、「ライフリンク・ヒストリー」を綴ります。

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自殺問題・自殺対策、2024年の現在地 | NPO法人ライフリンク 清水康之

2024年のいま、日本の自殺問題は依然として深刻な状況にあります。そうした中で、自殺対策はこれまで以上に「試される状況」にあると思っています。 いきなりですが、一つ質問をさせてください。2023年12月、その1ヶ月の間に何人の人が自殺で亡くなったか、ご存知でしょうか。少しだけ時間を使って、想像してみてください。 ご覧のとおり、2023年12月の1ヶ月だけで、1548人(暫定値)もの人が自殺で亡くなっています。平均すれば1日に、実に50人近くの人が亡くなっている。こうした非

    • きょう心にしみた言葉・2024年9月18日

      「対談集 あなたが子どもだったころ」(中公文庫) は、臨床心理学、ユング心理学の第一人者の河合隼雄さんが、各界の著名人16人との対談をまとめた本です。河合隼雄さんを含め多くの人がすでに亡くなっていますが、対談の内容は驚くほど赤裸々で生き生きとしています。 冒頭の言葉は、高名な哲学者で大衆文化にも通じ政治運動家としても活躍した鶴見俊輔さんが語ったものです。この河合隼雄さんと鶴見俊輔との対談については、この本のあとがきで、作家の小川洋子さんが見事な解説をしています。引用します。

      • きょう心にしみた言葉・2024年9月11日

        タレントとして、歌手、女優、声優として、多方面で活躍する中川翔子さんの著書「死ぬんじゃねーぞ  いじめられている君はゼッタイ悪くない !!」(文藝春秋)から紹介しました。 中川翔子さんは中学校に進学してすぐにいじめに遭います。当時はプリクラの全盛時代でしたが、中川翔子さんはプリクラ帳を持っていませんでした。隣の席になった「大人っぽい子」から「プリクラ帳見せて」と話しかけられ、「持っていないの」と答えると「あした絶対に持ってきてね」と言われました。中川翔子さんはあわててプリク

        • ライフリンク・メディア報道・「かくれてしまえばいいのです」⑧

          2024年9月2日午後6時放送のNHKラジオの番組「シリーズ 若者が生きやすい社会① 苦しむ若者の現状と声をどう拾い上げるか【Nらじ】特集」に清水康之代表が出演しました。番組では「かくれてしまえばいいのです」の内容が紹介され、絵本作家ヨシタケシンスケさんがつくり上げた空間について「絵本の中に迷い込んだような世界観」と表現されました。清水康之代表は、まず子どもの自殺の深刻な状況を説明しました。続いて「かくれてしまえばいいのです」を構想した背景について、「自殺以外の選択肢があるよ

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        自殺問題・自殺対策、2024年の現在地 | NPO法人ライフリンク 清水康之

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          ライフリンク・メディア報道・かくれてしまえばいいのです⑦

          TBSラジオで、絵本作家ヨシタケシンスケさんに荻上チキさんがインタビューする番組が放送されました。ヨシタケシンスケさんが「かくれてしまえばいいのです」を制作した際の思いを語っています。その内容が、2024年8月26日にヤフーニュース・VOICE で発信されました。 朝日新聞の2024年8月25日・26日朝刊に、ヨシタケシンスケさんのインタビュー記事が掲載されました。前編・後編からなるロングインタビューです。 2024年8月23日の日本テレビ「news zero」で、ヨシタ

          ライフリンク・メディア報道・かくれてしまえばいいのです⑦

          こどもの自殺リスクが高まる「9月」に大人ができること

          近年、増加傾向にある「こどもの自殺」は、2024年も依然として厳しい状況が続いています。 今年1月から6月までに自殺で亡くなったこども(小中高校生)は229人(暫定値)。2023年の同時期までと比べると5人多く、減少の歯止めがかかっておらず、むしろ増えていることから、今年、過去最多を更新しかねないと懸念されています。 1年間で自殺で亡くなったこどもの数がこれまでで最も多かったのは、2022年の514人です。2023年も同水準の513人と、直近2年で1000人を超えるこども

          こどもの自殺リスクが高まる「9月」に大人ができること

          きょう心にしみた言葉・2024年8月21日

          2010年から2020年まで東京都世田谷区立桜丘中学校で校長を務めた西郷孝彦さんの著書「校則をなくした中学校 たったひとつの校長ルール」から紹介しました。桜丘中学校は、まさに「奇跡」のような学校です。著書の冒頭から引用します。「桜丘中学校には、校則がありません。定期テストもなければ、宿題もありません。チャイムも鳴らなければ、教員が生徒に強い口調で叱ることもありません」「服装も自由、髪型も自由、おまけに授業中の昼寝も、廊下での勉強も自由。みんな自由に意見を言い合い、その議論で学

          きょう心にしみた言葉・2024年8月21日

          きょう心にしみた言葉・2024年8月15日

          いじめの研究の第一人者とも言われる明治大学文学部准教授、内藤朝雄さんの著書「いじめの構造 なぜ人が怪物になるのか」から紹介しました。 残念ながら学校現場からいじめはなくなりません。壮絶ないじめと学校の隠蔽や責任逃れが明らかになった「大津いじめ自殺事件」を機に2013年、いじめ防止対策推進法が施行されました。それでも悲劇は起き続けています。 なぜなのでしょうか。 この本は大津いじめ自殺事件が起きる前の2009年に出版されました。しかし、この本で指摘されたいじめの背景や原因は、今

          きょう心にしみた言葉・2024年8月15日

          きょう心にしみた言葉・2024年8月7日

          社会や教育、文化の鋭い分析、批評で知られ、テレビのコメンテーターやラジオのパーソナリティとしても活躍する荻上チキさんの著書「ネットいじめ」から紹介しました。「ネットいじめ」が顕在化してきたのは2007年頃と言われています。荻上チキさんの著書「ネットいじめ」は2008年に出版されました。まだ、ツイッターやフェイブックは広く普及しておらず、LINEやティックトックはその姿すら見せていない時期ですが、ネット社会がもたらした子どもへの悪影響を見事に言い当てており、今読み返しても示唆に

          きょう心にしみた言葉・2024年8月7日

          きょう心にしみた言葉・2024年8月1日

          外科医にして「ニューヨーカー」誌のライターであるアトゥール・ガワンデさんの著書「死すべき定め 死にゆく人に何ができるか」から紹介しました。人生の終盤をよりよく生きようとまさに精魂を尽くした人々のエピソードが、医師、ジャーナリスト、息子、そして人間自身の視点から綴られています。終末期の患者たちが問いかけるものは、私たちの人生そのものへの問いかけです。「豊かに死ぬ」ことは、今ある生を豊かにすることにつながっています。 日経新聞の書評です。 「今日の介護施設で老いていく高齢者とそ

          きょう心にしみた言葉・2024年8月1日

          きょう心にしみた言葉・2024年7月24日

          イラストレーターの益田ミリさんのイラストエッセー「今日の人生」シリーズから紹介しました。「今日の人生」シリーズは、ミシマ社のウェブ媒体「みんなのミシマガジン」での連載を書籍化したものです。 益田ミリさんの作品は、日々の暮らしのさりげない場面の中にこそ、生きる力を育む大切なものがたくさんあると教えてくれます。 新聞の書評でも取り上げられています。 朝日新聞は「日々の暮らしの中で『くすり』と笑った出来事や、他人の言動で落ち込んだときの気持ち、小さな幸せをほっこり感じたこと。毎

          きょう心にしみた言葉・2024年7月24日

          ライフリンク・メディア報道・「かくれてしまえばいいのです」⑥

          6月13日の朝日新聞デジタルに「かくれてしまえばいいのです」が紹介されました。 「4月のオープンから3カ月間で700万アクセスを超えた。子どもや若者が、自分の分身「アバター」をつくり、しんどい気持ちをやり過ごす「隠れ家」への高いニーズは、若い世代の今を映す。ライフリンクが、絵本作家のヨシタケシンスケさんと協力してつくった。無料で、個人の情報登録も不要。URL(https://kakurega.lifelink.or.jp/)にアクセスしてすぐ使える」としたうえで、「かくれてし

          ライフリンク・メディア報道・「かくれてしまえばいいのです」⑥

          きょう心にしみた言葉・2024年7月17日

          フランス文学者であり思想家であり武道家でもある内田樹さんの著書「生きづらさについて考える」から紹介しました。 大学で長く教えている内田樹さんは「いまの若者たちはほんとうに厳しく、生きづらい時代を生きていると思います」と指摘します。すでにひびの入った「金魚鉢」のような狭い世界のルールに縛られ、窒息しそうになっていると憂慮しているのです。 学生たちがよく使う「コミュ障」という言葉にも警鐘を鳴らします。全面的な同意と共感を誇示することが「コミュニケーションの成立」と思い込んでいると

          きょう心にしみた言葉・2024年7月17日

          きょう心にしみた言葉・2024年7月10日

          「Humankind 希望の歴史 人類が善き未来をつくるための18章」は、「人間の本質は善である」と繰り返し提起し、オランダをはじめ他の世界46カ国でベストセラーになりました。著者のルトガー・ブレグマンさんはオランダ出身の歴史家でありジャーナリストです。世界を見る時、圧倒的に多くの人が「性悪説」をとっていると思われます。この本はそうした風潮に敢然と反旗を翻し「性善説」を説得力をもって展開しています。イースター島文明の環境破壊による崩壊説、ネアンデルタール人のホモ・サピエンスに

          きょう心にしみた言葉・2024年7月10日

          ライフリンク・メディア報道・毎日フォーラム・2023年夏秋冬・2024年春夏号

          毎日新聞社が発行する季刊誌「毎日フォーラム」に、ライフリンクの特集記事が掲載されています。2023年の夏号、秋号、冬号、2024年の春号、夏号とこれまで5回にわたって掲載されました。その内容を紹介します。 2023年夏号は、ライフリンクが進める自治体連携事業を取り上げています。自治体との連携事業は、ライフリンクのSNS・電話の相談窓口(#いのちSOS)に相談から寄せられた時から動き出します。相談者の思いを受け止めたうえで、やりとりを重ね、継続支援が必要と判断した場合は、「つ

          ライフリンク・メディア報道・毎日フォーラム・2023年夏秋冬・2024年春夏号

          きょう心にしみた言葉・2024年7月3日

          筋萎縮性側索硬化(ALS)と診断された、アマチュアの神戸市民交響楽団に所属する35歳男性の言葉です。 男性は音楽とともに生きてきました。中学では吹奏楽部、妻とは大学のときオーケストラ部で出会いました。会社員になってからもアマチュアオーケストラで活動を続けてきました。 男性が体に違和感を感じたのは3年前のことです。手や指の筋肉が動かしにくくなったり、足が震えて歩きづらくなったりと、症状は少しずつ進行しました。 男性には3歳と6歳の子どもがいます。子どもが投げたボールを、以前のよ

          きょう心にしみた言葉・2024年7月3日