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ライフリンク・メディア報道・かくれてしまえばいいのです⑦

TBSラジオで、絵本作家ヨシタケシンスケさんに荻上チキさんがインタビューする番組が放送されました。ヨシタケシンスケさんが「かくれてしまえばいいのです」を制作した際の思いを語っています。その内容が、2024年8月26日にヤフーニュース・VOICE で発信されました。

僕自身が人に助けを求めるのが下手な人間なので、「相談をしてもいいんだろうか」と思ってしまう気持ちがあるんじゃないかと思ったんですよね。そんな人たちも気軽に訪れることができて、勝手に入って勝手に出ていくことができる場所がいいんじゃないかと考えました。 この世にいることが難しいと思ってしまった人たちは、「じゃあ、あの世に行けばいいんだ」と死を選んでしまうことがあります。でも、あの世に行っちゃうと戻ってこられないですよね。この世とあの世の他に、“その世”みたいなもう一つの世界があったら、そこに避難して隠れればいい。ほとぼりが冷めたらまた戻ってくることにして、なんとか「この世から消えてしまいたい」という気持ちをしのげないだろうか、と考えました。それで「かくれが」と呼んでいます。


朝日新聞の2024年8月25日・26日朝刊に、ヨシタケシンスケさんのインタビュー記事が掲載されました。前編・後編からなるロングインタビューです。

症状に悩んでいた昨夏、自殺対策支援のNPO法人「ライフリンク」から、SOSを出せない子どもや若者の居場所をウェブ上に作るのに、力を貸してほしいと言われました。えっ、このタイミング、と戸惑いました。
相談電話やラインは常にパンク状態で、4割しかつなげられていない。残り6割の待っている人やSOSを出せない人の居場所をつくりたいというお話でした。
正直に自分の現状を伝えて、サポートを受けながら、引き受けることにしました。実は極めて不純な、「専門家とつながって、いざというときは信頼できる病院を紹介してもらおう」という理由もありました。打算のようで、それは健全だと思います。「救ってあげたい」という気持ちからではなく、「自分事」として関わることで、完成度の高い言葉やコンセプトをつむげたと思います。
メッセージは、「かくれてしまえばいいのです」にしました。


2024年8月23日日本テレビ「news zero」で、ヨシタケシンスケさんのインタビューと「かくれてしまえばいいのです」が紹介されました。また、8月27日の日本テレビ「news every.」でも特集が放送されました。清水康之代表も発言しています。

ヨシタケシンスケさん
「自分がだめになる理由がなにもないんだけれども、なぜかすごく気持ちが沈んでしまう時がある。助けてほしいけど助けてくださいって言えないタイプなんです、僕が」
「今回のウェブの空間っていうのは、一対一じゃなくて、無料で24時間いつでも入れて、いつでも出て行けるっていうところが、すごく怖がりの人に向いているというか、人に助けを求めるのって怖いよね、難しいよねということを共有できるだけでも随分違うんじゃないかなって」

3月に開設されたこのサイトには、これまでにおよそ1000万回アクセスされたといいます。
警察庁によると、2022年の日本の小中高生の自殺者数は過去最多の514人。

サイトを発案したライフリンクの清水康之代表
「夏休み明けの時期を迎えるので、子どもの自殺のリスクが高まりかねない。周りの話を聞いてくれそうな人にぜひ打ち明けてもらえたらと思う。まずは『かくれてしまえばいいのです』に駆け込んで来てもらえたら」


2024年8月23日朝日小学生新聞・朝日中高生新聞で、「かくれてしまえばいいのです」が紹介されました。清水康之代表の話も詳しく報じられています。

3月に公開し、8月16日までのアクセス数は940万をこえました。「今朝もここで気持ちを整えて、これから一日過ごしてみる。ここがあって良かった」「何度も死のうと思ったが、このかくれがに入ってから心が少し落ち着いた」という声が届いているといいます。
「かくれてしまえばいいのです」を開設した背景にあるのは、自ら命を絶つ人が多いこと。厚生労働省によると、2022年に自殺した小中高生は過去最多の514人でした。23年も513人と、20年に400人をこえてから、高い水準が続きます。
04年にできたライフリンクはSNS相談「生きづらびっと」や電話相談「#いのちSOS」などで、子どもや若い人のなやみを受け付けています。自治体といっしょに、子どもたちの自殺対策にも取り組んできました。
しかし、「相談窓口がパンク状態。そもそも相談したくないと思っている子どもたちもいます」と清水さん。そうした子たちの支援はかんたんではありません。それでも居場所を作る必要があるという思いから「かくれてしまえばいいのです」を作りました。
反響に手ごたえを感じる一方で、「こういう場を必要としている子どもや若い人が大勢いると知り、改めて状況の深刻さを体感した」と清水さんは話しています。


武見敬三厚生労働大臣は2024年7月26日、ライフリンクを視察し、「かくれてしまえばいいのです」に入室して、「たけみ」のアバターでウェブ空間の中を散策しました。その様子が、福祉新聞に紹介されました。


「かくれてしまえばいいのです」の報道をこれからも随時紹介していきます。

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