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効果を最大化する人材開発および研修設計ノウハウ4つ

ぼくは2006年に社会に出てからほとんどの時間を人材開発に費やしてきた。ライフワークと言ってもいい。今は現場に出ることは少なくなったが、営業およびコンサルタントとして仕事をしてきた。社内、社外問わず人材開発、研修設計・実施をしている。

人材開発や研修といえば、効果測定が難しいと言われている。クライアントが研修を受けたら具体的にどうなるのか、よく聞かれる。回答は、人材開発や研修は変数が多すぎて、正直、効果測定は難しいと答えざるを得ない。でも、限りなく人材開発効果、研修効果だと示すこともできなくはない。この記事では、現時点でぼくが考える、もっとも効果のよい人材開発および研修設計のポイントを書いていきたい。

先にポイントを伝えておく。①行動の変化に焦点を当てる、②インプットは反転で実施する、③フォローアップを必ず行う、④1on1で支援する、の4つだ。具体的に確認していこう。

①行動の変化に焦点を当てる

研修の目標は、新たに始めるべき、あるいは増やすべき行動が増えたかどうかのみに的を絞ろう。マインドや思考力など、扱う領域はさまざまあれど行動がもっとも効果を出しやすいし、測定しやすい。

効果測定は自己評価のみならず多面評価を取り入れるとよい。上司や同僚、後輩から見て目標としていた行動をとったのかどうか評価してもらおう。

②インプットは反転で実施する

焦点を行動の変化に絞ったからと言ってインプットが不要な訳ではない。頭でわかっていても行動には移せないということが往々にしてあるからだ。というよりも、人材開発や研修設計の腕の見せ所は、わかっていてもできないをいかにできるようにするかであると言ってもよいかもしれない。

さて、話を戻そう。インプットは必ずe-Learningおよび書籍などから行おう。情報提供のために研修講師をたてて、プレゼンやその話を聞くために受講者を集う時間は削減しなければならない。その時間も立派なコストだからだ。必ず講師の情報提供は動画化すること。その動画を事前に研修前に見にきてもらおう。

③フォローアップを必ず行う

一度のインプットや新しい行動発揮で、再現性のある変化をもたらすことはほぼ不可能だ。何度か訓練して、トライ&エラーを繰り返す必要がある。

ぼくが所属している組織でも、一度で大きな変化を起こせる人は存在せず、トライ&エラーを繰り返しながら新しい行動が定着することがわかっている。一度きりの人材開発や研修で満足してしまわないこと。少なくとも3ヶ月、半年はフォローアップを続けよう。

④1on1で支援する

それではフォローアップはのように行えばよいだろうか。ぼくは研修という形よりは1on1の支援をお勧めしている。

フォロー研修も意味がない訳ではないが、一人ひとりのフォローはやはり手薄になる。そして、多くの場合、研修担当者が情報提供したり、自分で考えても解決できない課題を抱えていることも多い。

2週間に一度は優秀なコーチやカウンセラーに話を聞いてもらいながら、行動変容を促すとよい。効果的な質問を通して、本人に考えさせ、絡み合った悩みの糸をひとつひとつ解きほぐしていくことが肝要だ。

最後に

「計測できないものはマネジメントできない」との言葉は、ピーター・ドラッカーの言葉である。この言葉に照らせば、人材開発は効果測定しにくいという意味で、マネジメントしづらい。以前にも、ぼくは組織開発を例にそのことをエッセイにまとめてきた。

とはいえ、経営は人である、という有名な格言もある。松下幸之助の言葉である。ぼくは、この言葉を信じて、これからも人材開発に、研修に、人に関わっていきたいと思う。

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