体験を共有して、物語を育ててゆく
すべては“豊かさ”へと通じる
野沢温泉村の森にあるオーガニックファームを舞台に、食とエネルギーを学ぶ自給自足キャンプを体験する。山、森、畑、温泉、旅館、食、それらを巡る水。自然の摂理に従った循環型のライフスタイルを体験することで、いのちの輝きを感じとることができる。自然はまた、人と人の距離をぐっと縮めてくれる。ここでの出会いとコミュニケーションが、かけがえのない価値へと洗練されてゆく。それがLIFE FARMING CAMP。
CRAZY WEDDING創設者であり、テル&レジデンスブランド「SANU」のCreative Board、神山まるごと高専のクリエイティブディレクターの山川咲さんがLIFE FARMING CAMPの魅力を語った。
与えられるのではなく、自分で辿り着く
「二泊三日で、こんなにも野沢に入り込めるんだ」
今回、LIFE FARMING CAMPを体験するにあたり、実はもう少し普通のものをイメージしていました。村を訪れ、楽しいところを教えてもらって……というような。
ところが予想外に「野沢の内側に入っていく」という感覚を体験できた。それが“もてなされている”のではなく、地元の人と一緒に“野沢のもっと深いところを探検する”という印象で。ツアーでもなく、居住でもなく、短い期間に凝縮された不思議な体験でした。
「与えられる楽しさ」というのは、みんな既に高いレベルで経験していると思います。この場所ではそうではなく、“野沢”という魅力的な世界観の中で、手や足を動かして、自分でそこへ辿り着く。その感覚は、逆にリッチだと思いました。
ごはんがいい。自分で採って楽しむから、こんなにもおいしい。案内されると「え?ここって代々木上原?」と思うような。代々木上原のお店のラインナップに、日本最高峰のスキー場が隣接されていて、他にも見るものがたくさんある。参加する人がとにかく楽しめることが
参加する人たちと二泊三日一緒に過ごすって、結構大きなイベントですよね。あの場所で初めて会った人たちと、先日京都で一緒に遊びました。普通だったらこれほど親しくならないかもしれません。おもしろくて、尖っている人たちと、非日常の三日間を過ごして仲良くなる。その出会いは超楽しい。
この場所で生まれる物語
一つひとつの体験、出会い、交わされるやりとりから物語は育まれてゆく。偶発的な産物もあれば、主体的なこころの動きによって加速する一面もある。語り合い、笑い合い、思い出を共有してゆく。凝縮された時間を共に過ごす。わたしと自然、わたしとあなた、わたしとわたし。そこで紡がれてゆく物語は、かけがえのないものであり、こよなく愛おしい。この場所で生まれた感情、思考、そして物語は、それぞれの人生に大きな価値をもたらしてくれる。山川さんのことばはそのことを教えてくれる。
PROFILE
山川 咲
起業家 / ウェディングプランナー
CRAZY WEDDING創設者。1983年東京生まれ。2012年に業界で不可能と言われた完全オーダーメイドのウェディングブランド「CRAZY WEDDING」 を立ち上げ、数年で「情熱大陸」に出演。2020年にCRAZYを退任し独立。8ヶ月のサバティカル期間を経て、ホテル&レジデンスブランド「SANU」のCreative Boardに、翌年には、神山まるごと高専のクリエイティブディレクターに就任。著書に「幸せをつくるシゴト」