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世界とつながるローカルレース

昨日このnoteにも書いたのだが、9月に開催される平田クリテリウムに「世界選手権トラック2020」の女子オムニアム競技で日本史上初となる金メダルを獲得した梶原悠未選手が参加することが自身のTwitterにより発表された。

この世界選手権での日本人による金メダル獲得は他種目を合わせても33年ぶりということだ。金メダルを獲得したのは2020年2月26日〜3月1日の日程でロックダウンとなる前のドイツ・ベルリンで開催された世界選手権。その後ロックダウンなどを経てその日本人現役世界チャンピオンがここ東海のローカルレースから再始動するということだ。

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その梶原選手が登場する平田クリテリウムは東海地方を代表する自転車ロードレース競技のローカル大会であり「レースは最大の練習なり」をコンセプトに、は自転車競技愛好者の底辺の普及拡大と、より多くの全国レベルの競技者育成を目的に、気軽に参加できる大会として岐阜県自転車競技連盟・普及委員会により毎月一度のペースで一年を通じて開催されている。

参加料が大会のカテゴリーや格を決めるわけではないが、普及促進がコンセプトの大会のため、そのエントリー費も¥2,000(以前は¥1,000)と破格であり、さらに毎月開催されることで、若手からベテランまでが実戦の中での学びの場を提供し、トライ&エラーを繰り返すことで、ここ東海地方の競技者の土台作り、そしてソーシャルネットワークづくりに多大な貢献をしている。そしてその「育む」という土壌に呼応するように、地元岐阜県出身で東京オリンピック出場を決めた男子オムニアム競技でワールドカップ優勝経験、アジアチャンピオンホルダーの橋本英也選手や、このnoteでもお馴染みのNIPPOデルコワンプロバンスに所属しヨーロッパのロードレースシーンで活躍する愛知出身のプロロードレーサーの中根英登選手など、これまで多くの国内のトップ選手が会場にふらりと来て参加するなど、ローカルレースでありながらその先には国内のトップカテゴリーへの扉や、世界の空気を感じることができる。

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そして今回このローカル大会に一般参加者に混ざり、男女混成のカテゴリーでまさかの現役世界チャンピオンである梶原悠未選手が参戦しレースをするということである。

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ここ数年平田クリテリウム開催には必ずBUCYO COFFEEブースとともに、僕自身の姿もそこにあるわけだが、そのようにして大会を支える側として深い関りを持つこの大会に世界チャンピオンが登場する、中根選手もそうであるように、会場にその一人がやってきて存在感を感じるだけで、周囲の人たちがワクワクしたような、ソワソワするような、そんな熱が上がる…ひとをそんな気持ちにさせられることがまさにプロフェッショナルなアスリートの姿だと思う。「レースに参加します」その一言でSNSなどを通じ、自分自身も、そそて周辺も色めきだっていることを思うと、そのアスリートとしての影響力の大きさを改めて再確認している。

こうしたヒーローの登場、そしてその走りを直に感じたキッズや若手たちがどんどん次の世界へ挑戦し、新しい世界へ羽ばたいていく、そんな人が人を育む流れがまたここ平田クリテリムが起点となって繋がっていくことを大会を盛り上げ、支える側、自転車競技を愛してやまない者として願うばかりである。何よりもいまから彼女の走りを見られる、と、そう思うだけでその日が待ち遠しい。

※梶原選手の写真はJCF、筑波大学のweb上にあったものを使わせていただきました。


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