「もしもし下北沢/よしもとばなな」を読んで
こんなタイトル、読書感想文の書き方の本で1番にダメ出しされるやつだ、と思いつつもよいタイトルが思いつくまで気持ちを取っておく余裕がなかったのでこのままで。
有名なお話ですね。
いつ買ったかは覚えていないけれど、本の裏に中古288円の値札が張られていた。買ったときは正直面白くなくて途中でやめてしまった。
私は以前読んだ小説の内容をほとんど忘れてしまう。
まして読みかけだったからなにも覚えていないと思ったけど、「父親が知らない女性と無理心中する」という衝撃的なはじまりは頭のどこかにあったようだ。
なぜ、読めなかった本が読めるようになったのか。心に深く刺さるようになったのか。それは、私が今20歳で主人公と同じ大人と子供の境目にいるからだと思う。20歳ってすごく大人だと思っていたのに、なにも成長してなんかいない。でも大人の称号だけは持っていて、そこに追いつかなければいけないと思ってしまう。
よしもとばななさんの言葉は最高だ。以前も述べたが、私は言葉を愛している。もう一度念のためいうが、よしもとばななさんの言葉は最高に愛おしい。言語化能力が高いのかな。すーっと体にしみこんで、それに体が反応するみたいに涙が出そうになる。泣けるシーンとかじゃなくて、言葉のせいで涙が出そうになる。
よしもとばななさんが息を吹き込んだ登場人物たちももちろん言語化能力が高い。登場人物たちと自分には重ね合わせるところなんてほとんどないのに、嫌になるほど彼女たちの気持ちがわかる。感情移入してしまう。
大人の男女の話も結構多くて、そこは私にはまだわからなかった。経験値ほぼ0の2人で手探りの恋をしているからだと思う。もう少し時間をおいてもう一回読んでみると決めた。
おしまい。
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