見出し画像

今日からアート思考を実践するためには

COMEMO by NIKKEI主催イベント「不確実性の時代にアート思考をどう活かすか」に夫婦で参加しました。

しっかり準備されたイベントであること、またuni’que代表の若宮和男さんのファシリテーションが素晴らしく、対話を通じて「アート思考」の輪郭がはっきりしてきたと実感しました。

イベント参加後、このアート思考を活かす方法はないかと夫婦で議論を続けました。その中で私たちなりの「アート思考」の定義が見えてきました。

1. アート思考とは何か?

私 若宮さんの最後の言葉が心に残っている。「アート思考とはアートのスタンスから学ぶこと。自分の人生を生きているのか?と問うこと。いつも他人つまりターゲットニーズやフレームワークの中で生きていないか?」この問いかけにヒントがある気がする。
妻 アートは新しいQuestionを生み出す、ビジネスは新しいAnswerを生み出すという話もあったけど、アート思考で生み出される答えは自分の中にしかないのだと思う。だから他人にとってQuestionになる。
私 Questionのままではビジネスは進まない。
妻 今日の話の中で、アートにもビジネスにもトレンドが背景にあるという話があったけど、アウトプットされたものの裏にある背景を聞いてみてようやく分かるっていうことはよくあるでしょう? 背景を聞いてもっと好きになるみたいな。だからアート思考においてはQuestionの答えは自分の中にあれば良いということになる。
私 深いところで共感を呼べれば、ファンも増えるしね。人を動かすことにも繋がる。若宮さんのプレゼンにあった「コアとなるユニークさ」x「ターゲットのニーズ」=「コアバリュー」の「コアとなるユニークさ」を徹底的に追及するということだよね。

2. アート思考の実践方法は?

妻 芸術家は普通の人と比較して「集中力」や物事への「没入」が凄まじいと思う。
私 アート思考を実践するということは、芸術家の集中や没入過程を学ぶことなのかもしれない。
妻 葛飾北斎とか。お金に無頓着で、ゴミ屋敷で90歳まで絵を描き続けた。何がそこまで彼を絵に掻き立てるのだろう。
私 彼らが残したアウトプット(絵)ではなく、彼らの原体験や、原体験と創作活動の相関にヒントがありそう。
妻 アート思考は今のトレンドと逆をいくものだと思う。今は他人との共生や共創がトレンドで、コワーキングスペースとかが流行っているけれど、アート思考はその真逆で自分に没入をしていくこと。フレームワークではない。子供の集中力を取り戻す、みたいなところはあると思う。
私 デジタルデトックスなり、週休3日なりとの組み合わせがないと真価が発揮できない。自分が明日から実践するとするなら、7つの習慣にある「重要だけど緊急ではない」ことに優先度を上げて集中する、しかもそれに対して並々ならぬ情熱を注ぐこと、とかかもしれない。
妻 いずれにしても「Why me?」(なぜ自分がやらないといけないのか。自分は何をやりたいのか。)は徹底的に考える必要がある。

3. アート思考の使い時は?

私 とは言え、現実的には無数にやることがある中で、一つのことに集中する時間を捻出するのは厳しい。
妻 今日中西さんが言っていたように、「経営理念を考える」や「新規事業を起こす」みたいなタイミングなんだろうね。注意しないといけないのは、アート思考が「売れているアーティストから学ぶ」みたいな勘違いがあるとかみ合わなくなってくる。
私 アート思考の主体はあくまで自分。自分の中にある初期衝動や熱量と向き合うことだよね。熱量が大きければ、コピーされても負けない。今日までビジネスマンとしての10数年間、確かに他人ばかりを気にして、パーソナルな衝動に真剣に向き合えてこなかった気がする。
妻 まだ答えに行き着かないけれど、そこに気づけただけでも大きいかも。その人、その会社からしか生まれない、ある意味属人的なものは何かを追求していくことなのかな。

まとめ

1. アート思考の主体は自分。問いに対する答えは自分にしか無い。他者はその問い/答えの背景を深く知るときに初めて共感をする。

2. アート思考の実践は、芸術家の集中や没入過程に近いものがある。子供の時分の圧倒的な集中力を、物理的な時間と環境の確保を含めて取り戻すことがまず第一歩。

3. アート思考は使い時がある。はまるタイミングは限定される。

アート思考は、アート思考という言葉をきっかけに、自分自身に向き合うことを是としていくことなのだと思います。今後もこうした議論の場や、いろいろな人との対話を通じて、定義して自分のものにしていきたいと考えています。

最後に。アート思考はさることながら、別の刺激として、ファシリテータの若宮さん、ゲストのメディアアーティストの市原えつこさん、資生堂の中西裕子さん、お三方の地頭の良さに本当に感動しました。次代のリーダーを目の当たりにして明日から頑張ろうと思えるイベントでした。

改めて主催者の皆様は準備から当日の対応まで大変お疲れ様でした。

以下、参考リンク
①【ご意見まとめ】ビジネスにアート/アート思考は役立つか(若宮和雄さん)
②ビジネスには「アート思考」が必要だ(森下寛繁さん)
③ビジネスにおけるアート思考のインストール方法とは(いわあゆさん)
④アート思考の実用化方法(愚筆)


いつも読んでいただいて大変ありがとうございます。