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My Story⑤ ~キャリアロスは突然に~レールから突然降ろされた39歳ママ


夫の海外赴任の打診に、選択を迫られ悩む日々

 正式辞令が出たのではなく、海外転勤について内々に打診されたのは9月頃のことでした。2回目の育休から復帰して半年。ようやく新しい職場にも自分の居場所、役割を見つけ出して、2人の保育園をはしごする生活にも慣れてきた頃だったので、素直に受け入れることはできませんでした。休職制度はないため、家族で帯同するためには勤続17年目のこの会社を退職しなければなりません。都内の厳しい保活戦線の中で認可保育園に入れたのに、時短勤務でもできる限り会社に貢献しようと奮闘していたのに。
 
 実は、1回目の育休中にも、一度海外赴任の打診があったんです。その時は育休中だったし、最大3年育休期間を延ばしてその期間に帯同できると思い、私も前向きでした。国は未決定でしたが、候補に挙がった国は私が旅行でも2度ほど行った大好きな国だったのでテンションが上がり、語学の勉強をしたり、0歳児のパスポートを取得したりと準備を進めていました。でも、その話も二転三転、こっちの国になるかも、と変わったりしながら、最後には結局流れて・・。家族がいない別の社員に決まったそうで。行く気満々になっていただけに、あの時は気持ちを立て直すのが大変でした。いけないのであればすぐに保活をしなければいけない、となって。そのエリアは子どもが多くかなり厳しかったので、慌ただしく引越をして少しでも入園確率が上がるようなエリアで保活をすることに。「人事は水物」だとよく言いますが、散々気持ちをかき乱された経験がありました。

 なので今回も、100%確定じゃない中で、「もし確定になったらどうする?」の仮の決断を迫られました。「あと半年早く打診されていたら、2回目の育休を延長してその期間で帯同できたかもしれないのに、どうして復帰して半年のこのタイミングなの?」そう思ってしまったりも・・。ママとして働くというのは悩むし、大変だというのは1人目の復帰時に嫌というほど感じていたけれど、だからといって「仕事を辞めよう」とは思わなかったから。突然、自分の決断ではないタイミングで、仕事を辞めなければいけないという事実をなかなか受け入れられませんでした。仕事を辞めるということは、いま1歳の次女は保育園には通えなくなり自宅保育しなければいけないという事実も私にはかなり不安要素でした。

長女はランドセルを注文したものの・・・キャンセル


妻だから、女性だから、当然のように仕事を辞めるの?

 同じ会社で、同じ歳の夫婦。でも、夫が転勤となれば、妻という立場の女性が当たり前のように退職して帯同しなければいけない、ということに憤りを感じました。もちろん、女性が活躍している今の時代、逆のパターンだってあるとは思います。でも逆のパターンで夫が仕事を辞めて帯同したとしたら「え?辞めるの?すごいね、えらいね」とかびっくりされるのではないでしょうか。でも、「妻が辞めてついていく」ということは、周りの人もごく自然に納得するのではないでしょうか。日本とはまだまだそういう風潮ということですよね。会社としても、部署は違えど、同じ社員に妻がいるというのも認識していますから、【辞令を出すということ=妻は会社を辞めるということ】この事実は認識していたはずです。それでも打診するということは私という社員が軽んじられている、夫は役職のある立場で、私は育休取得していて平社員ですから、会社にとってみれば夫の方が大事だよな、とか、かなりひどい被害者意識になってしまいました。

 仕事を辞めることになっとくできないのであれば、辞めずに日本に残るというもう一つの選択肢も考えました。でも、1歳と6歳の子どもがいて、両親ともに地方で、親戚も兄妹も都内にはいません。上の子は来年度には小学生にあがり、学童や長期休みなどワーママにはまた別の困難が待っています。その状態で、ワンオペでワーママを続けるのは、正直アラフォーの私には体力的にもきついと思ってしまうし、夫は子ども好きで子どもと遊ぶことがストレス発散になる人なので、私がそれを奪ってしまうこともできないし、と頭の中がぐるぐる回り、眠れない夜が続きました。

 まだ内示も出ていない状態なので周りの友達や同僚に話を聞いてもらうこともできないし、親にもショックを与えるから話せないし、「あなたは新たなチャレンジとしての海外赴任、でもそのために私は17年のキャリアを捨てて専業主婦になるなんて」と、夫に対して責める気持ちも生まれてしまって、本音の部分を相談できず、八方塞がり。誰にもこの気持ちを打ち明けることができず、精神的にもだいぶ落ちてしまっていました。夜な夜なネットで検索して、子連れで住む国としてどうなんだろう、教育は?学校は?日本食は?など生活への不安も多く、寝不足のまま、また2人を保育園に送迎して分刻みの仕事をこなす数か月。身も心もボロボロでした。

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