食事形態の標準化についての考察

Hey Guys!
今日も頭の中で思ったことを言語化していきます。
どうぞお付き合いください。

先日、利用者から
「私は噛む喜びを感じたいので、形のある物を出してくれませんか?」
と要望がありました。
即、お答えして食事形態を一段階あげることにしました。
義歯が合わずに咀嚼力が低下しており、本人の希望を聞き取りし、入所時の情報を元に食事形態を落として提供していましたが入所1週間程たってあのような発言がありました。

さてさて、昨今は
地域包括ケアシステム推進において、食生活及び栄養障害の改善、疾病の再発予防や疾病の予防等、個々人の実情に応じた栄養ケアが求められています。

栄養ケアで重要なのは、
「食べること」「食べてもらうこと」
栄養士が栄養素を設計し、献立を考えても
食べてもらえなければ意味をなさい。
後期高齢化率が全国平均より高い我が県では、いかに高齢者の健康寿命を伸ばすかが重要課題であると考えている。

高齢になれば、咀嚼力や落ちたり、嚥下力が低下する。
徐々に硬い食材を食べなくなり、偏食になった。というケースはよく耳にする。
食事量が減ることで体力も低下、ADLの低下をきたすケースもある。

高齢者施設に入所、デイサービースやデイケアを利用している高齢者では、
嚥下障害を有していなくても、咀嚼力の低下があり食事形態を落としているケースもある。
様々はケースがり、こういった高齢者に対応する食事形態の標準化は必要であると感じていた。

これを言語化し、可視化してくれているのが
日本摂食嚥下リハビリテーション学会から発表されている「嚥下調整食分類2013」である。

これが面白いのは、食事の形状を詳しく記載してあるのだが、
「食べ方」「飲み方」に着目している点である。
このくらいの咀嚼能力があれば、この食事の形状は食べられます。
と教えてくれている。
例えば、

コード1jは
形態:均質で付着性、凝集性、硬さに配慮したゼリー、プリン、ムース状の物
特色:口腔外で既に適切な食塊状となっている
   少量をすくってそのまま丸呑みが可能
   送り込む際に多少意識して口蓋に押し付ける
   0jに比べて表面のざらつきあり
必要な咀嚼能力:若干の食塊保持と送り込み能力
と記載がある。

分かりやすく具体化すると・・・
形態:物性にムラがなく、喉にくっつきにくく、まとまっており、柔らかい
   ゼリーやプリンやムース状の物
特色:食べる前からまとまっている
   口に入れて、送り込みだけで丸呑みができること
   つるっとではなく、多少ざらつきがあってもOK
   タンパク質含有量の多い、少ないは問わない。
必要な咀嚼能力:コクンと弱い力で丸呑みできる力があればOK

といった具合で文章を分かる言葉に落とし込むと非常に分かりやすい。

私たち栄養士の役割は、この食べ方の能力に応じた物性での
メニューの考案、レシピ作り。

嚥下機能が落ちたとしても、食べる喜びは最後まで持ち続けて欲しい。

よし、頑張ろう。



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