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【北米エンタメニュースまとめ】Anime Expoがアニメ新作発表の場に、NFTにリアルイベントは必要か?、映画館運営のCinemarkがディズニーと組んでNFT発行へ

北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。

業界ニュース

アニメ「Spy&Family」はなぜ世界中で愛されるのか?

2022年7月時点で、世界で愛され始めたアニメのひとつが漫画原作の「Spy&Family」です。もちろん日本でも人気ですが、集英社の公式アプリを通じて英語などほかの言語にほぼリアルタイムで翻訳されていたこともあり、アニメ化前から日本語圏以外で人気を集めていました。それがアニメ化で一段とその人気を爆発させたというイメージ。そんな人気の背景に何があるのかをまとめた記事です。

すごく端的にまとまっていて「ジェームズ・ボンドがコメディでハートウォーミングな物語だったら?それがSpy&Family」とのこと。日本の漫画やアニメとしていろいろなジャンルの作品が海外に進出してファンを開拓していますが、周りの人に「これいいよ」と進めるとき、エロやバイオレンス表現が多いもの、ダークファンタジーはどうしても人を選ぶ。「カジュアルに日本のアニメ・漫画を楽しむ」「すそ野を広げる」という点で、Spy&Familyの果たしたものは大きかったのではないでしょうか?


ジャンプ+、2023年以降に全掲載作品を英語に同時翻訳へ

日本でも話題になったジャンプ+主催の「ジャンプのミライ」イベント。驚異的なジャンプ+のデータやこれからの取り組みが発表された中で、海外発信の強化も明らかにされました。「One Piece」の高い海外販売の割合と、これからまだ伸びていくという予測もすごかったですが、これからを考えると、ジャンプ+掲載作品の英語での(できればスペイン語もお願いしたい)同時配信と、海外マンガ家からの投稿策を受けつけるプラットフォームは大きいなと思いました。


Yen Press、Anime Expoで【推しの子】などの翻訳出版計画を公表

北米では7月1~4日の日程でAnime Expoが開催されています。今年は対面開催ということで多くの人が集まりパネルなどが実施されています。一部はオンラインで配信されその様子を楽しむことができます。

毎年、パネルでは北米の出版社などがその後の翻訳計画などを公表します。Yen Pressは「【推しの子】」などを含む複数の漫画の翻訳を明らかにしました。Seven Seasからは「ミステリという勿れ」の翻訳も発表されており、日本の漫画の一段の普及に期待がかかります。

なおAnime Expoを含む北米のアニメコンベンションは完全に日本のアニメ制作会社などの新プロジェクトについてを公表する場として定着したのではないでしょうか。公式アナウンスもですが、ファンの口コミで英語で世界レベルで話題にしてもらうということもあり、英語圏で知名度を確立したアニメ会社含め「第一報は北米のアニメコンベンションで」という事例がどんどん広がっていくのではないかと思います。日本でこの時期に、「アニメファンが一堂に集まっているイベント」がないことも北米のアニメコンベンションでの発表につながっているのではないかと思います。

Viz Media、アニメ「Bleach」の英語吹き替え版の販売を期間限定で実施へ

一度売れて定着したコンテンツは強いーーそんなことを実感させたのがこのニュース。同じくAnime Expoで明らかにされました。Bleachは新作アニメの制作も控えていますので、それまでの物語を知らない/見たことがない人が楽しめるようにという配慮でしょうか。それにしてもデジタルでの「30分のアニメ1話」っていくらが適正価格なのでしょうか?

テクノロジーニュース

NFTにリアルイベントは必要か?

このところ、NFT関連のイベントが相次ぎました。6月はNYCで「NFT.NYC」が開催され世界中からファンと参加者を集めました。日本では「NFT ART TOKYO」が6月末に開催されました。運営の投稿や現場の混雑具合を見ると、想定以上の人が集まったのではないでしょうか?

そもそもすべてがデジタルで完結するNFTを含むWeb3のカルチャーに対面のイベントやパーティーは必要なのか?という疑問もあると思います。それに対しこのコインデスクの記事は「Web3の裏には人間がいることを実感するために対面の集まりは必要」と指摘します。この記事は直接は働き方についてですが、NFTについても同じことがいえると思います。

KPMG、メタバースに3000万ドルを投資 

https://cointelegraph.com/news/kpmg-enters-the-metaverse-invests-30m-in-web3-employee-training

暗号資産やNFT価格が急落する中でも、Web3に対する企業の投資は止まりません。こちらは大手コンサルティングファーム、KPMGによる投資を伝える記事。クライアント企業によるメタバースの活用策を探るのが狙いとのことです。

Avex USA、Web3への投資を拡大

投資の拡大は日本企業も同様です。こちらはエイベックスの米国拠点がWeb3スタートアップ企業に投資するファンドを拡大するという話です。

映画館運営のCinemark、ディズニーと組んでNFT発行へ

映画館運営のCinemarkはディズニーと組んでマーベル・スタジオの映画『ソー:ラブ&サンダー』に関連するNFTを発行すると発表しました。CinemarkのプログラムメンバーはNFTを手に入れるチャンスがあるそうです。会員向けサービスということですが、こういう形でのNFTは広がっていきそうです。

NFTがフェイスブックでローンチ、インスタとのクロスポストも可能へ

Metaグループが攻めています。先日のインスタグラムでのNFTの取り組みに続き、フェイスブックでもクリエイターのタイムラインにNFTの作品を表示できるようにするとのこと。Web3ではMetaを含むWeb2の大手プラットフォーム企業の影響力が低下するといわれている中で、消費者との接点を維持しようとする動きに見えます。

NFTアーティスト、暗号資産の下落の中で発行価格の設定に苦慮

もちろん、NFTのクリエイターにとっていいことだけではありません。足元でNFTの取引量は低下傾向にあるといわれています。NFTは暗号資産建てで発行されることが多いため、暗号資産価格が急落する中でNFTの暗号資産価格建ての価格も下落し、値上がり益を見込む「投資家」の売買が減っているようです。その中で何人かのNFT発行者は、ドル建てでの「価格」を維持するために発行価格を引き上げているといいます。

Cathie Wood、「NFT、DeFi、デジタルウォレットは重要で大きな(投資)機会になる」

というか、そもそもNFTって投資商品としてどうなのか?最近は投資家からもNFT含むWeb3への発言が相次いでおります。もちろんビル・ゲイツ氏のようにNFTに対して「バブル」として否定的な見方もありますが、このCathie Woodのように投資機会を見る人も少なくない。
Cathie Woodはインタビューで、「NFTに関連するようなデジタル資産への権利は、Web3の出現を支え、非常に重要になるだろう」と指摘しています。ただそのときのNFTは何らかのUtilityを備えたもので、今多く取引されているアート作品とは違うものなのかもしれません。

「メタバースによる「現実の再現」とその権利関係」

こうしてメタバースを含むWeb3が徐々に広がっていくと、その法律関係は?と疑問を持つかもしれません。こちらの記事がよくまとまっていました。

今週の注目プロジェクト

サミーやKADOKAWAなど、NFTサービス会社を立ち上げ

なかなか面白い座組で始まったNFTサービスだなと思いました。IPを持つKADOKAWAとフィギュア製造を手掛けるグッドスマイルカンパニーが入っているので、NFT付きのフィギュアとかそもそもフィギュアの代わりになるようなNFTが出てくるのでしょうか。

奈良市写真美術館、NFT美術館を今秋オープンへ

メタバース上には続々と美術館がオープンしていますが地方の美術館によるプロジェクトは珍しいのではないでしょうか。存続が厳しい地方の美術館のアピール策のひとつになるといいなと思います。

DAO型シェアハウスが神楽坂に始動

ニュースを見た直後「この手があったか」と思いました。入居者がNFTを持ち、オーナーとして運営にもかかわる。もちろん運営の監督をどうするのかなど問題もありますが少人数で同じ関心を向いているシェアハウスのメンバーであれば挑戦する価値があると思います。うまく運営が言ってシェアハウスの価値があがれば、NFTの価格上昇を通じてうまくいけば次の入居者に高く譲渡できるとか?妄想は色がります。




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