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人はなんのために働くのか?働く意味がわからない人へ。

人は生きてく中で、「人生とは?」「生きる意味とは?」「働く意味とは?」といったさまざまな事柄について悩む。

その中でも、おそらく誰もが例外なく悩んだことがあるのが「働く意味」についてだろう。精神的に疲れてしまったとき、心に余裕がないときは「自分は何のために働いているのか?」と考えてしまうことがある。私もその一人である。

仕事は人生でもっとも大切であるといっても過言ではなく、私たちは社会人として過ごす時間の大部分を仕事に費やしている。

そうした中で、仕事に対してやりがいを感じていなかったり、働いている意味がわからなくなってしまうと、仕事に嫌気が差して人生そのものが不幸にもなりかねない。

このエッセイでは、人は何のために働くのか? 働く意味とは何なのか? 仕事とやりがいの関係性について深く考えていく。はじめに述べておくが、このエッセイで書かれていることはあくまでも私の仕事観であるため、それがほかの人にとって正解となるわけではない。

そのため、「こういう考え方もあるんだな」といった気楽な気持ちで読み進めてほしい。では、少し長いが最後までお付き合いいただければと思う。


人間が働く意味とは

働く意味については、すべての人が納得できる絶対的に正しい答えがあるわけではなく、考えても考えても答えが出ないこともある。毎日忙しさに追われ、肉体的にも精神的にも疲れ果ててしまったときには、今の仕事を「もう辞めたい」「やってられない」と思うことも多いはずだ。

しかし、「自分はなぜこんなにも頑張って働いているのか?」「なぜこんなに我慢してまで働かなくてはならないのか?」と思ったとしても、多くの人は疑問を抱くだけで答えを見つけようとはしない。

あるいは、答えを探そうとしたがめんどくさくなり、考えるのをやめたことを「答えが見つからない」と言い訳に使っていたりする。そして気づけばいつもの日常へと戻っていく。

だが、少しでも人生を有意義なものにしたいと思っているのであれば、ここで少し立ち止まり、働く意味について考えるのはとても大切なことである。


働くのは生きるため

まず結論から述べると、「働く意味」について何年も悩んだ私がたどり着いた答えは、人が働くのは「お金のためであり、生きるためであり、食べるため」という根も葉もない答えである。

世の中の成功者やお金持ち、書店の棚に綺麗に並べられているビジネス本や自己啓発本の中には、「お金のために仕事をしているわけじゃない」という言葉がよく書かれているのを目にするが、この甘い言葉に騙されてはいけない。

人間が働くのはお金を稼ぐためであり、生きるためであり、食べるため。これが仕事の真理であり、人生の道理である。

働く意味について悩む人の多くは、何かしらの高尚な意味を求めがちだが、現実にそんなものは存在しない。あるのは「お金のために働く」「生きるために働く」「食べるために働く」という、厳然たる事実なのだ。

もちろん、人によっては違う答えを持って働いている人もいるだろうし、気高い仕事観を持って働いている人がいるのも事実である。だが、そうした人たちも「何のために働いてお金を稼いでいるか?」と問われれば、衣食住のために働いてお金を稼いでいると認めざるを得ないだろう。


生きるためにはお金が必要

現代では、「お金のためではなく、やりたいことをやっているだけです」とドヤ顔で述べるインフルエンサーやビジネスマンをSNS上で多く見かける。

しかし、何をやるにしてもやりたいことをやるには必ず「お金」が必要になってくる。そして、やりたいことをやるには、まずは生きていなくちゃならないし、生きるためには食べなくてはならない。

つまり、やりたいことが何なのかはともかく、やりたいことをやるには「生きるため」「食べるため」にお金が必要になり、そして、お金を稼ぐためには働かなくてはならないのが現代社会である。

そのことを前提にして考えると、「働く意味=お金のため」という構図は納得できるだろう。映画にもなった「闇金ウシジマくん」というマンガの中には、主人公のウシジマが「金が全てじゃねぇが、全てに金が必要だ」と言っているシーンがある。

これはまさに働く意味の真理を捉えている言葉だといえるだろう。


すべてに必要なお金を稼ぐために働く

近年、ビットコインなどの暗号通貨(仮想通貨)の需要が世界中で高まっているが、日本では現在「円」以上に価値のあるものは存在しない(普及率と信用性の面では「円」以上に価値のあるものはないという意味)。

日本で何かモノを買ったり、住宅に住んだり、税金を払ったりするためには「円」というお金が必要になり、これは日本国に住んでいる限りは誰もが従わなければならないルールである。

近所の川で拾った石を、どれだけあなたが熱心にその価値を伝え、石で食べ物を買おうとしても、国家が「価値のあるもの」と定めていない以上、その石に価値があったとしてもそれと引き換えにモノを買うことはできない。

何かをするためには必ずお金が必要であり、人は「全てに必要なお金を稼ぐために人は働いている」のである。

しかし、だからといってお金を稼ぐために何もかもを犠牲にしろと言っているわけではない。お金に捉われてしまうのはよくないことだ。

「お金こそがすべて」「お金さえあれば何でもできる」といった思考回路になってしまうと、「お金がなければ何もできない」「お金がないと幸せになれない」という壮大な勘違いを起こしてしまう。

私たちが考えなくちゃならないのは、自分に必要なお金の量である。


お金に捉われて働いてはいけない

よく言われるように、幸せを感じるハードルは上げるよりも下げるほうが圧倒的に難しい。

しかし、自分なりの幸福のハードルを持ち、ハードルを周りよりも低く保っていればお金はそこまで必要ない。それが、結果として働き方の選択肢の多様化をもたらす。

日々の何気ないことに幸せを感じることができれば、高級料理も高級ブランド品も広いリビングも必要ない。幸福のハードルさえ低ければ、自分にとって最低限必要なお金を稼ぐだけですむので、精神的に追い込まれるブラック企業や、やりたくもない仕事を毎日8時間やる必要性もなくなる。

働く意味について悩む人の多くは、仕事への不満と身体的なストレスが大きな原因となっている。それなら、「自分にとって害のある時間を減らすにはどうすればいいか?」を考え、まずは自分の価値観や幸福感について考えるのが大事である。

お金に捉われて働くことは、自分を見失うことにもなりかねない。何のために働いているのかわからない人は、お金は自分の価値観の中でどの位置にあるのか? 自分が求める幸せには「お金」は本当に必要なのか?と自問してみるのがいいだろう。


仕事と働くことのやりがい

続いて、仕事と働くことの「やりがい」について考えてみよう。

働く意味について悩む人は、「今よりやりがいのある仕事がしたい」「人の役に立っている仕事がしたい」と思っている人が多い。毎日毎日同じ仕事の繰り返し、意味があるのかわからない作業、ただ1日早く時間が過ぎるのを待つ。そんな毎日に嫌気が差している人も少なくない。

同僚や友達と話をしていても、今の仕事に対して「飽きた」「つまらない」と言っている人も多く、仕事に対して嫌悪なイメージを持っている人も多いだろう。だが、そもそも「やりがい」というのは仕事そのものにあるわけではなく、自分で作り出していくものである。

やりがいは探すからこそ見つからないのだ。「探す」のではなく「生み出すもの」としてやりがいを考えれば、明日からあなたも今の仕事にやりがいを感じることができる。


やりがいは自分の心で作り出すもの

たとえば、接客業や販売業・介護職という職種は、一般的にはやりがいのある仕事や人の役に立っていると実感できる仕事と思われているだろう。お客さんやおじいちゃん、おばあちゃんからの「ありがとう」という言葉で「自分は役に立っている」と感じ、その仕事に対してやりがいを感じる。

そうした、人と直に接する仕事は一般的にはやりがいのある仕事と言われることが多い。しかし、こうした職種も仕事そのものにやりがいがあるわけではなく、自分の心でやりがいを作っているだけに過ぎない。

普段から「めんどくさい」「だるい」「やりたくない」と思っていれば、お客さんやおじいちゃん、おばあちゃんに「ありがとう」と言われてもやりがいは一切感じられないだろう。毎日「早く帰りたい」「休みたい」とばかり考えていれば、きっとどんな職種の仕事でもやりがいは感じられない。

やりがいとは決して「この仕事をすればやりがいを感じられる」「介護職ならやりがいがある」というものではなく、自分が仕事に対して思う気持ちによって感じるものなのである。


仕事に対して主体的に取り組む

「あの人の仕事はやりがいがありそうだな」と思うのはすべて幻想だ。実際には、その人が自分でやりがいを作り出している姿を、それを見ているあなたが「あの人はやりがいのある仕事をしている」ように見ているだけである。

つまり、今自分がやっている仕事やバイトに対してやりがいを感じていないのであれば、それは仕事に問題があるのではなく、自分の仕事に対する考え方に問題があるといえる。

そして、その考え方のままほかの仕事や職種に転職しても、あなたはやりがいを感じることはおそらくないだろう。これは、働く意味について悩む人も同様である。今の環境で働く意味に悩んでいる人は、転職しても働く意味に悩む可能性が高い。

では、どうすればやりがいを心で生み出すことができるのだろうか? それはいたって簡単だ。仕事に対して「主体的に取り組む」だけでいい。

働く意味がわからなくなったり、仕事にやりがいを感じられない原因の多くは、仕事を「やらされている状態」だからである。それを主体的に取り組む「自分からやっている状態」に変えれば、やりがいや働く意味は自然と自分の前に現れる。

これは綺麗事などではなく、私が実際に経験してきたことである。


仕事は主体的に取り組んで仕事になる

人は、誰かに命令されたり何かをやらされたりするのが嫌いな生き物である。どんな人でも自分を中心に物事を考え、自分の思い通りに生きていきたいと思っているものだ。

しかし、現実は「会社に雇われてお金のために仕方なく働く」「やりたくないけど上司にやれと言われたからやる」というように、ほとんどの人は他人や会社にやらされながら仕事をしている。

人は、やらされている状態では決してやりがいを感じることはできない。自分から主体的に取り組み、仕事を自らやっている状態でなければやりがいは感じられず、いつか必ず働く意味について悩んでしまう。

では、主体的に取り組むとはどういうことか? それは「どうすればうまくいくか」「もっとはやく仕事ができないか」と、自分の頭で考えて工夫しながら目の前の仕事に取り組むことを指す。

これができれば、たとえコンビニの店員でも清掃員でもパチンコの接客作業でもやりがいを生み出すことができる。ただ与えられた仕事を惰性でこなすのではなく、「仕事をうまくこなすにはどうすればいいか」を常に自分の頭で考えて工夫して実行すること。

「あいつは仕事が遅い」「あの人嫌い」「やりたくない」という余計なことは一切考えず、ただ目の前の仕事をいかにうまく早く終らせられるかだけを考える。仕事はやらされている状態ではただの作業に過ぎず、主体的に取り組んではじめて仕事になるのである。


仕事に取り組む姿勢が大事

ここまで述べてきたとおり、仕事でのやりがいはただやっているだけでは感じることはできない。どんな仕事でも、自分で考えて工夫することではじめてやりがいを実感できるものである。

そして、仕事にやりがいを感じることができれば、私たちの多くが悩む「働く意味」も解決することができる。

コンビニの店員でも、お客さんが来て接客するだけではただの作業に過ぎない。そうではなく、お客さんがいないときにはお店の商品を並び替えて棚を見やすくしたり、ちょっと商品をずらして買ってくれるか試してみる。

あるいは、袋やストロー、箸などを取りだしやすい場所に用意しておくなど、主体的に作業に取り組むようにする。そうした工夫をすれば、その作業をやりがいを感じる仕事に変えることができる。つまり、全ては自分次第である。

一つの仕事にやりがいを生み出す考え方がわかれば、ほかのどんな職種の仕事に変わってもやりがいは生み出せるようになる。そうすれば働く意味について自分なりの答えを持つことができ、いつの間にか働くことや仕事を楽しいと感じるようにもなっていく。

こうなれば、どんな仕事をしていたとしても働く意味について悩むこともなくなるだろう。大事なのは「どんな仕事をしているか」ではなく「どんな姿勢で取り組んでいるか」なのだ。

職種や年収、地位や権力といったもので仕事のやりがいを競うことには何の意味もない。目を向けるべきは、自分の仕事に取り組む姿勢である。


一番好きな作業を仕事にする

働く意味や仕事のやりがいの多くは、主体的に取り組むことで見つけることができるが、実はもっと簡単に見つける方法もある。それは、自分の一番好きな作業を仕事にすることだ。

そのためにはまず、自分の一番好きな作業を知らなければならないが、これもいたって簡単に見つかる。たとえば、普段自分が「楽しい」「好き」だと感じることを思い出してみよう。

ゲームをしているとき、スマホをいじっているとき、友達と遊んでいるとき、音楽を聞いているとき、映画を見ているときなどなど、自分がやっていて楽しいと思うことを思い出し、その楽しいと思うことを作業に置き換えるのだ。

ゲームをしているときが楽しいと感じるのであれば、「ゲームをしているときの何に対して楽しさを感じているのか」を考えてみる。頭を使ってクリアしているとき、コツコツレベルを上げているとき、ストーリーを楽しんでいるときなど、ゲームをやっていてどの作業に楽しさを感じているのかを論理的に考えるのだ。

頭を使ってクリアしているときが楽しいと思うなら、自分が好きな作業は「考えること」だとわかるし、コツコツレベルを上げているときが楽しいのなら、「地道な作業」や「ルーティンワーク」が向いているといえるだろう。

自分が一番好きな作業は、普段自分が楽しいと感じることを作業に置き換え、「どこに楽しさを感じているのか」を考えれば知ることができる。そして、その好きな作業に似た仕事を選んでみる。

そうすれば、やっている仕事は一番好きな作業なので、興味のない仕事をしているときよりもやりがいを感じやすくなるだろう。そして、好きという気持ちが働く意味にもつながっていくのだ。


【まとめ】今の自分ができることからはじめてみよう

さて、いよいよこのエッセイも終わりのときだ。

ここまで私の仕事論や働く意味を好き勝手に述べてきたが、はじめにも述べたとおり、このエッセイで書かれていることは私の意見であって、これを読んでいるあなたに合うかどうかはわからない。

私が社会人になってからずっと考えてきた問題、「人はなんのために働くのか?」という働く意味に対する答えは、「人は生きるために働いている」というものだ。そして、仕事にやりがいを感じれるかどうかはすべて自分次第である。

今目の前にある仕事にやりがいを感じられず、働く意味がわからないのであれば、この先どんな仕事をしてもただの作業になってしまい、働く意味を求めて転職を繰り返して右往左往することになるだろう。それでは人生がもったいない。

仕事とは主体的に取り組みながら楽しんでやるもの、というのが私のモットーでもある。働く意味の本質が「お金と生きるためと食べるため」だったとしても、仕事はそれらのためだけに仕方なくやるものではないのだ。

働く意味がわからない人は、まずは自分の楽しいと感じることの中から一番好きな作業を考え、それを元に仕事を選んでみるのをおすすめする。

実際に私も、「自分の頭で工夫して取り組む」「自分の一番好きな作業で仕事を選ぶ」の二つを実践し、自分なりの働く意味を見つけた。

この方法は万人に通用するものではないかもしれないが、毎日「つまらない」「もっとやりがいのある仕事がしたい」と思っている人は、まずは目の前の仕事にやりがいを感じてみるのがいいだろう。

そうすれば、この先の人生において仕事で悩むことが格段に減り、働くことや仕事を通して充実感を感じることも増え、生きることにも幸せを感じられるようになるだろう。

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