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キューバでダンスレッスン【産後2ヶ月半のダンサーの身体

キューバで最も期待していたもの。

それは、世界最高峰の音楽とダンスを観ること!! 触れること!!

キューバ人旦那に出逢って4年、

彼が過ごしたHavana国立芸術学校での話はいつも私を魅了した。

旦那の学生時代の友人は、日本だとblue noteで演奏しているような、世界的著名アーティストだったりする。

2018年BlueNoteTokyoにてDayme来日ライブ。
旦那の小学校からの芸術学校の同級生ということで客席からステージに上げられ一緒にセッション。
そんな世界的な逸材を生み出す音楽大国&ダンス大国だ。


私達の出逢いのタイミングは本当に不思議なものだった。

2016年体調不良により強制帰国となった私の単身ドイツでのダンス留学。

3年はいるつもりでいたし、その為に必要なビザなども自力で用意したし、家もお金も半年弱でゼロにして心身ボロボロで戻ってきた。

あれは一体なんだったのか。
受け入れられないし、
成し遂げられなかった自分に対しても残念だし
夢も諦める形になったし…
と、現実を受け入れられないでいた。

ダンスなんてもう当分出来ないだろうし音楽すら聴く気にもならなかった。

それでも反射的に練習しなきゃ!とプレッシャーに追い込まれる。身体は動かない。の繰り返し。

帰国してからもしばらくは家にこもって
人生初、花でも生けていた。笑

療養期間を経て、
さて、そろそろ外の世界に出てみるか。
と、勇気を出してナイトアウトしたある夜、

代官山のメキシカンダイニングの周年パーティで旦那とキューバ人のバンドメンバーが演奏していた。ここは、私もダンサーとして踊らせてもらった事のある思い出の場所だった。

久々のラテン音楽が心地よいな〜
と思っていたら気付いたら身体が反応しはじめる。

練習しなきゃ!という苦しみから来る反応とは真逆の、

身体が音楽に踊らされてしまう感覚。

え、何これ。
まだ私は引きこもり中なんだってば!
踊るつもりないんだってば!!
え、ええ!?
あれ?
おかしいな。

気づいたら朝まで踊っていた。笑

その後、彼らの演奏するラウンジに音楽を聴きに度々訪れて、仲良くなり一緒に仕事するようになった。

というわけで私の傷心を癒し、
ダンスにゲッバックさせたのが

キューバ人とキューバ音楽との出逢いである

傷ついた心を癒し、楽しませ、踊り狂わせるほどの音楽を奏でる彼らの源はなんだろう。


Havanaで一番大きなアーティスト育成学校
ミュージシャン、歌手、ダンサー、画家、写真家など、あらゆる芸術を専攻する(倍率の高い審査があるとのこと)国立の芸術学校ENA

午前中は義務教育、午後は専攻を学ぶような
超エリート育成の大変厳しい学校のようだ。
4000人の受講者の中から100人、その中から卒業に至るのは若干名だとか。
いくら才能があっても、義務教育も全部審査の基準らしい。
苦手な数学が1年で終わる国際コースの高卒を選んだ私には絶対に卒業出来ない学校だ。

そんな学校から卒業する人たちは、ほぼ100%プロとして国内外で活躍する。(卒業した人のほとんどは海外で活躍するらしい)

ロイヤル・バレエ団のコンダクターはなんと黒人プリンスに選ばれた初のキューバ人である。
まさかのイギリス名門で。
歴史を考えても凄過ぎる!!

そんな話を毎日のように聞いていたから、ハイレベルな芸術をすごくすごく期待していた。


しかし、キューバに着いて以降、
暮らしの大変さに慣れていくことに必死でダンスどころでは無くなっていた。
そんな時ハバナのコンサート会場前で旦那の学生時代の同級生にバッタリ出会った。
なんという奇跡!!

コンサート会場でのオーディションに来ていたのが旦那の同級生でプロダンサーのカレンさんだった。

カレンさんはENAからさらに大学院まで首席で卒業し、現在は国営TVのレギュラー出演をはじめ、キューバを中心に活躍している。

キューバでプロダンサーになるために学校で学ぶのは、
クラシックバレエと、アフロキューバン、モダンクバーノコンテンポラリーが必須のようだ。

日本で例えたら、クラシックバレエとヒップホップダンスをどちらも踊れる身体能力を要する。

まさに、なんでも踊れる身体になるということだ!!

私は、ダンスを仕事にして15年になるが、
10代からストリートで踊るヒップホップダンサーから、20歳で社交界の10種目競技ダンスのスカウトを受けて真逆と言っていい程の振り幅(会場や相場価格全般のゼロひとつ変わる)のダンスを学んできた。

黒人発祥のダンスからイギリス発祥のダンスという大幅転向をし、"ラテン"をベースに今までのダンス経験を活かして現在は自分独自のミクスチャーの踊りを追求している。

究極のダンサーって、本当にどんな曲でもなんでも踊れる【身体と耳とマインド】があれば良いと思っている。

洗練されたヨーロッパのダンスが長いので、
これを機に自分の中に封印していたブラックカルチャーのリズムを蘇らせたい!
妊婦体で約1年間は本格始動できていないダンサーとしての感覚を取り戻したい!

期待を持ってカレンさんのプライベートレッスンがスタートした。

はじめにサルサとアフロキューバンのベーシックを習ってみたが意外とスムーズに入れた。
飲み込みの速さとポテンシャルの高さを褒められたが、私の年齢が30過ぎの産後と聞いて先生は唖然としていた。笑。(世界中で日本人は本当若く見える)ダンス一本30過ぎればそれなりに経験はある。

旦那通訳で、何を学んだらいいか相談しながらレッスンを進めていった。

アフロキューバンは、私が普段ハイヒールで踊るヨーロッパルーツのラテンとは真逆な土着なリズムで、自分のダンスとクリエーションするにはちょっと遠すぎるかも。ということで

学ぶことにしたのは、

【モダン・クバーノコンテンポラリー】

キューバ発祥のアフリカンのリズムとクラシックバレエをミックスしたようなダンス。
背骨をウニョウニョしならせたり、身体の繋がりを重視したストレッチと螺旋を描く動きのコンビネーション。

私が考案している【スパインストレッチ】と通ずるところがありながら
より動きの可動域を広げていくアフロの動きが見たことがない難易度だ。

身体の使えてない場所がどんどん分かっていき、流れを開通させていく感じ。
コレは未知なる世界へ開通しそうだ。

1日目は野外での練習場。鏡なし。
2日目は練習場が取れないということで
家に来てもらった。

まだまだ伸びれるし
まだまだ使える
まだまだ掘れるし
まだまだ発見できる

体の内側への探究に再び火がついた。

と同時に、

産後初めて習うレッスン、2時間半みっちり。
まだ回復していないお腹がプルプルいっていた。
やはり約1年間お腹まわりをつかえなかった代償は大きい。

産後2ヶ月半、この時点ではダンサーの体に戻るにはまだまだ長い道のりを感じ、疲労感とともに少し気が遠くなった。

ぉおっと見たことのないお腹のたるみが!


現在、産後4ヶ月。
かなり回復したどころか、
妊娠前より体の使い方が分かってきて面白い。産後3ヶ月頃から食事制限ゼロでみるみる一気に痩せていって身体が絶好調なのでこのあたり、また記事にしたいと思う。

やはり、自分のボディメソッドは最強であるかもしれない!!

妊婦中、あまりの体型変化に(➕18kg)大きな不安に襲われたり開き直ったり気分が落ちた日は数知れず。
今では数ヶ月前にそんな日があったことすらすっかり忘れていた。

やはり、身体は軽い方が気持ちいいし
筋肉はあった方がフットワーク軽く日常も動ける。

体の状態が与える心への影響もかなり大きい。

カレンさん指導のモダン・クバーノ・コンテンポラリーの要素が加わり、ダンスも身体もメソッドもまたどんどん進化していく。



いよいよ次回は、キューバで観た舞台
Havana Rakatanのレポートに!
(この記事、書く書く詐欺してる。笑 
インスピレーションで書くのでご了承を〜)


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