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Vol.25 Queen

映画「ボヘミアン・ラプソディ」のヒットで再び認知度が上がっていますが、日本ではいままでにも何度かQueenブームがあったように思います。ドラマやCMのテーマでタイアップされたり。他の70年代ロックバンドとはちょっと違う売られ方をするという印象が個人的にはありますし、なぜか日本独特のQueen市場のようなものがあるようにも思います。

イギリス本国やアメリカ、あるいは日本のロックマニアからみると彼らのサウンドにはあまり「とがった」部分が感じられず、どちらかというと「売れ筋ロック」という評価がされているように思います。
もちろん演奏力や楽曲の完成度は超一流ですし、フレディ・マーキュリー始めメンバーもみな個性的であって歴史に残すべき偉大なバンドです。
売れ筋であるがゆえにマニアに敬遠されてしまうのは致し方ないのかもしれません。

70年代の日本の洋楽ロックブームではキッス、エアロスミスと並ぶ「3大洋楽ロックバンド」だったわけですが、当時Queenは他のバンドに比べると女性ファンが多かったように記憶しています。
ボーカルを前に出すキャッチーな曲調に加え、このバンドの特徴であるギターの多重録音やコーラスを重ねる重厚なオーケストラ的アレンジにはどことなく耽美的な部分があり、またビジュアル面も含め「美しさ」を全面に出したプロモーションがされていたように思います。貴族的というか王室感というか、当時の日本人にとっての見知らぬ世界がそこにはあったのだと思います。本人たちの志向にはそういう部分があったのかなかったのかはわかりませんが。

当時ぼくにとってQueenはあまり好みのバンドではなかったのですが(エアロスミスとローリング・ストーンズに夢中な少年にQueenはちょっとね)ブライアン・メイのギターには注目していました。
彼は「レッド・スペシャル」と言われる自作の手作りギターを1本だけ使うという当時ではちょっと変わったギタリストでした。
当時のギターヒーローたちはいろいろなギターを使ってギターキッズたちを楽しませていたのですが、ブライアン・メイはそういった部分でも他のギタリストとはちょっと違う部分を持っていましたし、またピックを使わずにコインで弾くとか、VOXアンプを並べて使ったり(当時はマーシャルが王道)とかなり個性的なギタリストでした。
もじゃもじゃヘアーはほかにもたくさんいたので、それほど個性ではなかったです。

当時日本のギターメーカーのGreco(グレコ)がレッド・スペシャルのコピーを出していました。
ライセンスとかは無視していたのかあるいは手作りだからそんなものないのかよくわかりませんが、「BM900」というそのまんまの名前が付いていました。ちなみに900は90,000円の意味。

近所の楽器屋のショーケースに誇らしげに飾ってあったことをよく覚えています。

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