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僕たち大学院コロナ世代

はじめに

「コロナ世代」という単語が使われるようになった。
この単語を詳しく定義した文献は今のところないと思われるが,ネットや会話では「新型コロナウイルスが流行り自粛が行われるようになったために行事や対面授業,バイト,サークル,仕事の初期研修等を思うように行えなかった高校生・大学生・新社会人」を差していることが多いと思う。
このような高校生・大学生・新社会人の嘆きやそれへの対応,彼らに対する大人の反応といった言説はネット上に溢れているが,今回はあまりクローズアップされていない大学院生のコロナ世代について焦点を当てよう。

突然だが私は大学院コロナ世代であるようだ

「ようだ」という表現を用いたのは,つい最近までわたしにその自覚がなかったためである。
私は現在博士課程に在籍しており,コロナが流行り始める前の三年前も大学院の修士課程に在籍していたため,コロナの流行によって大学院の人間関係構築に著しいマイナスを被ったり先生方との関係性の構築ができなかった訳ではなかった。
そのため,実地調査等の計画に支障をきたされることはあっても,私たちの下の世代が同期の顔も満足にわからないことに比べれば,全然コロナによる自粛等の被害は受けていないのであり,自身が「コロナ世代である」とは考えもしていなかった。

初の非リモート開催の学会へ参加

こんな私が「自分てもしかしてコロナ世代かも?」と気づいたきっかけは,博士課程数年目にして初めて対面開催の学会に参加したことによる。
今まで学会参加や学会報告は複数行ってきたが,その全てがオンライン開催であった。
コロナ以前の修士課程の頃は対面の研究会に参加したり研究報告したりしていたが,大人数の研究者が一堂に会し,何日間にも渡って研究報告が行われる対面学会とは規模もプレッシャーも大きく違っていた。

学会前日に私は自分の家から学会最寄りのホテルまで24時間以上にわたる移動を行なった。
学会初日と二日目に自分の研究報告を行う予定だったのだが,前日の時点で疲労困憊だった。
そしていよいよ学会が開催され自分の報告が始まったが,あまりに前日の疲れが溜まりすぎていて,セッション中の移動時に知らない人に「体調大丈夫?」とか言われてしまった。
二日目の報告前の時間は他の人のセッションを聞く予定だったが,このままでは自分の報告中に倒れそうだったので,近くのベンチで体を休めるしかなかった。

コロナ世代だから(?)知らなかったこと

そんなこんなで初めて対面開催の学会に参加してみて私はあることに気づいた。
「私ってもしかしてコロナ世代なんじゃね?!!?」

オンライン開催の学会と違うなと感じたところを挙げてみよう。

  1. 他の人のセッションを聞く時間に布団や慣れた椅子の上でリラックスできない

  2. 移動に時間がかかる・体力を使う

  3. 報告が終わってすぐに食べ物を食べたり飲み物を飲むことができない・ベッドに倒れ込めない

  4. 会場の環境(ポスターの貼り方・スライドの写し方・来る人たちetc.)に気を遣う必要がある

  5. 自分の報告をするのも他人の報告を聞くのもめちゃくちゃ体力を使う

・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
なんか,めちゃくちゃゆとりっぽい感想ですよね。

しかし私は,対面開催の非オンライン学会がこんなに色々な面から負荷がかかるものだとは本当に分かっていなかったのでした・・・・。
オンライン開催の学会は自分の報告の時はもちろん気合を入れるし準備に負荷もかかりますが,報告が終わったらすぐに慣れた環境に倒れ込むことができます。他の人の報告を聞く時は飲み物を片手に慣れた椅子に座って楽に聞くだけです。移動日なんて概念はなく,いつもの自分の部屋から世界の人の話を聞くことができます。
オンライン学会,ストレスかからなくて素晴らしい!!!

オンラインのぬるま湯に浸かったわたしには対面開催学会をこなすのに十分な体力がついていなかったのでした・・・・。

しかし当たり前ですが,対面開催の素晴らしい点にも気づくことができました。

  1. 学会の空気感がわかる

  2. 初対面の人に会う時に,オンラインよりも多くの情報を得られるのでより親しくなったような気がする

  3. 空いた時間に観光・現地の食事が楽しめる

これらのメリットは本当に貴重なもので,今後の新たな研究活動にも大きくプラスになりそうです。
いくらストレスがかかるといっても対面で学会ができるならそれにこしたことはないと思います
それにストレスには,私が(そういうのに対処する用の)体力をつけて,慣れていけばいいだけです。

コロナ世代であることとどう向かいあっていくか

コロナ禍も3年目ということで,最近は対面学会の開催をはじめとして対面のイベントが開催されるようになっている。
前述のように私はコロナ世代であるようだが,コロナ世代と一口にいっても,受けたマイナスは世代によって大きな開きがあるように思う。
ある後輩とはリモートであったため顔もわからないままお別れをすることになってしまったり,別の後輩は実地調査をできないまま修了することになってしまったりした。
後輩たちと比べると,実地調査をコロナ以前に行なっていたり同期の顔を知って仲良いのは恵まれていると思う。

このまま脱リモートが進むと,他の世代にとって当たり前の行動・常識・考え方を経験していない・知らない「コロナ世代」が路頭に迷うことになると思う。
そんな時に重要なのは,それぞれが自身が・他者が「コロナ世代である」ことを認識しそれを認めることであると思う。

コロナ世代はコロナがないためえられなかった経験を知らないだけで,脱リモートに慣れるようになってしまえば,他の世代同様に行動できるようになるだろう。

最後に

体力をつけたいので,いい方法があれば紹介してください。
ランニングやその他スポーツに誘ってくれても嬉しいです😌


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