見出し画像

治療方針はADLと年齢で考えてほしい(家族の責任、医療者の判断)

このnoteでは親について子供たちの実感は間違っているから親の現在を知って欲しいと繰り返しています。

絶対に正しいこと
1.年をとる
2.死ぬ
3.その間がある

ちまたにはピンピンコロリなどと言いますが、コロリは辛いです。
残された家族の方は辛いです。
もっと親孝行できるはずだったのに、まだ時間があると思っていたと振り返る。
そういう思いを入院していた病院にぶつける家族もいます。

平均寿命は男性81歳、女性87歳(令和4年度)
健康寿命は男性72歳、女性75歳(令和元年度)
80歳過ぎれば1年1年、年をとる。
行動範囲が狭い人が案外気づかれない。
同じ毎日の繰り返しは出来ても、新しい事には対応できない。
それは体と同時に脳も衰えるということです。
平均寿命以上ではある意味余生です。いつ何があって命が終わっても不思議はないと考えてください。

医療の判断は絶対ではない

もちろん具合が悪い時に、その原因を突き止めるのは医療にとって重要かもしれません。
でも、80歳代後半、90歳以上の人を検査をしつくして原因がわかってホッとするのは家族だけ。
本人は疲弊してそれだけでも体調を崩します。

私がもともと整形外科で良かったと思うのは、高齢者の手術をするべきかどうかの判断を医師として未熟なころから勉強させられたからです。
ADLに沿って手術をするかしない決める。
一部に50歳と90歳に同じように手術やリハビリテーションをしようと考える医師がいることが不思議です。
しかも寝たきり、ご本人から苦痛を訴えることができない場合は侵襲な手術をしてはいけないと私は考えています。
家族の方は手術や入院についての負担は想像が及ばないところかもしれません。

子供がまさか自分を痛めつけるような治療は選択しないだろうと思っているので高齢者は自分の希望は言えないことが多い。
家族の方で徹底的に治療してもらって良かったと話される方もいますが、
ヨカッタのは家族?それとも本人?

医療だけでは高齢者の生活は成り立ちません、いのちさえも医療だけでは守れないのです。
どうぞ、親の現在を知ってください。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?