KOMA犬ストーリー(1)
吾輩は狛犬、まだ名前はない
台湾のとある工房でつくられた。欧米人やお金持ちのアジア人が吾輩のような作り物を好むらしい。親方は景気が良かった。
ところが、日本から台北に嫁いできた女性が親せきのためにと購入して、船で横浜に来たのだ。
贈られた先は高齢のマダムの屋敷だった。
壁紙、シャンデリア、ソファのカバーもロココ調というかバロック調、明治の終わりに生まれたマダムのセンスで統一されたおうちだった。
まもなくマダムは歩けなくなり、亡くなった。
飼われていたオウムのオタケサンは孫が